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はじめに  作者: 師走
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2025年に

車が全部電気運転になったら

あの苦々しい匂いのガスもみんなさっぱりなくなって

自動車道の脇道も深呼吸しながら歩けるようになるのかしら

凄い事

だけど

あの特異な煙が一掃されてしまうのは

ちょびっとだけ悲しい気もする

どうしてなのかは、全く説明のしようもないけど



イギリスの老婦人は語る

幸せという物はね

…そう、姿はまるで綿菓子のように柔らかくふわふわして

それでいて、齧ってみると石のように硬いものなのよ

目の前にも、そこら中にあっても、手が届かない

ねぇ、ほら、分かるかしら?


それを彼女の膝の上で聞いていた孫娘は、

その後ろでくくった金色に光る髪を揺らして顔を傾け

祖母の表情を覗き見る

(その祖母も昔は金色の髪であったが、今はすっかり白くなっている)


そして

それって、憎しみについての言葉じゃないの?

と聞いた


するとおばあちゃんは

はて、と首をかしげて

あらまぁ、そうだったかもしれない

あれ、おかしいわね

ふふふ、ふふふ

と笑い、

付け加えるように

明日の朝はアップルパイを作ってあげる、アツアツのね

と呟いた

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