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はじめに  作者: 師走
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蓄膿症は辛い

痛いよりも、奥に何かがあるという違和感が怖い

鼻の穴の奥の奥に、きっと膿があるのだ、それは黄色くてどろっとして、今もそこに根付いているのだ、と思うと、ことさら叫びたくもなる


また、異臭がするのも嫌だ

話しているときにさえ意識をする

相手は恐らくこの匂いに気がついている

いや、気がつかないわけがない

それでいてまだ何も言ってはこないが

それは単なる気遣いに過ぎず

あとで鼻をつまんで苦笑いしながら「酷い酷い」と言うのだ


放っておくことは許されない

そこで治療をする


昔は口の中を裂くようにしてがぱっと開け、膿を取り出していたようだが、今はそんなことをする必要はない


麻酔から目がさめると手術は終わったと言う

なるほどスッキリしたようだ

これで良かった


ただ

病院の先生は膿を出す時に顔をしかめなかったか気がかりだ



それから数日

あまり以前と変わらない


話している途中に

相手の顔をうかがっては

「あっ、いや、もう終わったのだ」と思って笑ってしまう

が、相手はキョトンとするばかりだ

私に対する態度も変わることはない

ただ、膿がなくなっただけだ


些細なもので、周りの目を気にするほどのことではなかったのかもしれないな

と思って

鼻頭を押さえてみる

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