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数少ない
希望の中で
塩みたいに
サラサラした
奴がいた
俺は
そいつを
袋に詰め込んで
よいしょと弾みをつけて
持ち上げ
引きずるようにして
持ち去っていった
その希望は
何も口応えをしないので
それがかえって楽チンだ
ズルズル
遠くへ連れてった後で
その袋の中身を
一気にぶちまける
ああ、今日も素晴らしい収穫じゃないか
と
褒めてくれる内妻がいるわけでもなく
俺は
一人
息を繰り返しながら
それを見下ろしていた
希望は手に入ったのに
これじゃあまるで絶望のタネだな
そんなことを思うと
自然に笑けた