23/629
26
水たまりの上に
黄色い長靴が落ちてきます
パシャンと音がして
水が跳ねます
丸いツブツブの玉だそうですが
やはり線を引いているようにしか見えません
透明の塊はそうして
路上の手鏡のそばに叩きつけられて広がります
音がしているはずなのですが
雨はそれさえもかき消して
さあさあ話をしています
泣いているのではもちろんなさそうですし
嬉しそうでもなく、つまり笑っている様子には見えず
世間話の風を装っているのでもない
喜怒哀楽をすっぽり抜いた音のようです
雨は埃を含んでいると毛嫌いされていながら、
あいつはあれでなかなか清楚なのかもしれません
地面と水が激しく当たれば白々としたように色がついて
その色は消えたり生み出されたりを同時に担当しているので
揺らめいてさえ見えるようです
先程水たまりをわざと蹴散らして通った少年は
傘をブンブン振り回しながら家へと急いでいます




