表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
報酬は世界の半分  作者: 麦ちよこ
魔法少女マスコット編(改稿前)
21/46

18.先輩

『咲:で、今どこにいるんだ?』



 一人飛び出した私ですが、結局先輩に泣きつくことになりました。思考はぐるぐるぐるぐる出口を見つけられず、お腹は空くし、空は色を失い始め、気がつくと路頭に迷うワンコが一匹という有様だったのです。毛皮はあるから野宿はできる。しかしながら、落ち着いてきた怒りの代わりに重い感情が圧し掛かってきて誰かと話をしなければだめだなと自己判断に至ったわけです。



『御使い:どこかの竹林の中です』


『はつ:どこかってどこだよwww』


『菊:もう暗いぞ。お前わかってんの?狼が一匹うろうろしてるとか攻撃されるぞ』


『みよ:ぼーっとしながら迎撃して町が火の海って未来が見える。つーわけで一番近い誰かの家に身を寄せな』


『御使い:何処かわからないので誰が近いかもわからないですごめんなさい』


『咲:wwwしゃーねーな、ウチ来いウチ。テレポートにフレンドGPS突っ込んで直接飛べよ』



 先輩達は口は悪いが優しい。凄く嬉しくて涙が出そうです。そして魔法のない世界出身で日頃から

ショートカットのオート魔法しか使ったことがないのでわかりません。そもそも衛星がないのにGPSが機能していることも理解できていないです。



『御使い:あの…マニュアル魔法つかったことないです。どこにGPSの何を突っ込めばいいですか?』


『みよ:中山wwwお前オート限定かよwww』


『菊:流石魔法無し世界出身w帰ったら共通魔法基礎講座受けろよwww』


『咲:菊は共通科学基礎いい加減とれよw』


『はつ:知ってるか?w出発前にも菊は受けたが落ちたことをwww通算378回目の不合格wwwww』


『咲:378wwwwwどうすりゃそんなに落ちるんだよwwwwww』


 

 質問の答えが返ってきませんが、とりあえずみなさん共通魔法基礎の資格はお持ちのようです。私だってこんな鬼人事がおきなければゆっくり資格試験も受けたことでしょう。魔方陣の書き換えは結構初歩術であったようです。これを機に覚えなければ。ちなみに共通科学基礎は小学6年生レベルの理科です。ああ、ほっておいたせいか、皆さん低資格自慢を始めました。



『はつ:科学は俺らには無理だろーよ』


『菊:基礎からして無理だw』


『咲:お前そういって魔法も基礎しかとってねーじゃねーかwどっちか極めろよw』


『みよ:つーかお前ら、中山どうすんだよw』


『咲:もうめんどいから召喚しちゃるw中山今から呼ぶぞw』


『菊:最初からそうしろよw』



 唐突に思い出されて、唐突に召喚されました。目の前には右手をこちらにかざして、左手を腰におく咲さんが立っています。



「よぉ。いらっしゃい。とりあえず飯食ったか?」


「まだです。魔方陣の書き換え教えてください…」


「飯食ってからな」



 苦笑いした咲さんはチャットに書き込みをして私にも書き込めとあごで指します。



『咲:中山召喚完了。飯食わしたりしてくる』


『菊:了解。まかせた』


『はつ:おっけ』


『みよ:良く寝ろよ』


『御使い:皆さんご心配おかけしました。おやすみなさい』



 咲さんは何も言わずご飯を与えてくれて、桶に入った水を持ってきて私の体を手ぬぐいで拭いてくれました。中身がおっさんで残念だなんていってごめんなさい。この優しさが心に染みて涙がぽろぽろと落ちてきます。それでも気づかないように作業をすすめてくれて、最後には「ここに寝ろ」と座布団を持ってきてくれました。どうしようもなく先輩の優しさがありがたい夜です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ