ACT6-1 こめられた弾丸(たま)
昨日の更新分です。今日中にもう一本書きます。それがラストですね。久々に読んだけど、けっこうこの部分、気合入れて書いたんですが、ご都合主義だなぁと^^;
オフィス街のビルとビルの合間の、人一人がやっと入れるほどの狭い隙間、そこを抜けると開けた空間に出る。
おそらくはビルの建設時に余った土地だろう。誰の土地かもわからないような空間は、やはり誰も掃除するものもおらず、薄汚れていた。
風が運んだであろう、中身よりも必要のなかったコンビニ袋。どこからともなく飛んできた肌着、木色のタバコ・・・・・・。
そして、鈍い光を放つすでに屍と化した一丁の拳銃。
深夜、林立し合うオフィス街の通りを誰も歩かなくなった時間帯、この空間に人は訪れた。
フラフラとした軽い足取りで入ってくる。どうやら、意思も持たずにこの場に訪れた麻薬中毒者だろう、この場にはこういう堕落した男がよく似合う。
「へへ、へへ・・・・・・よいしょっと」
男はこの、狭い空間にゴミ同然に放置されたものと同じようにたたずんでいる。口元からは涎が垂れ、目はトロンとしている。
その男の足が、ふと何かに触れた。相変わらず意思を持たない男は、それをなんだろうとばかり手にしてみる。
「なぁんだ・・・・・・オメェか」
薬を打った直後なのか、どうやら幻覚症状が出ているらしい。このまま放置しておくと、この男までまさしくゴミ同然になってしまう。
「テメェ・・・・・・死んでんじゃねぇか」
男は手にしたそれを目と引っ付くほど近くに寄せて、可哀想に長めている。本当にかわいそうなのが自分とも知らず。
「よし、よし・・・・・・わかった。オレの知り合いにいいヤツがいるからよぉ、一緒に行こうぜ。噂の銃器殺人犯・・・・・・ああ、可哀相に、そのままじゃ誰も撃てねぇよなぁ。もっと、いっぱい殺してぇだろ」
闇夜に意思のない男と、意思のある拳銃が言葉のやり取りをしている。ひょっとすると、麻薬中毒者の見ているものは、幻覚症状でもなんでもないのかもしれない。
「生き返ったら、どこに行きたい? ・・・・・・んな場所なんか、かんけぇねぇよなぁ、殺せりゃ文句ねぇよなぁ」
男は酔っ払いにも似た千鳥足で、この場を出て行く。ゴミ同然に成り果てた連続銃器殺人の真犯人、意思を持った一丁の拳銃とともに・・・・・・
数時間後、彼は見慣れぬ場所で目を覚ます。
命の灯火は全部で六・・・・・・
弾丸はこめられた。




