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そこにいた証
野良猫さんは、飼い猫さんに比べて寿命は長くないと言われています。
病気や交通事故――そのどれもが、あまりにも身近にあるからです。
(それでも、10年近く顔なじみでいてくれる子がいると、それだけで奇跡のように思えてしまいます)
ナワバリを移動したのか、ふとした日を境に、姿を見かけなくなる猫さんも少なくありません。
理由もわからないまま、ただ「もう会えないのかもしれない」と思うしかない別れです。
そしてまた一匹、あの子も虹の橋を渡ってしまったようです。
寝床にしていた建物には、小さなお知らせが出ていました。
そこに書かれた言葉を見たとき、胸の奥が、少しだけ締めつけられるような気がしました。
野良猫ではあっても、確かにこの街で生きて、誰かに覚えられていた存在。
こうして愛され、悼んでもらえるのは、その子がここで過ごした時間の証であり、
地域猫として、この街の一員だったからこそなのだと思います。




