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哀愁

 彼の表情はどこか哀愁を誘うようなものだった。

 ふとした瞬間に寂しそうな顔をしている。俯き気味でどこか遠くを見ている。

 彼は孤独だった。最愛の女性を永遠に喪ってから、哀愁を友にしているような人になってしまった。

 今までの彼のことを知っている人からすれば、その変わりように言葉を失ってしまうぐらいには変わってしまっていた。

 自暴自棄になっていないだけマシとは言えるだろう。しかし、病魔は付け込む相手を選ばない。 

彼の孤独感は日に日に増していった。寂しさが一層強まっているかのようだった。

遥か遠くを見過ぎていて、現在いまを見ていないかのようでもあった。

哀愁の深まりを感じさせるような感じになり、周囲の人も彼から離れていっているように思えた。

 だがしかし、彼を見捨てる者はいなかった。彼の友人の一人が、世話焼きがち友人が医者を、精神科への受診を勧めて、無理矢理にでも受診予約をさせたのだ。

そして、受診する日まで彼のことを見ていた。耐えきれずやらかしてしまうことを防ぐために。

 受診日になり診断が成された。その結果分かったのは、彼は鬱病になっており、投薬治療が必要だと言うことだった。

 愛する人を喪ってどれぐらいの月日が経ったのだろうか。彼の心の傷は塞ぐことは無いだろう。 

それでも時折、哀愁を誘ってしまうことはあるが、それが今の自分なのだと彼は考えていた。

今も投薬治療は続いているが、今の自分を受け入れられてもいる。あの時、受診して良かったと思うのだったーー。

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