癖の強いアンケート調査
「すみません、アンケートにご協力お願いします」
丁度暇していたし、やってみるか。
「いいですよ」
「ありがとうございます、では、早速アンケートを始めますので宜しくお願いします。じゃあ、まずあなたのお名前を教えてください」
「名前、佐藤 蓮だけど」
「はい、佐藤 蓮さんですね、何か探したら結構いそうな平凡というかありふれた名前ですね」
「いや、まあ、確かにそうだけど、よく言われるけど、ちょっと流石に失礼じゃない」
「あ、確かに失礼でしたね、申し訳ございません、まあ、一応謝っときます」
「いや、一応とか言うな、せめて心の中で言えま」
「はい、じゃあ次の質問です、貴方の好きな食べ物は何ですか」
「え、俺の言葉ガン無視で進めるの、まあ、いっか、え何好きな食べ物、好きな食べ物か、う~ん、やっぱり、ビールと焼き鳥かな」
「なるほど、確かに美味しいですよね」
「お、分かってくれるか」
「まあ、はい、でも俺鳥アレルギーで焼き鳥食べるとゲロ禿げ散らかしますけどね、それこそ、貴方の未来の頭皮みたいに」
「いや、だから、失礼だな、というか何、吐くと禿げをかけたの、まあ、分からなくはないがそこまで上手くないねん、もっとやるなら面白くやれよ」
「あ、確かに、本当にすみません、あ、でも、禿げには突っ込まないんですね、というか怒らないんですね」
「そりゃ、俺の父親も祖父も禿げ散らかしてるから、多分禿げになるなって、俺は自覚しているから」
「そっか、そっか、そっか、これどうぞ、レーシックのクーポン券です」
「いや、いらないよ、何でだよ何でレーシックのクーポン券出すんだよ、普通アートネイチャーとかの髪を増やす系のクーポン券くれよ」
「え、レーシックって髪を活性化させて1年間だけふさふさの髪になり、その後徐々に抜けて、2度と髪が生えてこなくなる、あれじゃあ、ないんですか」
「違うよ、目だよ、目、つーか、何それ怖いんだけど1年間希望を待たせて残り全て地獄にする悪魔の所業みたいになってるぞ、おい」
「いや~、それほどでも」
「褒めてない、というか早く次の質問してくれ、アンケートやってるんだろ」
「あ、そうでした、そうでした、では、次の質問させていただきます。はい、貴方の嫌いな食べ物を教えてください」
「あ、嫌い食べ物がやっぱりピーマンとグリンピースかな、小学生の時から嫌いだったから、ずっと食べないようにしていたら、克服できなくなって」
「なるほでね、あるあるですね、ようは、味覚レベルが小学生ってことですね」
「いや、言い方の悪意、底知れない悪意ねん」
「いや~、それほどでも」
「いや、褒めてないねん、もう、本当にそういうの良いから早く次の質問してくれ」
「あ、そうでしたね、では次の質問です、もし物凄くブスな女と物凄く可愛いけど男、結婚するならどちらがいいですか」
「いや、急に質問代えてきたな、というか、何その究極の二択、うわ、メチャクチャ悩むやん。あ~~~。そうだな、う~ん、俺やったら後者かな」
「つまりホモと」
「いや、そういう訳じゃないんだが、この年で童貞だと、可愛ければ男でもいいかなという心理を開き始めるからな」
「なるほど、で、そのまま右手と右脚持ってかれると」
「いや、いや、そういう心理違うねん、それは、また別の心理やんというか扉やん」
「あ、じゃあ、つまりホモと」
「いや、だから違うんねん、違うねん、ホモちゃうねん、ブスより可愛い男が良いって話ねん」
「つまり、貴方は賢者になれると」
「いや、まあ、年齢的に後1年で賢者だけどって、何言わせてるねん、違うから話が脱線し過ぎだ、アンケート調査をやれよ」
「あ、そうでしたね、それでは、後72個ほど質問がありますが、めんどくさいので一つにまとめて質問します」
「いや、まとめられるなら、最初っからまとめとけよ、めんどくさい」
「いや~、それほどでも」
「だから褒めてないねん、どういう思考回路してんだよ。で、その質問は」
「え~、はい、それは、あのうはい、はい、はい、すみません、やっぱりまとめれませんでした、てへぺろロリン」
「うん、ひたすらに気持ち悪い、というかこれ何のアンケート調査してたの」
「あ、それは趣味ですね、私アンケート調査と偽って人の情報を聞き出すのが趣味なんです」
「いや、怖っ」
俺は思ったよりもヤバい理由だったその人から全力で逃げ出した。
「あ、待ってください」
「追っかけて来るな、気持ち悪い」
ほんで退場