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神々の愛し子  作者: chima
現れた異世界の扉
6/32

どっきりは寝起きにどうぞ



疲れた体に心地よい睡眠。

糞忙しい……失礼、大変忙しい日々のなかでは貴重な時間である。


なんて、有意義な時間は空気を読まずに呆気なく破られたのだった。



“スッ”と……一瞬変化した覚えのない魔力が入り込んだ空気の乱れと、唐突に現れた何者かの気配を捉え瞬時に寝台脇の隠し刀を突きつける。



何故ここに幼子がいるのだ……


kunmlzmana(拘束せよ)


険しい表情で向き合うが、例えがたい表情をする幼子の淀みない魔力オーラ、まるで赤子のように秘められたままの封じられた魔力オーラに不思議な感覚を覚える。


誰もが魔力をもつ、この世界ではあるが唯一魔力を開放することのできないのが、どの種族も総じて誕生から1年程の赤子は魔力構成から展開が上手くできないため魔力を使うことができない。そのため、封じられてる魔力が体内に篭ってしまう。


『動けぬとは思うが下手な行動はするな』


大抵の場合は、赤子の魔力量程度なら篭っていても問題はない。しかし、多すぎる魔力の場合は魔力酔いとなり身体に負担となるため、魔力の多い大人が処理をする必要がある。とはいえ、魔力調節は赤子から幼子と呼ばれる頃には完璧に出来るのが通常。そして、魔力解放は子どもが親や大人をみて言葉を覚えるように学んでいくものであり、言葉をひとりでは学べない事と同様に魔力の扱い方も赤子もひとりではわからないのだ。



つまり、いくらこの者が幼子だといえ魔力が封じられているのは……、赤子でない事を考えると魔力の解放の仕方を知らないのか…………



そしてもうひとつ、いくら封じられてるとはいえ普通の幼子の魔力どころか魔法庁に入れるレベルの魔力が秘められているのではないかと思える。その魔力量を体内に留まらせるとなると、幼子の身体には一溜りもないだろうに……考えれば考えるほど不思議な幼子である。



不審ということに間違いないが幼子を威圧するのは心が痛む。だが、他国の刺客で幼子でないという想定も棄てきれぬ故、仕方あるまい……。


忘れていたが、赤子はともかく幼子となれば意志とは別に本能的に危険を感じたときには防衛心から無意識下においても魔法が発動されるはず。無いということは、心が鍛えられている危険や傷みを知る者とも考えられる。


『どうやって潜り込んだのだ』


「あのですね!!! ―――――――――――で、ででででも、それより、あ、あの『はっきり答えよ!』ひっ」


あー、やってしまった。つい、官吏を叱る勢いで言ってしまった。涙目でクリクリと加護欲を書きたてられる「ととととと、とりあえず! とりあえずトイレを貸してくださいーー! 漏れちゃう!」


『……は……?』


バタバタバタバタ

『『『失礼いたします』』』

『『『殿下、お怪我は!!!』』』


あぁ、これは……幼子だ……


「ぅぅ~、ずびっ、ぅぅ゛~」


はい、決定です。幼児でございますね。

続きます!

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