表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファルクエン戦記  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/36

第36話 戦果報告

 数日後、アーデ領から帰還した俺達は団長のレニに報告を行った。

 それを聞いたレニはきょとんとした顔で固まる。

 彼女は静かにため息を吐くと、天井を眺めてからこっちを見た。


「……えっと、ちょっと待ってね。情報が多すぎて驚いちゃった。改めて説明してくれるかな」


 促されたグイルとキサラが順番に述べる。


「アーデ領の侵略は成功し、占領に十分な損害を与えた」


「でも将軍バヌゥカは死にましたっ!」


「そして俺は鈍色の獅子の団員となった」


 なぜか自慢げな様子のメズィが前に進み出る。

 レニはゆっくりと目を細めた。


「あなたがアーデの王……」


「そっちこそ噂は聞いてるぜ、団長さんよ」


「"黒煙"のメズィに知ってもらえていたとは光栄だね」


「謙遜すんなって。"祝福殺し"のレニと言えば、どこの国でも通用する大英雄だろうが。魔術だけで祝福持ちを殺しまくる傭兵なんざ、あんたくらいしかいねえよ」


 初対面のようだが、どうやらお互いのことは認知していたらしい。

 やり取りを聞いていた俺は、隣のグイルにこっそりと訊く。


「レニさんって有名なんですか?」


「ああ、かなりな」


 グイルは当然のように頷いた。

 一方、メズィが髪を撫でつけて整えながらレニに確認する。


「それで、俺は鈍色の傭兵団に入れてもらえるのか?」


「もちろん歓迎するよ」


「よし! こんな面白い奴と出会えたんだ。一緒に戦いたかったんだよな!」


 メズィは嬉しそうに俺の肩に腕を回してきた。

 予想外の行動に俺は驚く。


「えっ、俺ですか!?」


「当然だろうが! 何個も祝福持ってる人間なんて聞いたことねえよ! こいつは間違いなく王の器だ!」


「王の器……」


 冗談で言っているような雰囲気ではない。

 まさかそんな評価をされているとは。

 少し前までただの村人だったというのに、随分と出世したものである。


 俺が照れていると、レニがグイルに尋ねた。


「メズィがここにいるけど、アーデの現状はどうなっているのかな」


「領内は大混乱だ。俺が解き放った数万体の死体も暴れ続けている。当分は指揮系統が麻痺した状態だろう」


「うん、いいね。ファルクエン側も将軍が戦死したけど、向こうの被害に比べれば軽微だね」


 レニが俺の前まで歩み寄ってきた。

 彼女は微笑を浮かべて言う。


「今回の戦果をハンニグに報告するよ。アルフ君、同行してくれるかな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ