表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファルクエン戦記  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/36

第22話 新たな仕事

「さて、アルフ君。大量の祝福を奪ったことで、君はかなり強くなった。そこらの兵士なら力押しで圧倒できるだろうし、祝福持ちだろうとたぶん蹴散らせる。だけど不十分だ」


「はい、分かってます。俺はまだあまりにも未熟です。祝福を使いこなせないといけない」


「その通り。幅広い戦闘手段は唯一無二の強みだけど、それに振り回されたら意味がないからね」


 レニは何度か頷きつつ、俺の全身を観察する。

 彼女の眼差しには若干の憐憫が込められていた。


「君の場合……うん、まあそうだね。とにかく祝福の扱いに慣れるのが最優先かな。一般的な鍛錬はやらなくていいよ。その辺りの才能はなさそうだし、君」


「す、すみません……」


「謝ることじゃないよ。方針がはっきりしているのは良いことさ。苦手なことは諦めて、得意分野を伸ばしていこう。そんなわけでさっそく任務だよ」


 レニが真新しい手書きの地図を渡してくる。

 ファルクエンとアーデの国境付近に大きな丸印が付けられていた。


「アルフ君にはファルクエン軍の兵士として、アーデ侵略作戦に加わってほしい」


「またアーデですか……」


「嫌だった?」


「いえ、大丈夫です。元から愛着なんてないですし、砦で何人も殺しました。今回もやり切ってみせますよ」


 俺は自信満々に応じる。

 強がりなどではなく、本当に躊躇いはなかった。

 それを察したらしきレニは、俺の肩を叩いて忠告する。


「今回、君は鈍色の獅子の団員として参戦する。あたしの顔に泥を塗るような真似はやめてね」


「任せてください。たくさんの戦果を土産にしますよ」


「うん、楽しみにしてる」


 微笑んだレニは机の上に積み上がった書類を動かし始めた。

 作業を再開するようだ。

 億劫そうに羽ペンを回しつつ、レニは俺に手を振る。


「現場までは他の団員が連れて行ってくれるから、細かいことは彼らに聞いて」


「わかりました。集合の日時と場所はどうなってますか?」


「明日の正午、傭兵酒場だね。それまでしっかり寝てもいいよ」


「ありがとうございます、了解です」


 俺は一礼してから執務室を出ると、そのまま私室へと向かった。

 ベッドに寝転がり、天井を眺めながら考える。


(アーデ侵略作戦……ハンニグのために戦うのか。複雑だな)


 もちろん必要な行動であるのは理解している。

 鈍色の獅子はいつか国盗りを決行する。

 傭兵団として名を挙げれば、そのための戦力や物資、地位や権力が手に入る。

 国盗りの準備を進めるため、俺は忠実に任務をこなす。

 巡ってくるであろう復讐の機会のためにも、目の前の利害にこだわるべきではないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ