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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第八章 結婚式に元婚約者が乱入するってマ?

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おまけ話 ルミナス☆ミ センター桜宮紫優の憂鬱⑧〜「ルミナス☆ミ」センター&「双翼」左翼の今の着地点〜

《桜宮紫優視点》


 いよいよ迎えた「最初のキス 最後の告白」キスシーンの撮り直し当日──。


「アクション!」


 カメラが回り始め、夕焼け空の下、私と優青は神妙な顔で向かい合う。


 ポメ太を貸してあげたけど、優青、今度は演技大丈夫かしら?


 心配気味に見上げると、前回とは違って、優青は役に入り込んだ真剣な表情をしていた。


 よかった。今回は行けそうね。


 私がホッとしかけた時……。


 ❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥         


 勝入裕次郎(楓川優青あいつ)「まだ分かんねーのかよ! 俺は、紫優の事っ……」

 夢野舞子(桜宮紫優わたし)「っ…!?????」


 チュッ♡

 ❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥ 


 !!!!


 紫優と呼ばれて戸惑う中、勢いよく優青は私の唇を奪った。


 え? これ、絶対NGなのに、そのままキスされちゃった!!


 私、これがファーストキスなのに、こんなのアリ?!////


 生温かくて、柔らかいリアルな優青の唇の感触と男の子の匂いにクラクラして倒れそうになっていると、優青は名残惜しそうな顔で、やっと唇を離してくれた。

 ❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥ 


 夢野舞子(桜宮紫優わたし)「ゆ、優青……! い、今、紫優って……////」


 顔を火のように火照らせ、ぷるぷるしながら、優青のNGを指摘してやると、優青は「えっ」と驚いたような声を漏らし、回りを見渡した。


「「「「「!??」」」」」


 監督、撮影スタッフ、マネージャー、その場にいた全員が凍った表情でこちらを見ているのに気付いて、ようやく事態を認識したのか、優青はサーッと青褪めた。


 やっぱり気付いてなかったの。

 しょうがないわね。


 カットさえかからない、時が止まったような状況で、私は大声を響かせた。


「も、もう! 私のファーストキスを無駄にして、優青はしょうがないわね。練習のし過ぎで頭ボケちゃったんじゃないの?」


「ごごご、ごめっ、紫優っ||||||||」


 腰に手を当てて、プリプリと怒ってみせると、優青はムンクの絵のような顔で私に手を合わせて来る。


 チラリと監督を見遣ると……。


「ハッ。カットカット〜!」

 ✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂


 ようやく監督の声がかかり、その場に少しホッとした空気が流れる。


「なんだ、今の真に迫ってたけど、惜しかったな。何、二人いい感じなの?」


「違いますよ〜。養成学校の時の知り合いというだけです! ねぇっ?」


 監督にからかわれ、私は鉄壁の笑顔で返し、優青を肘で小突いた。


「えっ。|||||||| あ、ああ。そうです」

「なんだ、つまんないな〜」


 優青は、まだNGのショックが残っているのか、シュンとした顔になっていたので、私はひそっと耳打ちする。


「(落ち込んでる場合じゃないわよ? 次はちゃんとキメてね?)」


「!!// (あ、ああ! すまん。次こそはキスシーンバッチリキメてやるぜ!)」


 優青は急に自信満々に胸を逸らし、そう宣言した。


 元気を取り戻したのはよかったけど、どうして鼻の下を伸ばす必要があるのかしら??


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


 その後、次のテイクで今度こそ無事にキスシーンも撮り終え、撮影現場から帰る途中、優青に呼び止められた。


「し、紫優っ。さっきは、フォローしてくれて、サンキュな! あと、ポメ太にも大分助けてもらった。大事なものを貸してくれてありがとう!」


「ああ、ポメ太!」


 優青に珍しく素直に礼を言われ、ポメ太を返却され、久々にお気にの子の顔が見れて私は思わず笑みを浮かべた。


「色々マウント取ってごめんな。俺、お前の前ではカッコつけたいって気張っててたけど、本当はダメダメで……。

 さっきも、とちって、2回もキスシーン演じる事になっちゃって……」


「……!!// そ、その事はもう言わなくていいわよぅ!」


 優青にキスシーンの事を蒸し返され、優青の唇の感触やらを思い出し、一気に顔が熱くなり、私は恥ずかしさにそっぽを向いた。


「でも、俺は……。演技とはいえ、2回も紫優とキスできて嬉しかった!」


「えっ」


 な、何言ってんの、優青?!


 更なる問題発言にドキッとして優青を見上げると、いつも私をドヤ顔で煽ってくる彼が、真剣な表情で私を見据えていた。


「今回の撮影もそうだけど、今までも、お前がいてくれたから、俺っ、色んな事を乗り切れたんだ!

 これからも、時々でいいから俺と会ってくれないか?」


「そ、それって、プライベートでって事?」


「あ、ああ!」


 プライベートで会いたいって、それってつまり……。


 頬を紅潮させて緊張した様子で私の返事を待っている優青を前に、鼓動がおかしいくらいに早まって……。


 それから、少し離れたところで私達を見守っているマネージャーの佐々木さんと、管林さんの姿を見遣り、胸がキュッと締まるように痛んだ。


 アイドルが言わなければならない言葉を絞り出す。


「そ、そんなの無理に決まってるじゃない……。

 売り出し中のアイドルがトップアイドルのあんたに理由もなく会ったら、スキャンダルの元よ」


「そ、そう……だよな……。ご、ごめん。困らせて……」


 叱られた犬のように、シュンと肩を落とす優青に、私は更に続けた。


「で、でも! 優青のその字の下手さは問題よね。


 誰かと結婚して子供が欲しくなっても、コウノトリさんに手紙を読み取ってもらえなくて困ることになるし、養成学校の仲間として放ってはおけないわ!」


「??」


 急に字の話をされ、不思議そうな顔の優青を上目遣いにチラリと見遣る。


「だ、だから、よかったら私が字を教えてあげてもいいけど……。


 理由があって会うならスキャンダルにはならないだろうし……」


「!✨✨」


 私の意図に気付いた優青は、パアッと顔を輝かせた。


「そそ、そうだな! そう! 俺、前から字が下手なの気にしてたんだよ〜。紫優、ぜひ字を教えてくれ! お願いします!」


「しょ、しょうがないわね……」


 今はまだ、仕事で手一杯だけど、先の事は分からない。


 いつか私が子供が欲しいとコウノトリさんに願う時、隣で手紙を書いているのはポメ太みたいな犬っぽい男子だなんて、そんな未来も有り得なくもないのかもね?


 そんな事を思いながら、私は優青に向けて、ニンマリと笑みを浮かべたのだった……。




✽あとがき✽


 紫優スピンオフ最後まで見守って下さりありがとうございました!


その後、優青が紫優に字を教えてもらいに事務所にやって来たタイミングで、例のキスシーンのサプライズ上映会が行われ、皆が温かく見守る中、紫優は照れ怒り、優青は始終デレデレしていたとか……(;´∀`)


今後また機会がありましたら、果林と新の子供が生まれた後とかのおまけ話を描けたらと思います。


なお、以前投稿した活動報告、カクヨムサイト近況ノートに投稿したおまけ話もご興味ありましたら、覗いてみて下さいね。


10万pv感謝✧✧おまけ話 オムラムライスな新婚生活(小説家になろうサイト)

mypage.syosetu.com/2080209/



20万pv感謝✨✨ 「アイドルに拾われ婚」おまけ話 元アイドルとマネージャーの赤ちゃん講習カクヨムサイト


https://kakuyomu.jp/users/koba-koba/news/2912051597595895932


また、他作品になりますが、

6/15(月)12:00〜新作「なかなか結婚出来ない農家の俺(30)、婚活の為、パパッと魔王倒してエルフの嫁さん田舎に連れて帰ります!」

を平日週五投稿していけたらと思っています。


ファンタジー要素を入れたラブコメになりますので、ご興味のある方はこちらもお願いします。


今後とも各作品をどうか宜しくお願いしますm(_ _)m


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