おまけ話 ルミナス☆ミ センター桜宮紫優の憂鬱①〜ルミナス☆ミ センター桜宮紫優の憂鬱〜
ノルウェー人のお祖父ちゃん譲りの輝く銀髪に紫の大きな目。すらっと長い手足。小さい頃から可愛い、お人形さんみたいと、両親や友達、周りの皆に愛され、可愛がられて育った私・桜宮紫優(17)
この私の可愛さと魅力は、もはや世界レベルで拡散すべきと思った私はアイドルを目指す事にしたわ。
歌とダンスも天才的にセンスのあった私は、アイドル養成学校でも優秀者で、すぐに、アイドルグループ「Sweet Storm」に入れた。
「ちょっと天然だけど、一番可愛い」と人気が出始めてここまでトントン拍子に人生の駒を進めていた私だけど、他のメンバーの異性関係のスキャンダルで、なんとグループは解散に……!
けれど、やはり、私はアイドルになるべく運命づけられて生まれた人間✧✧ すぐに、今度は人気アイドルグループ「ルミナス☆ミ」のオーディションに受かり、卒業した人気タレント・桃谷果林の後釜として、センターを務める事になったの。
何度かライブを行うも、人気は上々!↑
他のメンバー・姫島アヤちゃん、北川舞弓ちゃん、指導役の桃谷果林との関係もわりかし良好。最近では、テレビドラマ「最初のキス 最後の告白」のヒロイン役も回って来て、これからも芸能人生は順風満帆だと信じて疑わなかったのだけれど……。
「はあぁぁ……。撮影、いぎだぐないぃ……||||||||」
「あらあら、どうしたんですか? 紫優さん。ドラマのお仕事を貰った時はあんなに喜んでいたのに……」
ドラマの撮影現場に向かう車の中、助手席でため息をつく私に、隣の運転席から佐々木さん(ルミナス☆ミのマネージャー)が声をかけてきた。
「いや、だって、あの時は相手役が決まっていなかったじゃない」
「相手役というと、楓川優青くんの事ですか?」
「え、ええ……」
「今をときめく二人組ユニット「双翼」の片割れで、ソフトな物腰と優しい王子様的な微笑みで女子のハートを狙い撃ち♡する彼のどこが問題なんですか?
今ホットに売れている彼との共演は紫優さんにとってメリットしかないんじゃ……」
「っ……! だから、嫌なのよっ……」
佐々木さんの言葉に私はギリッと奥歯を噛み締める。
「アイツ、養成学校からの知り合いなのよ! あっちの方が売れているからって絶対マウント取ってくるわ!」
「ええっ! そうなんですか? しかし、彼は共演者には分け隔てなく優しいと評判でっ」
「でも、私にはいつも偉そうな態度を取ってくるのっ! しかも、脚本にはキスシーンもあるのよっ? ファーストキスをドラマの撮影でするなんて、ただでさえ複雑な気持ちなのに、相手がアイツなんて! きっと私に経験のない事をいじり倒されるに決まっているわっ。もう、本当に最悪っ!!」
「ええっ。いや、流石にトップアイドルが女性アイドルを小学生みたいにいじり倒すなんてしないんじゃないですか?紫優さんの考え過ぎですよ。ホラ、後部座席にドリンクがありますから、それでも飲んで少し気分を落ち着けましょう?」
頭を抱え込み悩んでいる私を、佐々木マネージャーはそう言って宥めたのだけど……。
✽
「よう。紫優、久しぶりだなぁ? ルミナス☆ミ入って、ちょっとは売れるようになったのかぁ? まぁ、まだまだ「双翼」の左翼と呼ばれる、この俺・楓川優真の人気には遠く及ばないだろうがな!
紫《《優》》と《《優》》青。同じ優の字が入る名前ながら、人気対決では、ハイ、俺の圧勝〜! ガハハハ!」
「ぐ、ぐぬぬ〜〜っ……! 優青め、だから嫌いなのよおぉ〜〜っっ!!」
「???|||||||| (ほ、本当に小学生男子みたいな対応してるっ……!)」
撮影現場に到着し、カジュアルスーツ姿の楓川優青と久々に顔を合わせ、開口一番に聞かされたひどい煽り文句に、私は怒り心頭で、佐々木さんは、ただただドン引きしていたのだった……。
✽あとがき✽
今日からルミナス☆ミ新メンバー、桜宮紫優のおまけ話を8話分毎日投稿させて頂きます。
新と果林の出番は少ないですが、よければ見守って下さると有難いです。
今後ともどうか宜しくお願いしますm(_ _)m




