メイ、登場
そんなとき、また一人の訪問者が現れた。
「等々力お兄さん、光子姉ちゃん、何しゆが?」
入口には、可憐な佇まいの、小学生ぐらいの子供が立っていた。
「どういたが、メイクン? お兄ちゃんになにか用かな?」
等々力が優しく話し掛けた。
「うん、髪ヒュンヒュンのお兄ちゃん。それにしても、おかっぱのお姉ちゃんとえいコンビやね!」
等々力の髪型はパーマをかけて、髪が立って四方八方に飛んでいる。対して光子の髪型はおかっぱ頭であった。
「メイ! あんた、小学校は! 高校へ来たらいかんいうたら判らんが?」
光子が話し掛ける。メイと呼ばれた子供は「てへっ☆」と可愛らしく微笑んで見せた。
「あんたねぇ、メイ。いくら見た目がえいきいうて、誤魔化されんで」
「なんのこと、お姉ちゃん?」
「そうそう、光子。メイちゃんもお年頃なんだ。お兄さんに会いに来てくれてもいいだろう」
どすっ。光子のボディーが等々力の身体にめり込む。
「冗談は寝ぇてからにして下さい! 第一、『クン』か『ちゃん』かどっちかにせんかい! こいつは見た目は美少女でも、男やぁっ!」
メイがケラケラ笑いながら、
「やっぱり、等々力お兄ちゃんと光子姉ちゃんは気が合うなあ」
「うっ……。俺は治癒の力があるきに大丈夫やけんど、普通のもんにやったら、死ぬで、光子……」
腹を押さえる等々力の手は、光を発していた。温かな光だ。
「もうえい、メイ。何の用? なんもないなら、はよ帰り!」
「お母さんが、今度用があるき、覚えちょいてやと。それじゃ、ボク、帰るから」
「気をつけて帰るんだよ。メイちゃんぐらい可愛いと、オジサンに狙われる――」
「だから、こいつは男やぁっ!」
光子の裏拳が飛んだ。
メイはクスクス笑いながら、満面の笑顔で帰っていった。
「まったく、誰が育てたやら……。あれ、等々力センパイ?」
「此処、や……」
顔面を押さえて、吹き飛ばされた状態で座り込んでいる等々力を見て光子が一言。
「ぬるいセンパイやなあ。それぐらいで」
シバキ漫才のシバかれ役になっている等々力は、とにかく治癒に全力を注いでいた。




