なんじゃい
――なんじゃい、いきなり。
「あのー、どういたがぁです? うちの部長は宴会には向いていても、生徒会長にはちょっとばかし難があると思うがぁですけど」
光子が愛想笑いを浮かべながら近づいていった。
「とにかく、貴方を立候補させたいんです! 今言えることはそれだけです! それじゃ!」
女生徒は吐き捨てるように言うと、帰っていった。
等々力と光子は取り残された。
しばし、時間が流れる。うーん、蝉の声が五月蠅い。
「なんやったがぁでしょうねぇ? うちの部長が生徒会長て――いてて」
等々力は光子のほっぺたをつまみ上げていた。
「誰が宴会部長や、誰が」
「いひゃい、いひゃい。――ほりゃっ」
「うっ」
等々力は腹部に衝撃を受けて倒れた。
「部長……。私が腕力では部長の数百倍は強いこと、お忘れではないでしょうね?」
「すまん、いや、すみません、光子――」
「〝さま〟は?」
「……すみません、光子さま。もう二度と可憐なほっぺをつまみ上げるなんてしませんから、どうか、これ以上は、どうか」
「……よろしい。判ればえいんや、判れば」
どっちが部長か判らない立場になりつつ、取り敢えず二人は元の場所に戻った。
「それでぇ、どういたらもっと治癒部を盛大に盛り上げていけるか、いっしょに考えましょうよ、部長!」
お前が怪我人を増やせば、治療部の需要も増えるがぁちゃうかと思いつつ、等々力はお首にも出さずに「どういたらえいやろうかなあ」と答えるに留まった。




