表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/45

31 対勇戦国戦

広大な大陸を二分する大国――勇戦国とペレチア王国。その二つの国の間に緊張が走り、ついに戦火が巻き起こることとなった。


勇戦国は戦士たちの国。武を重んじ、強者こそが正義とされるその国は、圧倒的な軍事力と騎士団を誇り、幾度も他国を圧倒してきた。その王、ヴォルクス=ヴァルハルトは鉄の意志と冷酷な判断で知られ、その手腕で国を統一し、拡張を続けていた。


一方、ペレチア王国は魔法と騎士の国。豊かな自然と聖なる魔力が満ちた地で、王族には代々強大な魔力が宿るとされている。国を統べるのはペレチア王、そして彼の娘である第二王女フローレンス=ペレチアは、炎属性の魔力と強大な力を持ち、民衆からは「紅蓮の姫」として慕われていた。


二つの大国が衝突した理由は、勇戦国がペレチアの神聖な森である「聖域の森」に軍を進めたことから始まった。その森はペレチアの神聖な魔力が満ち、古代の精霊たちが眠る聖地。ペレチア王家はこの森を神聖視し、外部の侵入を固く禁じていた。


しかし、勇戦国の王ヴォルクスはその聖域に強力な魔力が眠っていることを知り、力を求めて軍を派遣した。これをペレチア王は即座に侵略とみなし、国を挙げて反発した。


「これは我が国の神聖なる土地!貴国の軍を即座に退去させよ!」


ペレチア王は使者を送り、ヴォルクスに交渉を求めたが、返事は冷たかった。


「力ある者が支配する。それが我が国の理。貴国にその力があるか、試させてもらうまでだ」


こうして、両国の間に戦争の火種が燃え上がった。



聖域と言っても普通の人間が入れない様な森だ。

そう、察している人もいるかもしれないが、ローランドが捨てられた森でもある。

森はペレチア側にとって防衛線でもあるのだ。


〜〜〜


ペレチア王国はただちに王国軍を編成し、聖域の森へと軍を派遣した。指揮を執るのはペレチア第二王女フローレンス=ペレチア。炎の魔力を操り、常に最前線で兵を鼓舞する彼女は、兵士たちから「炎の姫将軍」として恐れられ、また敬愛されていた。


「皆、ここは我が国の聖地!絶対に奪わせてはなりません!」


フローレンスの声は兵たちの士気を高め、彼らは命を懸けて森を守り抜く決意を示した。


対する勇戦国は、武勇に優れた騎士団と、屈強な戦士たちを率いて攻め込んだ。彼らは重装甲の騎士たちを先頭に、弓兵や魔法兵を後方に配置し、圧倒的な軍勢でペレチア軍を圧倒しようとした。


「攻めろ!神聖などという戯言に惑わされるな!この地を我らの力で奪うのだ!」


勇戦国の将軍は戦場を駆け、ペレチア軍に猛攻を仕掛けた。だが――


「我が力で焼き尽くす!」


フローレンスはその前線に立ち、紅蓮の炎を天に掲げた。その炎は一瞬で竜のような形をなし、勇戦国の騎兵隊を飲み込んだ。重厚な甲冑も炎の前では無力で、次々に焼き落ちていく。


「ひ、姫将軍様!火力が強すぎます!」


「構いません!ここは絶対に通させません!」


フローレンスの圧倒的な力の前に、勇戦国の兵たちは次々と崩れ落ちた。だが、それでも彼らは怯むことなく次々と押し寄せる。


「さすがは勇戦国……!数が止まらない……!」


「フローレンス様、増援を要請いたしましょう!」


「それはもう伝えています!ですが、この戦線を維持しなければ……!」


彼女は聖域を背にし、炎の壁を展開し続けた。だが、徐々に体力も魔力も消耗していく。


「くっ……まだ……まだ……!」


その時、勇戦国の前線から一際目立つ黒騎士が進み出た。漆黒の甲冑に、巨剣を担いだその男は、フローレンスを睨みつけた。


「お前がこの軍の要か。ならば、貴様を討ち取るのみ!」


彼は轟音と共に突進し、フローレンスに迫った。その巨剣は炎を切り裂き、彼女の防御を打ち砕こうとする。


「く……強い……!」


フローレンスは炎の剣を作り出し、必死に応戦するが、その力は互角――いや、次第に押し負け始めていた。


「終わりだ、紅蓮の姫!」


黒騎士の巨剣が振り下ろされ、フローレンスはとっさに後退しようとする。しかし、その足元が崩れ、バランスを崩してしまう。


「しまった……!」


「死ね!」


その瞬間、凄まじい衝撃音が響き、黒騎士の剣は止まった。聖炎の刃がその剣を受け止め、火花が散っている。


「遅れて悪かったな、フローレンス!」


「……ローランド様!」


聖炎刀を構えたローランドがその前に立っていた。彼は炎を纏いながら黒騎士を睨みつけた。


「この姫将軍には、指一本触れさせん!」


「ほう……面白い。ならば貴様も一緒に斬り伏せるまでだ!」


黒騎士は再び剣を振りかざし、ローランドと激突した。炎と剣圧がぶつかり合い、衝撃波が戦場を揺るがす。


「ローランド様、無理はしないでください!」


「無理なんてしてねぇ!俺はここで……守りたいんだ!」


二人の激しい剣撃が交差し、火花が飛び散る。戦場は再び混沌とし、両軍の兵士たちが互いに命を賭けた戦いを繰り広げた。


だが、この戦場は――まだ序章に過ぎなかった。勇戦国とペレチア王国の戦争は、さらなる熾烈な戦いへと進んでいくことになる。


ブクマと⭐︎5評価何卒お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ