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第19回「幕末剣戟血風録」

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第19回「幕末剣戟血風録」審査結果


1位 髭虎 さん 2票


 芦屋街道には鬼が出る。

 そんな噂が囁かれ始めたのは、この町の小さな学舎が火事にあってからすぐのことであった。


 鬼……つまりは、人斬りだ。


同率 1位 くまくま17分さん 2票


 一撃必殺。これが剣術における要諦なのは、戦闘技術の合理性を最大限追究した結果なれど、これを実戦で体現するのは無理ーーーそう思っていた、今までは。

 攘夷を胸に秘め血気盛んに勇んで京の都に来てみれば、そこには剣に狂った鬼が居た。

 白刃を刹那に閃かせ、瞬く間に幕府の奸臣(カンシン)を斬り殺すその鬼は、血にまみれた刃紋を妖しく揺らめかせて瘴気のような闘気を纏い、生温くもどす黒い殺気を放ちながら、今にも闇に消え入りそうなくらいに儚く佇む。


「岡田以蔵。……土佐の、以蔵……」


 名を尋ねると、背筋も凍る冷たい眼差しを向けてそう呟いた。


2位 くまくま17分さん 1票


 その夜。酒に酔った水夫は目を血走らせて殺気立ち、抜刀した白刃を闇に閃かせて辻を疾駆する侍たちに追われていた。


「くそっ 誰だよ、ジョーイって。スティーブンだぞ俺はっ!」


 スティーブンが闇に沈んだ人気の無い小路を走っていると、血に飢えた狼のごとき獣声で唸る彼らがすぐ背後に迫る。

 斬撃の刹那、横合いから蹴飛ばされた彼らは地べたに転がり、起き上がる間もなく刀で斬殺されていった。

 そこにいたのは、鋭い碧眼に結い上げた黄金の長髪は同郷人のそれで、侍の装束を纏い血を啜る刀を担いだ少女。


2位 廃墟さん 1票


 一八六六年を迎えてまだ浅い頃、江戸幕府第十四代征夷大将軍徳川家茂は長州藩に対して攻撃の勅許を得て、戦艦を率いて長州へ向かったことを、読者の皆様は記憶されているであろうか。

 そのうちのある夜、家茂は夜風に涼もうと乗っている太江丸の艦橋に身を出して、隣を巡航している予定の回天丸の様を一目見ようと目を遣った。

 目の先の光景は、家茂を驚かせるに十分であった……回天丸は真っ二つに折れ、一人の人斬りが―――家茂はこの恐怖が遠因でこの世を去る―――目を赤く光らせ家茂を睨み、刀を掲げ声を上げた。


「我は中村半次郎利秋、鴨溟の元に将を討たん。天誅――!!」


 此処に、幕末剣戟血風録の幕が上がる。


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