バイオレンス・バイオレット
「それで、だ」
再びシリアスに戻った俺達は、椅子に座りながらこれからの方針を話し合っていた。
「転移魔法についてならうってつけの奴がいる」
「ホントか。それは助かる」
もし仮に転移魔法が使えるようになれば、ベルとの戦いで非常に役に立つ。それにベルは俺が転移魔法を使える事をまだ知らない。その状態ならば、上手く行けば倒せるかもしれない。
「んで、誰なんだ。この状況で俺達側に力を貸してくれる人ってのは」
身を乗り出してガルに詰め寄る。
「聞いて驚くなよ」
「なんだよ、勿体ぶらずに早く言えよ」
意地悪そうに笑うガルを急かす。
「ライヴだよ。アイツなら、多分お前の転移魔法についても多少なりとも力になれるハズだ」
「⋯⋯驚いたな」
あまりにも身近な人物だった。なるほど、灯台下暗しとはよく言ったものだ。
「ライヴは多分部屋にいる。今行けば何とかなるだろ」
「あぁ、ありがとうガル」
椅子から立ち上がり、扉の方へと歩いて行く。後ろからサリィがとてとてと付いてきた。
「悪いが俺は少し休む」
「ゆっくり休んでくれ」
ガチャリと扉を開け放ち、外へと足を踏み出す。去り際、机に突っ伏したガルが見えた。
「ムチャしやがって」
「ヤムチャしやがって⋯⋯」
俺はサリィと顔を見合わせ、それから困ったような顔ではにかんだ。
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「ってなわけでサリィ。ライヴを探すのを手伝ってくれ」
「了解です!」
螺旋階段を下り、俺とサリィは別れてライヴを探し始めた。
「クソ、ライヴの連絡先聞いとけばよかった」
そんな後悔をしながら、早足で廊下を歩いて行く。ライヴの部屋は確かこの先だった。
「えーと、あそこだった気が⋯⋯」
昨日の記憶を頼りに、扉を開ける。
「ライヴ、頼みがあ⋯⋯る」
「⋯⋯⋯⋯あ」
予想通り、ライヴは部屋の中にいた。ただ予想通りではなかった事が二つ程起こっていた。
一つは昨日訪れた部屋とは内装が全く違っていた事。昨日は端的に言って洞窟のような部屋だったが、今は普通の生活空間としての部屋となっていた。
そしてもう一つが───
「ッ馬鹿! 最低!」
ライヴは着替え中で、今は服をほぼ着ていない状態だと言うことだ。慌てて扉を閉めようとするが、それを上回る速度でライヴの渾身の蹴りが炸裂する。
「ッごバァ?!」
そのまま俺はきりもみ回転をしながら部屋の外までノーバウンドで吹き飛び、向かい側の壁に激突した。
「⋯⋯あぁ、白か」
薄れゆく意識の中、俺は今しがた見たある光景を深く脳裏に刻みつけ気を失った。
⋯⋯何だかライヴとは、会うたび気絶してる気がする。




