サンドイッチ事変
「よし、出来たぞー」
完成したサンドイッチを並べ、皆が座っているテーブルに運ぶ。
「お、うまそうだな」
「意外……普通に美味しそう……」
簡単になってしまったが、2人からは好評のようで良かった。
「美味いな」
「ま、まぁまぁね」
各々サンドイッチを口に運ぶ。自分で言うのもなんだが、中々美味しい。
「はんは、ひはいほほいしいへほ」
「お前もか! 食ってから喋れ!」
リスみたいにサンドイッチを頬張りながら、ライヴは何か俺に話そうとしてくる。小夜もだったが、魔女ってのは食ったまま喋るのか?
「んで、何だ。悪いがこれ以上美味くは作れる気がしないぞ」
飲み込んだのを見計らって、俺はライヴに聞き返す。よく見たらコイツ、一気に4つくらいサンドイッチ食ってやがる。
「違う、逆よ。意外と美味しいけど、どこかで習ったりしたのか気になって聞こうとしたの」
「へぇ」
ここまで俺に厳しかったライヴが褒めるあたり、結構な出来だったようだ。無論、胃袋補正もあるだろうが。
それにしても、習ったりしたか、か。昔からやっているだけで、特別何かしている訳じゃないと思う。
「特に何かしてるわけじゃないかな……多分」
「そう……」
なんだか少し悔しそうな表情になりながら、三つほどサンドイッチを頬張るライヴ。もしかしてこれは───
「なぁライヴ」
「……何?」
俺は恐る恐る、本当に恐る恐る警戒しながら気になった事を告げる。
「──ライヴ、料理とかするのか?」
「〜〜〜〜っ!」
やっぱり。わかり易く顔を真っ赤にし、ライヴはその場で硬直する。
「なるほど、するのか。で、俺の作った物が予想以上に美味しくて悔しいと」
「そ、そんな訳ないでしょ! 料理なんて面倒な事なんか!」
「そんなに否定するこたねーだ……すいません」
涙目のまま、ライヴはどこからか取り出した狙撃銃を俺に向ける。ホントにどっから出しやがったコイツ!
「まぁその、なんだ。うん、料理頑張る女の子はいいと思うよ」
「ッ馬鹿!」
「にぎゃあー!」
結局銃弾より早く拳が顔面に飛んできて、俺はきりもみしながら空中へと飛んでいく。
「もうアンタなんて知らない!」
そのまま皿にあるサンドイッチを全て口に放り込み、冬眠前のリスのような顔になりながら部屋を出ていく。
「……テメェ、ホントに苦労するな」
同じくサンドイッチを味わっていたガルは、床へ落下し倒れた俺を起こしながら同情するような表情を浮かべる。
「おう、すまねぇ……」
「大丈夫だ、それよりテメェの分の昼飯が全部無くなっちまったが」
「あの野郎ー! まだ1個しか食ってねー!」
最後はやはり俺に厳しかった。こうして俺は結局、昼飯を本当に軽く済ませてしまう事になってしまったのであった。
[胃袋補正とは]
相手の胃袋へ攻撃が成功した場合、評価上昇率が通常の数倍に跳ね上がる事。食い気の多い者によく発動する。




