二日目の朝
眩しい日差しが瞼を通り抜け、眠っていた脳が覚醒する。
「うぅ……眠い……」
そのままのそのそとベッドから這い出す。途端、違和感を感じる。
「ん?」
寝ぼけ眼を擦りながら、辺りを見渡す。そこでやっと違和感の正体に気づいた。
「そういえば俺、イギリスに来てたんだった」
昨日色々あったというのにもう忘れてるあたり、かなり眠りが深かったのだろう。なんか、微妙に全身が重い気もする。
そのまま着替えを済ませ、部屋を出る。とりあえず、小夜を探そう。
「とにかく今は魔法の練習だ」
昨日の事を思い出しながら廊下を歩く。思い出した途端、だんだんと腹が立ってきた。
「あの野郎、ぜってぇブチのめしてやる」
「誰をブチのめすだって?」
「んぁ?!」
廊下を曲がった所で、ガルと会った。相変わらず目つきが悪い。
「よぉ」
「おう。何があったかは知らねぇが、あまりブツブツ喋りながら歩いてると怪しいぞ。ただでさえ怪しい野郎なのに」
「ひでぇなお前!」
そんなに怪しいのか、俺は。
「あぁ、ガル。そういえば小夜ってどこ居るかわかるか?」
「小夜か? 多分まだ寝てんじゃねーのか?」
「え」
時間を確かめるため、携帯を取り出す。電撃喰らったり水没したりしてもちゃんと動いてくれる強靭なスマートフォンだ。時計は合ってるはず。
「もう11時過ぎか……ちくしょう、どうしたもんか」
寝てるんだったら仕方が無い。無理矢理起こすのも申し訳ないし、起きるまで何か時間を潰そう。
「あ、いいこと思いついた」
本当にいいことを思いついた。恐らく、この状況で一番有効な手段だ。
「ガル、ちょいと付き合ってくれ」
「あ?」
そう言って俺はある場所へ向かって歩き出した。
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「うぉぉおりやぁぁ!」
俺は雄叫びを上げながら床を蹴ってガルへと襲いかかる。が、すんでのところでガルの放った光弾を喰らい吹き飛ばされた。
「いってえぇ!」
体制を立て直しながら着地し、すぐさま横へと全力で走り出す。瞬間、着地点へ光弾が二、三発降ってくる。
「ち、仕留め損ねたか」
ガルは悔しそうに舌打ちをすると、突き出した左手を上へと掲げた。すると、ガルの頭上に緑色の魔法陣が展開される。
「間に合わねぇか──真槍!」
「喰らいやがれ!」
魔法陣から発せられた膨大な量の雷撃に、真槍は真っ直ぐ突き進んで行く。
ぶつかり合った二つの魔法は、ドス黒く染まりながら消えていった。
「もらった!」
攻撃の止んだ瞬間、ガルへと再び襲いかかる。
「っ!」
「逃がすかよ!」
慌てて後ろへと下がったガルの顔へ、真槍を撃ち込む。真槍は魔法使いにとって致命的なダメージを与えられる魔法だ。効果を知っている魔法使いならば必ずと言っていいほど最優先で避ける。その結果、回避行動に気を取られスキができる。
「足元がお留守だぜ!」
「うわっ……!」
突進の勢いを脚に乗せ、ガルの足を払う。真槍を避ける事に必死になっていたガルは、面白いくらい派手にズッこけた。が──
「テメェは後ろがお留守だ!」
「え?」
反射的に振り返る。眼前には、鷹のような生物が迫っていた。
「聞いてね──」
驚く俺をあざ笑うかのように、鷹は俺の顔面へ蹴りを入れてきた。
強烈な蹴りをモロに食らった俺はそのままひっくり返り、地面へと転げる。
「勝負あったな」
俺を見下ろしながら、ガルは勝ち誇った笑みを浮かべていた。
真「梅雨入りすると濡れスケが見れるから日本は良いぞ」
ガル&ベル「詳しく」
小夜「なんでそこだけ兄弟らしいのよ……」




