第215章:雲上の楽園、はにかむ竜心
序章 - 誰も、触れられない。
誰も、触れられない。
者が、いる。
誰も、逆らえない。
者が、いる。
だが。
その者が。
たった一人にだけ。
心を、許す時。
それは。
もう。
「支配者」ではなく。
ただの。
一人の、少女に、なる。
今日。
竜心王国の、最も強き者が。
雲の上で。
少しだけ。
素直に、なった。
第一章:永遠の海の、最高点
永遠なる、生ける大洋。
その、最も高き、場所に。
至高の、浮島が、あった。
そこより、上には。
何も、ない。
ただ。
果てなく、雲が、広がるだけ。
天国でさえ。
これほどの、景色は。
見せられない。
ヴィカスは。
執務机に、向かっていた。
その、背後から。
声が、かかった。
「マスター。」
「私と、一緒に。」
「来て、くださいますか。」
ロキだった。
ヴィカスは。
振り返らずに、答えた。
「もちろん、行こう。」
「お前が、望むなら。」
「俺は、必ず、行く。」
ロキの、瞳が。
わずかに、緩んだ。
「もし。」
「あの時。」
「私が。」
「デーモンロードたちの、会合に。」
「代わりに、出て、いなければ。」
そう、心の中で、思い出す。
(あいつらは。)
(俺たちの王国を。)
(脅した。)
(俺の神々も。)
(俺の主も。)
(消してやると。)
(あの日から。)
(あいつは。)
(会合に、一切。)
(出席しなくなった。)
(盲信者たちが。)
(真実を、見ようともせず。)
(脅しに、走ったから。)
ロキは。
静かに、言った。
「マスター。」
「どこへ行くか。」
「教えません。」
「これは。」
「驚きです。」
「天国よりも、なお、上の。」
「驚き。」
「お前は。」
「変わらないな。」
「なら。」
「なぜ、俺を、連れて行く。」
「マスターと。」
「時を、過ごしたい、から、です。」
「王国にいると。」
「いつも。」
「誰かが、周りに、います。」
「だから。」
「私は。」
「世界中を、探して。」
「この、美しい場所を。」
「見つけました。」
「あなたの、ために。」
第二章:雲の果てにて
その、視界に。
広がったのは。
言葉を、失うほどの。
光景だった。
「……美しい。」
「これほどの、ものを。」
「見たことが、ない。」
ロキは。
隣に、腰を下ろした。
その、尾が。
そっと。
ヴィカスを、包み込んだ。
「マスター。」
「休んで、ください。」
「あなたの、性質は。」
「よく、知って、います。」
「本当は。」
「何が、欲しいのですか。」
「教えて、ください。」
ヴィカスは。
一瞬、答えに、詰まった。
「……冒険を、したい。」
「探索が、したい。」
「それだけだ。」
「なら。」
「私も、連れて、行ってください。」
「私は、役に、立ちます。」
「戦うのは、得意です。」
ヴィカスは。
首を、横に振った。
「駄目だ。」
「戦いに、行くのでは、ない。」
「これは、冒険だ。」
ロキの、指先が。
そっと、頬を、撫でた。
「なら。」
「私と。」
「結婚しては、どうですか。」
ヴィカスは。
思わず、目を、逸らした。
「それは、できない。」
「お前の、姉は。」
「俺にとって。」
「母のような、存在だ。」
「シラユキ様は。」
「私の、母代わりにも。」
「なる気は。」
「なかったはず、です。」
「なら。」
「俺は。」
「どうすれば、いい。」
「私を。」
「愛してください。」
「私に。」
「口づけを。」
「それは、しない。」
「私は。」
「あなたの、姉のような、存在です。」
「そして。」
「もう、口づけは。」
「一度、してある。」
「一度したからと、いって。」
「何度も、する、ものでは、ない。」
「なら。」
「せめて。」
「頭に。」
「口づけを。」
ヴィカスは。
観念したように。
軽く、息を、吐いた。
その、額に。
そっと。
唇を、寄せた。
「……ちゅ。」
その、瞬間。
ロキの、頬が。
わずかに、色づいた。
ヴィカスは。
自分自身に、問いかけた。
(俺は。)
(いったい。)
(どこに、迷い込んで、いるんだ。)
(最初から。)
(断って、おくべきだった。)
第三章:母の、忠告
夜が、訪れた。
辺り一面が。
月の、光に。
包まれていた。
星も。
雲も。
静寂も。
全てが。
天国、そのものだった。
「マスター。」
「楽しんで、いただけましたか。」
「ああ。」
「本当に、楽しかった。」
「なら。」
「贈り物を、くれませんか。」
「何が、欲しい。」
「ただ。」
「一つの、抱擁を。」
「母が、息子を、抱きしめるように。」
ヴィカスは。
温かく。
その、体を、抱きしめた。
その、瞬間。
ロキの、九つの、尾が。
そっと。
彼の、体を。
包み込んだ。
そして。
彼女は。
ヴィカスを。
竜心王国へと。
転移させた。
(内なる、声)
(こうなることは。)
(わかって、いた。)
(それでも。)
(今日という日は。)
(悪くは、なかった。)
竜心王国の、城で。
ヴィカスは。
母、シラユキに。
会った。
「シラユキ様。」
「ロキと。」
「一日を、過ごして、来ました。」
シラユキは。
静かに、目を、細めた。
「ヴィカス。」
「あの子のことを。」
「本当に、理解している、かしら。」
「あの子は。」
「私の、妹。」
「あの子が。」
「怒りを、見せた時。」
「そこに、残るのは。」
「破壊、だけ。」
「あの子は。」
「あなたを。」
「自分の、全てだと。」
「言っている。」
「だからこそ。」
「誰も。」
「あの子に。」
「逆らわない。」
「もし。」
「あの子が。」
「あなたを。」
「脅威と、見なす者を。」
「見つけたなら。」
「その者に。」
「残るのは。」
「終わりだけ。」
ヴィカスは。
静かに、頷いた。
「わかって、います。」
「だから。」
「俺は。」
「あの子には。」
「少しだけ。」
「気を、遣って、しまう。」
シラユキは。
小さく、微笑んだ。
「それで、いいのよ。」
「あの子は。」
「あなたのために、なら。」
「世界すら、壊せる。」
「だからこそ。」
「あなたが。」
「あの子を。」
「大切に、扱う。」
「それが。」
「一番、賢い、道。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【世界設定公開】ウィズダム・アイランド——第110の島、ソウゾカ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
皆さん、こんにちは!
「ダークコンチネント:生きる大陸と至高の支配者」の作者です。
今回公開するのは、
ウィズダム・アイランド——
第110の島。
九尾の狐、
「ソウゾカ」。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 7つの、門
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この島に、
入った瞬間——
ソウゾカは——
7つの、
門を
開く。
あなたのチームは——
それぞれ、
異なる門へと——
同時に、
入ることができる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 7つの、異なる世界
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
風の門——
空の世界。
炎の門——
火の世界。
海の門——
深海の世界。
森の門——
自然の世界。
虚無の門——
宇宙の世界。
氷の門——
凍てつく世界。
夢の門——
幻想の世界。
それぞれの世界は——
小さくもあり、
無限でもある。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 幻ではない、本物の世界
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これらの世界は——
幻想ではない。
すべて、
現実だ。
門の中に、
何があるのかは——
誰も、
知らない。
そして——
その中身は——
変化し続ける。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 7つの、箱
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それぞれの世界には——
一つずつ、
箱が
隠されている。
すべての、
7つの箱を
見つけ出し。
そこから——
一つの、
パスワードを
作り出す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 正しい答えだけが、門を開く
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
すべての箱を集め、
第110の島に
戻った時。
その、
作り出した
パスワードを——
ソウゾカに、
伝える。
もし——
それが、
正しければ——
彼女は——
第111番目の門を、
開く。
もし——
間違っていれば——
何も、
起こらない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 見た目ほど、簡単ではない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一見——
単純な
仕組みに
見えるだろう。
だが——
それぞれの門の、
中身は——
誰にも
分からない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 彼女が、本当に試すもの
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ソウゾカの、
本当の目的——
それは——
パスワードを
当てることでは、
ない。
それは——
「自分自身の、
意志を
信じられるか」。
他者が定めた
規則は——
いつでも、
変わり得る。
だが——
自分自身の、
意志だけは——
変わらない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 覚えておくべきこと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「私はここにいて、
お前を
否定するために
いるのではない。
お前自身を、
理解させるために——
いるのだ。
チームを連れてこい。
心を連れてこい。
そして——
7つの箱を
見つけ出せ。
その時こそ——
お前は、
本当の意味で——
第111番目の門に、
たどり着くだろう。」
——ソウゾカ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これまで、
ウィズダム・アイランドの
すべての島が——
問い続けてきた。
「お前は、
本当に——
ふさわしい者なのか。
それとも——
ただ、
運命に
身を任せているだけなのか。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎日19:00更新中。
「誰かが、自らの意志の強さだけで、ソウゾカに規則そのものを変えさせることは可能だと思いますか?」
コメントで聞かせてください。
お楽しみに!
#世界設定 #ウィズダムアイランド第110 #ソウゾカ #九尾の狐 #ライトノベル #ダークコンチネント #ウィズダムアイランド




