表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
収穫祭の魔女  作者: れいてんし
Episode 2. Ythogtha - The Old One
39/333

Chapter 19 「ゲームマスター」

 鍾乳洞の最深部は広場のような空間になっていた。


 天井の一部が開口しているのか、陽光が降り注いでおり、オイルトーチの光がなくとも明るく見渡すことができた。

 その穴の一部からは蔦のようなものが垂れ下がっている。

 長くて危ない通路を通らなくとも、ここからショートカットができそうではなる。


 広場の奥は落ち込んで池のようになっていた。


 最初は雨水が溜まった水溜まりかと思ったが、近くに寄ると、ほんのりと潮の香りが漂ってくる。


 先ほどまで洞窟の横を波が流れていたのと同じで、ここも海の一部だ。


 海の手前は石でできた祭壇のような物がある。


 大理石のように光沢のある艶やかな直方体の石の台座だ。

 周囲には凝ったレリーフが彫り込まれており、相当な技術を持った職人が時間をかけて作り上げたであろうことが分かる。


 その祭壇の前にいたタキシード姿の男が背を向けて立っていた。


 黒いシルクのタキシードに、真っ白なシャツと黒の蝶ネクタイを完璧に着こなしている。

 その装いは、まるで華やかなパーティー会場から抜け出してきたかのようで、この鍾乳洞では場違いだった。


 その脇には数名の男たちが立っている。

 全員がフードのついたマントで顔と体を隠している。

 いかにもの悪役幹部登場と言わんばかりの場面だ。


「もう来たのか?」


 タキシードの男は振り返って俺たちの方を見た。


小森裕和(こもりひろかず)、モーリスR。赤土恵理子(あかつちえりこ)、エリスR。鹿島櫻子(かしまさくらこ)、オウカR。レアが3人に現地人1人は人気が出そうにないし、現地人は邪魔だな。もう1人はデータがないが」


 タキシード姿の男はまるで原稿でも読み上げているかのように語り始めた。

 カーターが出したのと全く同じ情報だ。


 無言でカーターの方を見るが、どういうわけか笑みを浮かべていた。


「いや、お前カーターか!? なんでこんなところに? いつ逃げ出した? なんで英雄側の方へ肩入れしている?」

「カーターなのは見た目だけだ。オレは別人だよ。異世界同位体ってやつだ」


 旧知のように語り掛けるタキシード姿の男にカーターはライフルの銃口を向けた。


「知り合いか?」

「敵だよ」


 カーターはこちらを一切見ることなく吐き捨てるように応えた。


「こいつはゲームマスター。お前たちが超越者と呼んでいた元凶……の中間管理職ってやつだ。ゲームの運営側の人間」

「こいつが?」


 カーターが突拍子もないことを言い出した。


 何故そんなことを知っているのか?

 カーターはゲームマスターとどういう関係なのか?


 突然のことで考えがまとまらない。


「ゲームにゲームマスターが直接干渉するのはルール違反じゃないのか? ギャラリーが怒るぞ」

「いいや、私はルール違反などしていない。たまたま、この地に邪神を祀る祭壇があり、たまたま、その邪神を崇める神官が邪神の化身と眷属を呼び出しただけ。そういう筋書きだ」


 あまりにも次々と情報が飛び交うので咀嚼しきれない。

 ただ、これだけははっきりさせなければなるまい。


「なんだか分からないが、お前が巨人やユッグを呼んだ召喚者か?」

「それは雇いの現地人だ。よくわからん宗教にかぶれていたから、簡単に私たちの誘いに乗ってくれた」


 タキシードの男がそう言うと、暗がりの奥からフード付きのマントを被った男が虚ろな目でフラフラと歩いてきた。


「これは邪神の神官と言ったところだ。君たちに倒されて、第1ゲームは終了ということになる」

「第1ゲーム?」

「その通りだ。あの地母神の遺跡での第1ゲームがおかしな形で終わったので、無理矢理だが続きをさせてもらった。こいつは第1ゲームのボスにあたる。さっさと倒してしまいたまえ」


 マントの男の顔には既に自分の意思らしいものは感じられなかった。

 虹彩は光を持たず、口は半開きでよだれや吐しゃ物が垂れ流されている。


「その人に何をした?」

「限界が来たんだよ。並みの人間が巨人と妖蛆の召喚などをして精神が耐えられるはずもない」

「そういうことだ。邪神のことを知ると、まともな精神を保てなくなる。精神がやられると、肉体にも影響が出て……こうなる」


 男の口から、何か細長い生き物が飛び出した。

 丸い頭の頂点には巨大で丸い口が開口している。


 円形の吸盤のように広がった巨大な口の内側には無数の小さな歯が不規則に並び、まるでその一本一本が別の生き物のようにうごめいている。

 その形状は昔に水族館で見たヤツメウナギを思い起こさせた。


 男の口から飛び出したヤツメウナギのような生物は、口からはパイプから水があふれ出すようなボコボコという音を鳴らし、言葉を発した。


「ワレワレハ――」


 言葉を最後まで聞くことなく、カーターのライフルとリプリィさんの拳銃が火を噴き、口から飛び出したヤツメウナギの頭を吹き飛ばした。


 男が倒れると同時に光が放たれて、遺体とメダルだけが残った。


「何かよくわかりませんでしたが、会話が通じそうにない怪物でしたので撃ちました」

「見たか、オレの判断の速さを」


 明らかに友好的な存在ではなかったので、カーターとリプリィさんによる射撃は正しい判断だろう。

 それはそれとしてだ。


「おめでとう。第1ゲームクリアだ」

「何がゲームだ、ふざけるな!」

「これはゲームだよ。では紹介しよう。これからのゲームの運行を管理することになった2人だ」

「お久しぶりと言っていいのでしょうかね?」


 待っていたとばかりに、奥に立っていた2人の男がフードを脱ぎ捨てた。

 そこに立っていたのは、俺たちを襲撃してきた名前も覚えていない眼鏡をかけた魔術師、眼鏡マンと全身タイツのような黒いタイトなスーツを身にまとったタイツマンの2人だった。 


「お前は……」


 エリちゃんを負傷させられた恨みがあるモリ君が音が聞こえるくらい強く槍を握りしめた。


 被害者当人であるエリちゃんの方は、刺された時のことを思い出したのか、手を握りしめて胸の前に持ってきている。

 足が若干引けているのは仕方ない。

 刺されて殺されかけた相手がトラウマにならないわけがない。


「僕の能力で、運営に連絡を取ったんですよ。半ば崩壊したこのゲームを立て直すために、僕の知能を使えないかって?」


 眼鏡マンが大げさに両手を広げ、俺たちを挑発するように前に出た。

 タイツマンの方は無言で横を向いた。


「だから誘ったでしょう。一緒にこのゲームを面白くしないかって」

「ふざけるな。何がゲームだ!」

「全部ゲームだよ、こんなふざけた世界なんて」

「では、そろそろ時間だ。運営側の我々が映っていては、観客(オーディエンス)から苦情が来る。今はこの場を去ることにするよ。今回はお前らの勝ちだ」

「逃げるな!」


 すかさずカーターがライフル銃を発砲する。

 薬莢が飛び出すと同時に自動で装填が行われるオートマチック式だからこそ可能な三連射。


 だが、その銃弾はタキシード姿の男の手前で、まるで動くことを忘れたかのようにポトリと落ちた。

 弾くでも防ぐでもなく、止めたという表現が一番正しいだろう。


 タキシード姿の男は音もなく、まるで最初から存在などしていなかったかのように姿を消した。


「ではまたそのうち。ゲームが続けば、また会えるでしょうね」


 眼鏡マンとタイツマンの足元に光る魔法陣のようなものが浮かび上がった。

 それは強い光を放つと、2人の姿がかき消えた。


 残ったのは、口からヤツメウナギのようなものを吐き出して倒れた男の遺体と、銀色のメダルだけだった。


「カメラが動いてなけりゃなんでもありかよ、あいつら」


 俺は右手をカーターに向けた。


「ところで俺の判断力についてはどう思う? 英雄だのゲームマスターだの、この場で説明しなきゃいけないことが山ほどあるよな」

「おいおい、何の冗談だよ」

「鳥3羽をりりーす」

「わかったよ、話せる範囲で話してやるよ。だからその手を下ろせよ」


 俺は鳥3羽を周囲で待機させたまま手を下ろした。


「っておい、例の熱線を撃つんじゃないのかよ!」

「こんな至近距離で使ったら味方も巻き込むから使うわけないだろ。それに、お前は会話が成立しないほど悪い奴ではないと一応は信じている」

「はいはい、信じてくれてありがとうよ」


 カーターは手に持っていたライフルを地面に投げ捨てて両手を挙げた。


「ではまず最初の質問だ。ゲームマスターを名乗るあいつは何者だ?」


 色々と確認したいことはあるが、まずはこの質問だ。


「あいつはゲームマスター。この悪趣味なゲームの運営に関わっているやつだ。お前の言うところの『超越者』の直属の部下にあたる」

「あいつが?」


 カーターの言葉が正しいのならば、あいつが俺達の姿を変えてこの世界に呼んだ張本人ということになる。

 どう見てもただの中間管理職にしか見えなかったが、今はまあいい。


「仮定の話をする。これは仮定の話で実際の話とは関係ないぞ」

「前振りはいい。どうせ本当の話なんだろう」

「だから仮定だっての。人間の英雄対モンスターの対戦ゲームを見世物にしている奴がいるとする」

「具体的すぎるだろう!」


 何が仮定なのか分からない。

 あまりにもはっきりとした話だ。


 ようするに、この異世界に召喚した人間を使って、バトルロワイヤルだかデザイアグランプリだかのデスゲームをやっている奴がいる。

 そういうことだろう。


 俺達を使ってデスゲームをやっているとは以前から予想はしていたので特に驚きはない。


「話を続けるぞ。このゲームは英雄側もモンスター側もコスト管理が厳しくされていて、余計なものは持ち込めないようになっている。何故ならバランスが少しでも崩れるとゲームが成立しなくなるからだ」

「バランスを崩す奴が現れたんだな?」

「ゲーム盤の外にいるはずの背景キャラ……本来は無力で何の力も持たないはずの背景でしかない一般人が並のモンスターなら余裕で蹴散らせる過剰な戦力を所持していた」


 もちろん、この一般人というのはこの国、タウンティンの人々のことだろう。


 ライフル銃に巨人を爆殺できる威力の爆弾、迫撃砲……あとは戦艦か?


 飛行機は間に合わなかったが、今のペースだと10年以内には実用化するだろう。

 中世という時代を考えると明らかに過剰戦力すぎる。


「とんでもない連中だよ、50年前に呼ばれた連中ってのは。自分たちの力では別の次元にいる運営を攻撃できる方法などないと把握した上で、運営にどうすれば最大のダメージを与えられるか計算して、こうして大打撃を与えた。運営側は破綻したゲームをどう元の路線に戻すかで必死だ。このままだと破綻して責任をとらされて自分達の首が飛ぶからな」


 度会(わたらい)州知事がどこまで考えていたのかは分からないが、もしカーターの言う通りならば自分たちを召喚した連中に一泡吹かせることには成功したことになる。

 本当にあの州知事とかつての仲間は物凄いことをやったのだと感心する。


「それで部外者は排除したいとなったのか……でも、厳しくコスト管理をされているので余計なものは持ち込めないから、部外者を追い出すことはできないんだよな」

「だから、元々この世界にあったリソースを使用して『自然発生した』という体で部外者の排除を始めようとした。それがここにあるゾス神の神殿。元々この世界にあったものだからコスト管理の外側にある」


 つまり、ゲームマスターとやらは万能……神にも近い能力を持っているが、公平な立場でゲームを動かさないといけないというお役所事情により、コストを厳しく管理をされていて範囲内でしか動けないということか。


「そこに倒れている人間は、利用されたんだ。多分、元から邪神を信仰するカルトの信徒だったんだと思う。邪神とユッグを召喚するための知識を与えられて利用された。身元照会は、そっちの軍人さんに任せるぜ」

「……分かりました。調べてみます」


 リプリィさんが男の遺体に近付く。

 

「……危ないですよ。俺も手伝います」


 モリ君も人間の死体には抵抗感があるのだろう。

 少し足がすくんでいたが、それでもリプリィさん1人には任せられないと判断したのか、一緒に遺体に近寄って行った。


 モリ君が再度、男の口から飛び出したウナギの残った部分に槍を突き刺した。

 確実なとどめを与えた後に、所持品を調べ始めた。

 身元確認は2人に任せておけばいいだろう。


「だとすると、この祭祀場さえ壊してしまえば」

「ユッグの発生は止まる……と思う。あくまでも邪神を喚び出したのは、そこの邪神カルトの神官だからな」


 ならば、この祭祀場を跡形もなく破壊して回れば今回の作戦は成功だ。この国の人達も助かるだろう。


 いくら人智を越えた存在だと言っても、そういう制限があるならばいくらでも戦いようがある。

 こちらもルールの範囲内で暴れれば良いのだから。


 では、次の問題だ。


「それで確認だが、お前はそのゲームマスターの仲間か?」


 これは重要な質問だ。


 その回答次第によっては、こいつを締め上げて、まだ言っていない全ての情報を吐かせる必要が出て来る。

 元の世界に戻るための情報も出てくるかもしれない。


「ゲームマスターの味方ならばこんな話はしない。オレは別勢力だ。お前の言うところの超越者B」


 カーターの言葉に衝撃を受けた。

 やはり推測通り存在したのだ。

 俺を召喚して、超越者Aに敵対する立場の超越者Bが。


「役目はお前たちのサポートをすること。本来のゲームはもう無茶苦茶だが、代わりに別のゲームが始まったのでお前達……というかお前に期待している奴らが大勢いるんだよ」

「大勢とは?」

「大勢だ。それ以上は言えない」


 まるで答えになっていない。


「本来なら『余り2』として朽ちていたはずの駒を助けた、掟破りの51番目の存在」

「私たちが余り!?」


 エリちゃんが「余り」という言葉に反応して叫んだ。


「最初の部屋から48人しか出られなかったので、50人喚んだせいで端数が2出た、無駄が出たので次はもっと効率化しよう。あいつらにとっては、ただのゲームの駒でしかなくて、人間だなんて見ている奴なんていないんだよ」


 思っていた以上に酷い話だ。

 こんな話を聞かされて黙っていられるはずがない。


「……あ、いや違ったわ。お前はあくまで51人目じゃなくて、帳尻合わせのために、最初の50人の1人ってことになってる。鹿島櫻子ちゃん」

「お前たちが俺のことを櫻子と呼ぶのはそういうことか」

「連中がそういうことにしたせいで、オレの方に流れてきた情報も間違っていたんだ。やっと納得がいった」


 どうやら、あいつらの運営の中では辻褄合わせとして、51番目に呼ばれた俺はゲームの管理上では存在していないことになっている。

 なので、ここにいる俺は、連中の中では、あの遺跡の中で亡くなったオウカちゃんということになっているのだろう。


 外見の年齢と性別が一致していて、本人はもういない。

 遺体も残っていないので、入れ替えるポジションとしては丁度良いとなったのだろう。


 本人が聞いたらとんでもない話に違いない。


 得体のしれない奴が自分の遺体を霧にして、あまつさえ立場を乗っ取って勝手に冒険しているのだから。

 不可抗力とはいえ、オウカちゃんには本当にすまないと心から思う。


 倒れている男の遺体を見る。

 元々邪神カルトとゲームマスターは言っていたが、立場の上では俺たちと大差がない。

 よくわからないゲームのために人生を無茶苦茶にされて使い捨てられた被害者だ。


「本来なら死んでいた2人を助けて、『自然発生した邪神』を素手で殴り倒して国を救った英雄になった。お前はこの破綻しかかったゲームを立て直すための希望の星なんだよ」


 ここで、堪えきれなくなり、俺は全力でカーターの右頬を殴りつけた。


 だが、ラヴィの腕力で殴ったところでたかがしれている。

 カーターはビクともしないどころか、逆に殴りつけた俺の腕の方が傷ついている。


「人の人生をなんだと思ってるんだ!」


 今度は左の拳で殴りつけた。


「オレは奴らゲームの運営とは別の勢力の雇われだから、殴ったところで何も解決しないぞ」

「そんなこと分かってる!」


 またも左拳で殴る。


 自分たちの都合で勝手に異世界に呼び出して、

 身体を女に作り替えて、

 俺だけじゃなくみんなを……この国の人達を弄んで

 何が破綻しかけたゲームだ!


 お前達の身勝手でどれだけ多くの人が犠牲になったと思っているんだ!


 ここでカーターに八つ当たりを仕掛けても意味がないことくらいは分かっている。

 だが、殴らないとどうにも収まらない。

 

「ラビちゃん、もういいよ。こいつを殴りたいのは私も同じだけど、こんな奴を殴っても仕方ない」

 

 両腕をエリちゃんに掴まれた。


「こんなゲームに付き合ってられません。私たちは日本に帰ります」


 エリちゃんはカーターを睨みつけていた。


 ただのゲームの駒に変えられて人生を無茶苦茶にされた挙げ句、その理由はただの娯楽でしかなかった上に余りとして捨てられた。


 悔しい気持ち、やるせない気持ちは俺と同じかそれ以上だろう。


 だが、それでも怒りに身を任せて暴れることを良しとせずに、こうやって暴走する俺を止めに入っている。


 本当に俺は何をしているんだ。

 なんで年下の高校生に教えられているんだ。


「ありがとう。俺はもう大丈夫だ」


 いつの間にか流れていた涙をローブの袖で拭った。


「ということだ。俺たちはゲームに付き合うつもりはない」

「それでいい。オレもこんなゲームを運営してるやつもさっさと潰れろとしか思ってないしな」

「随分と無責任だな」

「だからオレも、お前たちの言うところの超越者Bに無理矢理呼ばれて、雑な情報だけでサポートやれと言われただけなんだよ。被害者だよオレも」

「お前の話が本当ならばな」


 言葉通りならこいつも被害者なのだろう。

 本当に言葉通りならばの話だが。

 明らかに、こいつは全ての情報を話していない。


 まだ隠している何かがある。


「それで、お前は日本に戻るための方法を知っているのか?」


 これが一番重要な話だ。

 日本に帰ることができるならば運営のやりたいことなど無視してさっさと帰還するのが正解だろう。


 そして、俺達が勝手にゲームを投げ出して盤上から消えることも運営へのダメージに繋がる。

 やらない理由はない。


「はっきり言うとオレは知らない。運営も用意はしていないだろうな。奴らはオレたちをただのゲームの駒としか思ってないんだからアフターサポートなんて考えてるわけない」

「そうか」


 今までの俺達への雑な扱いでだいたいは分かっていた。


 俺達を呼んだ連中は、その後の俺達の人生なんて一切何も考えていないと。


「ただ、方法があるとしたら、50年前に呼ばれた連中だな。運営に一泡吹かせようとあらゆることを試した連中だ。当然、日本に戻る方法についても何か調べているに違いない。州知事からも帰還についての話は聞いているんだろう」


 そうだった。


 巨人と戦って倒すことの報酬が、日本に戻るための情報の提供だった。その情報を得るために今まで頑張ってきたのだ。


「あいつらの思惑に乗ってゲームに参加するなんて沢山だ。みんなで一緒に日本へ帰ろう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ