マーナの過去
第107話の投稿になります。
しばらくは毎日投稿になります。
読んでいただけると幸いです。
夕食を作り終えた私は、アベル達の様子を見るため振り返ると、既に二つのテントを建て終わった後だった。
3人は焚火を作り、話しながら料理が出来るのを待っているようだった。
料理を食器に盛り付けると、トレーに乗せて3人の所に運んでいった。
「お待たせ、ご飯できましたよ」
私は3人に声を掛けながら、食器の乗ったトレーを渡していった。
料理を見たアベルが笑顔で話し始めた。
「今日も美味そうだな、スパゲッティってのと似てるんだな」
アベルが話し終わると、私達は御祈りをしてから食べ始めた。
「これも美味しいわね、マリアのご飯は本当に美味しいは」
マーナが焼きそばを食べながら、そんなことを呟いた。
その呟きに、アベルもアトムくんも頷きながら食事を続けて、私達はゆっくりとした時間を楽しんだ。
食事を楽しんだ私達は、野営の見張りの順番を話し合ことにした。
「見張りはどうする?」
アベルが聞いてきたので私は悩みながら答えた。
「先に見張りさせてもらっていい?夜中に起きるのはきつそうだから」
私がそう言うと、アベルが頷き。
「じゃあ先に女性陣で見張りしてくれ、俺達は先に寝させてもらうよ」
アベルはそう言うと片方のテントに入っていった。
「じゃあ俺も寝させて貰いますね」
アトムくんは言い残すと、アベルと一緒にアトムくんもテントに入っていった。
二つ建てたテントで男性陣と女性陣で別れて寝ることになっている。
最初に見張りに付いた私とマーナは、焚火を見ながら話をしていた。
私がお茶を用意して、マーナにお茶の入ったカップ渡すと、マーナは口を付けて喉を潤した。
マーナはお茶を一口飲み込むと、話し始めた。
「あたしね、アベルとは同じ村の出身なんだ、あたしのお父さん村一番の狩人でね、あたしに弓矢の使い方教えてくれたのもお父さんだったんだ。
あたしの家族はお父さんとお母さんとあたしの3人家族でね、アベルも一人っ子でよく一緒に遊んでたんだ。
あたしたちが12の時にね、魔物の氾濫であたしたちの村は飲み込まれちゃってね、生き残ったのは極少数の村人だけだったの。
村の皆でトラットの町までやっとたどり着いて、それからあたしとアベルは生きるために冒険者になったんだ。
最初の頃は本当に貧しくて、宿屋に泊るお金も無いから、二人で身を寄せ合って寒さを凌ぎながら路上で寝てたな~。
それから、少しずつお金をためて装備を買って、やっと冒険者らしくなってきた所で、ゴブリンの大群に襲われて、アベルは必死にあたしを逃がそうとして、
1人で頑張ったけど死にそうになって、大怪我したアベルを抱えながら必死に走って、やっと冒険者ギルドに着いて。
助けてくれたのがマリアだったんだよね・・・あの時は本当に感謝してるわ、今も感謝してるけどね!」
マーナはそんな話をしながら笑いかけた。
私はマーナの話を聞いて、あの時あの場所に居て本当に良かったと心から思った。
「あの時会えたこと、私も本当に嬉しかった・・・私の力で人を助けれるってわかって・・・」
私が思い出しながら微笑んでいると、マーナは「そっか・・・」と答えて微笑んだ。
その後は二人で今作っているマーナの服のことを話始めた。
私が服を縫っていると、マーナが覗き込みながら聞いてきた。
「マリアって色々出来るわね、料理もできるし、裁縫もできるなんてすごいな~、それに戦っても強いし、出来ないことってないんじゃないの?」
マーナの質問に私は首を振り、返事をした。
「そんなこと無いわよ?私にも出来ないことは結構あるわよ?」
私が答えると、マーナは驚きながらさらに質問してきた。
「でも料理も裁縫もできるのに出来ない事ってあるの?」
質問に私は悩みながら答えた。
「う~ん例えば解体とか教えて貰うまでできなかったのよ、今も下手だし他にも鍛冶や錬金とか出来ないわね、他にも属性魔法は使えないから」
私が出来ないことを言うと、マーナは「う~ん」と唸りながら首を捻り。
「それは、そうなんだけど、女子としてね・・・必要なスキルを持ってるってゆーか、そんな感じ?」
マーナが悩みながら言っていることも何となくわかるけど、でも何でもできるってのは買いかぶり過ぎよね。
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