第99話
地震の話が続きます。
読まないで済む方は読まないでください。
おそらく飛ばしても今後問題は無い(はず)です。
書いている本人も、なぜか目の周りが重くなりぼやけたりしてます。
でも辞めたら負けな気がして続けてます。
理由は解りません。
この辺りは当初の構想には無かった部分で、心の赴くままに書いているので、
どこに落ち着くのか作者にもわかりません。
正確には昨日と今日と明日で、落ち着く先が変わります。
あとでの整合性を取るのが大変そうですが、感情制御ができません。
これもトラウマの一種でしょうか。
良かった。間に合った。
ルドは助かった。
ルドは気づいていないだろうけども、あの状況で津波から逃げられるはずはない。
だって津波に気づかずに避難を呼びかけていたくらいだから。
他のルドの周りにいたであろう人たちは助けられなかった。
もちろん俺は神では無いので、全員を救うことなんかできはしないということは理解している。
理解と納得は別だということもわかっている。
わかってはいる。
できる限りのことはした。
俺には、あの日本での英雄達のようなことはできないと思う。
自らを犠牲にしての他人を救うために水門を閉めに行く。
波に呑まれるまで避難を呼びかけ続ける。
隣人を救うためにその背に負っての避難。
自殺したり、自爆テロをするバカ共はその命を彼らに譲ってほしい。
お前らが捨ててるモノは、他者が望んでも得られない貴重なモノなのだ。
俺にできることはほんのちょっとのとこでしかない。
俺には。
「おい、オタメガネ。
何か言うことは無いか。」
これは八つ当たりになるだろうか?
人たる俺程度の力ではどうしようもない。
しかし神ならばどうなのだ?
「神とて万能ではないんですよ。
人よりはよっぽど万能ではあるんですが、億能、京能・・・那由他能ではないのです。」
自分のいうことを聞かない人間を作ってみろ。
万能の神を信じる人に向けた無神論者の言葉だったと思う。
作れないなら万能ではない。
いうことを利かせられないのなら万能ではない。
いわゆる矛盾というやつだ。
「権限外ということか?」
「そうです。
私とて止められるものなら止めています。」
とりあえず信じてやることにしよう。
今までに聞いたことのない声色だったから。
「そうか。 今の俺になにかできることはないだろうか?」
「できれば、救える命は救ってほしい。
ただ問題がいくつか。」
神ならぬモノからの試練はまだ続くらしい。
「問題ってのは?」
「一つ目は、生き残っているのが思想的に問題がある者が多数であること。
具体的には、陸人族至上主義者、エセ宗教者等のゴミ蟲ども。
そして、虐げられ続けこのありさまで何も信じられなくなってしまった者たち。」
ゴミ蟲どもは、あの少しだけ水面から見えている高台に避難して無事だったんだろう。
領主や貴族や神官ってとこか。
後者は・・・流されてまだ命永らえている者だろう。
「救うには、いろいろ情報が必要だ。
余震の頻度、今後の津波、救うべき者の居場所。
いろいろある。」
ボートはある。
救いに行くこともやぶさかではない。
ただ、俺としては見知らぬ誰かを救うために、俺の周りに被害が出ることは許容できない。
俺の腕は短い。守れる範囲なんて知れたものだ。
身勝手、自己中、なんとでも言え。
だから余震やそれに伴う津波で今生きている命を犠牲にすることはできない。
「独善的」だとか「自分さえ良ければ良いのか」とか「人でなし」とか。
そんなんはどんだけ言われても良い。
所詮価値観の違いだ。
そんなことを言う人間に限って自分至上主義者ってのも嫌というほど知っている。




