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第83話

「おい、本当に大丈夫なんだろうな?」


冒険者とも夜盗ともつかないような風貌の男達がヒソヒソと話をしている。


「あぁ、護衛の体制はわかってる。

 冒険者が10人と、男爵のところの騎士が数人と従者が数人だ。

 アレがあれば問題ないだろうよ。」


日本の神社で売っているお守りのような、きんちゃく袋を小さくしたような物を矢の先に括り付けながら、答えた男が答える。


「高い金で買った魔呼薬だ。

 信用しろ。」


ニヤニヤしながら皆を見回している。


「護衛もそれなりにやるだろうから、始まってしばらくたってから襲えばいいだろう。」


「亜人共の半分も残れば大儲けだし、貴族様も居るからな。」


移民を奴隷に、男爵家の人間は身代金目当てか手持ちの財産目当てか。


いずれにしてもまともな集団ではない。




「魔呼薬」


マンドラゴラの亜種「マンイーター・ドラゴラム」の若い雌種を一言も叫ばせずにスライムで煮詰めた粉を小麦粉と合わせて練った物。


火にくべると線香のようにゆっくりと燃え、日本のRPG竜探索の「マド手」や「アーミークラブ」のように魔物を呼ぶ薬で、ほとんど匂いもしないことからシークレットキラーの別名がある。


もちろん非合法で、イスタール王国法では持っているだけで死刑になる劇物。


「こいつに火をつけて遠くからヤツラの近くに打ち込む。

 音も匂いもなく魔物を呼び寄せるからな。

 共倒れか弱ったところで、俺たちの出番ってやつよ。」


「小分けにして矢に括り付けたからな。

 多分30分程は呼び寄せ続けるから気をつけろよ。」


「射るだけなら木に登って高いところからなら100mは飛ばせる。

 俺たちに気づくはずもない。」


男達は自信があるのか饒舌だ。


「もうしばらくすれば見張りを残して後は寝るだろう。

 それまでは火は使うなよ。向こうから見えるかもしれん。」


「こんだけ離れてりゃ宴会しても大丈夫だろうぜ。」


「馬ももう寝たし、あとは俺達も少し飲んで寝ようぜ。」


皮の水筒を皆が口にする。





「そろそろ交代だ。」


デスタパーティの獣人奴隷(竜)が話しかけてくる。


「あぁわかった。

 嫌な気配があるから今夜なにかあるかもしれんから覚えておいてくれ。」


一応戦力として計算できるメンバーではある。


それとなく注意を促しておく。


「イリエラの主人ってことは多少はできるのだろうな。」


「それなりだ。あとでイルに聞いてみるといい。

 うちに移籍したいなら考えんでもないし。」


獣人(竜)なんて強そうなんは味方に付けとくべきでしょ。


イルの知り合いならなおさらだ。


それに、年上のお姉さんなのに男前な感じってのは「有り」でしょ。


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