第77話
アウトレットの三人が俺の部屋にやってくる。
少し表情が硬い。
何か変なことをされる想像でもしているのだろうか?
「テイム2」スキルは頂きましたが、それ以外は頂きませんよ?
いや無理ですから。
だって、ボクノウシロニハアクマタチガタッテイルンダモン。
「緊張しなくてもいいよ。ちょっと治療するだけだから。」
何でもないことのように告げると一人ずつ『上級治療』の光魔法をかける。
欠損までを治療するレベル4の高位魔法だ。
新しく俺の奴隷になった3人は信じられないものを見たかのように目を見開き、口をぽかんと開けている。
怪我を治すのに治療院に行けば、自分の値段と同額程度のお金がかかるのだ。
元に戻ることなど想像すらできなかったことだろう。
両手がかけていた陸人族の娘は、昼間に装備品を買わせたときに前腕部につけられる盾を二つ買っていた。
両手が無いなりに盾職として頑張ろうと思ったんだろう。
戦闘系のスキルも持っていない15歳の女の子がだ。
俺も少し泣けてきた。
俺の前では、傷を治してもらった三人はすでに泣いている。
俺の後ろでは、過去に同じことがあった三人が微笑んでいる。
「明日からは長旅だからゆっくりと休んで。」
そう言って感激でまだ泣いている三人を部屋に戻す。
「さあみんなも今日は早く寝て、明日からに備えよう。」
先輩三人組も今日は素直に部屋に戻っていった。
一人になった部屋で俺は明日からの警護依頼について考える。
持っている武器や魔法で戦力の分析をすると
メイン戦力
俺 中衛:短槍・槌 魔法(多数) 気配察知3 暗視
サミー 前衛:双刀 嗅覚拡大 夜目
イル 中衛:短槍・弓 魔法(水) 嗅覚拡大 夜目
ヒルダ 前衛:斧・拳 夜目
ルド 後衛:短剣 魔法(風・土)気配察知1 夜目
サブ戦力で
コリン 遊撃:短剣・格闘 嗅覚拡大・気配察知 夜目
ノーラ 前衛:槌 夜目
ターナ 前衛:槌 夜目
8人で、前衛4、中衛2、後衛1、遊撃1だ。
前衛を2にして、後衛の護衛に2を回そう。後ろをルド一人に任せるのはまだ不安だから
前衛:サミー、ヒルダ
中衛:イル、俺
後衛:ノーラ、ルド、ターナ
※遊撃:コリン
って並びが基本だな。
ノーラとターナはルドを守るのを仕事にしておく。
まあ、野外だからダンジョンみたいに隊列どおり行くわけはないけど、考えておいて損はないだろう。
二手に分かれるときは、
俺とイルとルドが魔法が使えるから分かれるとして、
俺(中衛:魔)、サミー(前衛)、ヒルダ(前衛)
イル(中衛:魔、弓)、ルド(後衛:魔)、ノーラ(前衛)、ターナ(前衛)、コリン(遊撃)
にしておけばレベルが低い分は人数でカバーできるだろう。
俺とルドが気配察知を、イルとサミーが嗅覚拡大を、夜目は全員が持っているから夜も安心だ。
不採用の陸人族5人組が襲ってきても、レベル・スキル的にも大丈夫そうだ。
開放予定の奴隷達は、アクトック商会で買ったメンバーが、
戦闘系スキル 装備
地人 斧1、鎚1 槌(青銅)、革鎧、小盾(青銅)
獣人(柴犬) 短剣1 短剣(鉄)、革鎧、
獣人(三毛猫)格闘1、狩人1 短剣(青銅)、弓
獣人(黒猫) 短剣1 短剣×2
獣人(熊) 長柄1、格闘1 短槍(青銅)、籠手(青銅)
陸人、二五歳 風魔法1 投げナイフ(青銅)、ワンド(木)、革鎧
陸人、一五歳 なし 鞭、短剣(青銅)、革鎧、小盾×2(木)
獣人(獅子) なし 投げナイフ、革鎧、籠手(青銅)
獣人(鼠) なし 短剣(青銅)、革鎧、小盾(青銅)
獣人(狸) なし 槌(青銅)
だから、風魔法を使える娘と狩人1を持っている娘の二人を後ろに回して援護をさせる。
あとは、戦闘系のスキルを持っている四人と持っていない四人をそれぞれ一人ずつのペアにして四組にして、二人一組で行動させる。
しかし、陸人の娘の武器・・・小盾×2って。
手が治ったから武器欲しいんじゃないのかな?
テイムと酪農のスキルがあるのに関係して、カウボーイとかサーカスの動物使い的な感じで、両手欠損してたからなくなっていただけで、もしかしたら前は鞭1とかスキル持ってたりするかもね。
明日、余っている武器、短剣でも渡そうかな。
壽眼で見て、もしスキルあったら、鞭だけどな
熊と獅子の娘が籠手を買っていたことも興味深い。
やっぱり拳で語る系なんだろうか。熊と獅子だし。
防具というより武器として金属の籠手を選んでいるみたいだ。
奴隷市で買ったメンバーは、人数が多すぎて別の宿にいるが、
戦闘系スキル 装備
獣人族(馬) 弓1 弓、短剣
獣人族(狸) 罠設置1 短剣、盾
獣人族 盾1 短剣、盾
地人族 槌1 槌、盾
地人族×5人 なし 槌、盾
獣人族(猫)女 なし 短剣、盾
こちらは全体的に戦闘スキルが少なく、年齢層も高めなので、五人ずつの二組に分かれて行動してもらおう。
馭者1持ちの地人族のおじさんには馭者を、罠設置1持ちの獣人族のお姉さんには、野営時の防衛ライン設営をお願いしよう。
馬車は9人乗り×2台なのに28人いるんだよなぁ。
どうしたもんか。
そんなことを考えながら眠りについた。




