閑話 74話 ルド01
――SIDE ルド――
今日はいろいろなことがあった。
初めての陸人族のパーティに参加することになった。
よくある話だ。
僕は固定のパーティに参加していないので、短期間だけ参加するパーティをはしごしている。
今回はあまり、良いメンバーではないと思う。
陸人族の彼らは、陸人族以外の人族を蔑視しているようだ。
レベルの低い僕はポーター扱いだし。
とりあえず仕事と割り切って、今日を乗り切ろうと思う。
迷宮では、今までで一番深い層まで潜った。
見たことない魔物を見た。
戦った。
負けた。というか相手にもならなかった。
死にそうになった。
明らかに彼らは、いろいろナメテいた。
自分たちの実力、ダンジョンの魔物の強さ、装備、準備。すべてだ。
潰走の最中にペーティメンバーに囮として捨てられた。
ドロップ品をポーターのように持たされていた。
両親の形見のイヤリングをパーティリーダーに没収されていたから。
所見のメンバーは信頼できないからって理由だったけど、実際はどうだったのかは今はもうわからない。
彼らはもういない。
走馬灯をみた。
僕は魔物の攻撃を足元に食らって転んだ。
臨時パーティのみんなは、僕を見捨てた。
言葉と行動の両方で僕を捨てた
その時、擦り付けたはずの相手が僕を助けてくれた。
カッコいい人に助けてもらった。
カッコいい人は強かった。
僕の参加していたパーティがなすすべもなく潰走した相手を余裕で。
しかも、「なすりつけ」をしたパーティの一員である僕を、何のためらいもなく助けてくれた。
「あいつらのパーティを抜けて俺のパーティに入れ。お前を助けたい。」(補正多数)
あのセリフには痺れた。
強い。頼れる。信頼できる。優しい。惚れた?抱かれたい?もうあなたがすべて?
ジュンとした。下着が少し湿っていたのはそういうことなんだろうか?
ちびったわけではない・・・・・・・ハズ。
経験の無い僕にはよくわからない。
でも、でも、でも、でも。
理由がわからないのが少し怖い。
はっきり言えば「敵」のパーティメンバーだよ?
なんで躊躇いなく助けてくれるの?
その後、おなかいっぱい食べさせてくれた。
おなじみらしい店の中で、カッコいい人のパーティメンバーはみんな笑顔だった。
多分みんな奴隷なのに。
耳にある石がその証拠だ。
なのに、僕よりずっと楽しそうにしていた。
みんな対等に話して、主人であるであろうカッコいい人に対しても普通に対等に話して、つっこんでボケて、噛みついて・・・
なにこの理想郷。
まだ、このカッコいい人の名前も知らない。
僕だけカッコいい人と一緒の部屋って言われたときは。
ドキドキした。
わくわくした。
覚悟した。
でも、飲み過ぎたせいか、カッコいい人は僕を二つあるうちの一つのベッドに放り込むと、崩れるように床に倒れた。
飲み過ぎたんだろう。
このままでは彼が風邪をひいてしまうかもしれない。
恩人にそんな目に合わせるわけにはいかない。
僕は非力だけれど、一人位ベッドに引きずりあげるくらいはできるだろう。
全力で、カッコいい人をベッドに引きずりあげた。
寝やすそうな恰好に姿勢を整えてあげる。
世話女房って言葉が僕の頭の中に急に浮かんでくる。
そんなんになりたいわけじゃない。ない。ない。ない。悪くない。なりたい?
いやいやいやいやいやいやいやいやいや、良いYAHAAAAAAA。
引きずりあげたベッドの上で、ひとりで悶えていると、カッコいい人が寝返りを打つ。
そして・・・・寝返りの腕が僕を捕らえる。
くんずほぐれつ。
腕枕された。
こっそり・・・・させた?
すっごい、すっごい、すっごい、温かかった。
安心した。安らいだ。くつろいだ。癒された。
どきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどき∞した。
もう、離れられない。
この場所は誰にも譲りたくない
誰にも言えない僕だけの秘密。
一緒にいるためには手段を選んでいられない。
たとえ、あの怖い皆を向こうに回しても・・・




