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第44話

30000PV、約3000ユニークありがとうございます。

書き溜めがヤバくなってきました。

毎日でなくなるかも・・・

見捨てないでお待ちください。

朝が来る。


昨日早く、というか昼間から寝てしまったので、まだ夜は明けていない。


起きなければいけない。


しかし、起きれば朝食で顔を会わせなければいけない。


フラレタ翌朝に顔を会わすなんて拷問。


ほぼ一日一緒に過ごさなければいけないなんて拷問。


と考えて、ハッと思いついた。


奴隷じゃなくなったんだから、昨日のうちにどっかへ行ってしまっているかもしれない。


装備品もそのまま、お金も渡した。


逃げるにはもってこいのタイミングだ。


いなくなってるよなぁ。


望んで俺の奴隷になったわけじゃない。


買ったときも「買わないでください」とまで言っていた。


買った後は、親しげにしてくれたけれど、それは奴隷だからしかたなかっただろう。


自由になってまで、俺と一緒にいる必要はない。だろう。


鬱になりそう。


裏切られるのが怖くて奴隷パーティを組んだってのに。


俺のバカ。


もう少し、せめて二~三日位誰とも会わずにいたい。


「二~三日留守にします。探さないで、休んでてください。」


というメモと、銀貨二十枚を部屋のテーブルの上において、閂と鍵を外す。


装備品は渡したままになっているから、みんなも身は守れるし、二万ゴルもあれば、二~三日どころか半月は暮らせるだろう。


昨日渡した一万数千ゴルも全部使っていなければもっとだ。


さて、どこかに逃げ出そう。


どこへ?


薄暗い穴倉が今の気分にふさわしいだろう。


パーティを解除し、[フィールド移動]と[ダンジョン移動]でダンジョンの十二階層に行くことにした。


ダンジョンの魔物には、俺の八つ当たりストレス発散のために散華していただこう。



攻撃重視防御軽視のマチェット両手装備で、切りまくる。


切りまくる。


切りまくる。


魔法で倒してもストレスは晴れない。


手ごたえがないからだ。


切る。KILL。切る。キル。KILL。KILL。KILL。KILL。


手当たり次第に殺す。


出会うものは皆殺す。


逃げるものも殺す。

途中のレベルアップ音なんて関係ない。


無視だ、無視。


ほかのパーティに出会わなかったのは幸運だろう。


どちらにとっても。


あぶなく不幸なサミーと、それに伴う俺を量産してしまうところだった。


いつの間にかダンジョンの二十階層にきていた。


あまり記憶は無いのに日頃のクセか、倒した魔物の死体や魔魂石は全てストレージに入っていた。


そういえばダンジョン産の魔物は倒すと魔魂石になって死体は残らないんじゃなかったっけ?


と思ってイルに「外から入り込んだ魔物もおります」と言われたことをなぜか今思い出す。


両手にマチェットは有ったが、つけていた防具はボロボロになっていた。


大分無茶なことをしたようだ。たぶん防具はもう使い物にならない。


血まみれ肉塊まみれで、服ももう使えないかもしれない。


捨てて、キャッチャーセットを装備するかどうか迷った。


ん?


ダンジョンに来てからどの位経った?


記憶が曖昧だ。




後ろから三人組が近づいてくることが気配察知でわかった。


今は他に魔物の気配は無いので、そちらを向いて待ち構える。


闇の中からサミー、イル、ヒルダがゆっくりと姿を現す。


サミーとヒルダが前衛。


イルが後衛で松明を持っている。


なんだ、みんなでダンジョン攻略することにしたんだ。



ほっと気を抜いてマチェットを下げる。


と、数メートルを飛んできたサミーにいきなりグーで殴られた。


身体強化・格闘共にレベル2の不意打ちだ。


俺が素人だったら死んでてもおかしくない。


「何を考えているんですか?」


一撃で吹っ飛んだ俺はダンジョンの床に横たわっている。


何を怒っているのだろう?


陸人族オレのことは嫌いだろう?


ほっといて。


「ご主人様が死んだら、残された奴隷がどうなるのか知ってますよね。」


倒されたままの俺の上にサミーが見下ろしながら言う。


どうなるんですか?

あっ殉死が普通だっけ?ってことは自殺しなきゃいけないのか。


イルはたしかそうだった。


ヒルダは?


あの時は急いでて覚えてないというか読んでない。


「ご主人様一人の身体じゃないんです。」


いつの間にか完璧に決まったマウントポジションからの拳の連打である。


総合格闘技での必殺パターンである。


お前が俺を殺す気か。


でも、みんなを仲間とは認めてくれていたんだ。それは良かった。


「イルも、ヒルダも、どれだけ心配したと思ってるんですか。」


言葉と拳以外にもなにか降ってきた。


鉄サビくさい口になにかしょっぱいものが。


サミーの目からだ。


なんか水滴が降ってくる。


「何を考えて一人でこんなトコに居るんですか?」


こんなトコにいるのは、あなたが殴ったからです。


こんなダンジョン(トコ)にいるのは、あなたに振られたからです。


こんな階層トコにいるのは、あなたが奪った俺の心の平静を取り戻すためです。



「サミー#$еЩ<」


脇からイルの声が聞こえてきたが、全てを聞くこと無く俺の意識はこの世界では睡眠以外で初めて俺の支配から逃れていった。





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