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第35話

いつの間にか13000PV到達

ありがとうございます。

感想、ネタ、キャラ画、誤字脱字などなんでも募集中です。(反映できるかは不安)

倒した多腕熊をストレージに入れ、[転移]で落とし穴に移動する。


落とし穴の底で死んでいるもう一頭もストレージに入れる。


依頼達成だ。


村長の前で二頭の多腕熊をストレージから出し、確認させる。


「うわぁぁ」


何も無いところから四メートルの熊が二頭出てくるのだ、そりゃ腰抜かすわ。


「年寄りを脅かすもんじゃない。」


[初級回復]で治してやり、依頼書に依頼達成のサインを貰う。


「家の方は近々設計図持ってきますからよろしくお願いしますね。」


「あぁ、冬の間は暇だからな。春までにはできてるだろうよ。」




「それはそうと、干物って知ってますか?」


この世界には魚の干物も、干ししいたけも無いらしい。


「村の名物というか収入源になると思うんですけど。作ってみませんか?」


鮮度の問題で村で消費するしかなかった魚やイカ(的な何か)が、干物やスルメや煮干しになって金や保存食になるのだ。


燻製にすればさらに日持ちする。


「他にはないのか?」


村長さん食いつきが良いですね。


「白身の魚をすってですね。」


調味料や卵白を加えて、すりこぎで練って、蒸したらカマボコ、焼いたらチクワだ。


これも生よりは日持ちがする。


安定供給ができるなら、徒歩十日ではなく、馬車二日でデスタの町に出荷できるのではないだろうか。


規模が小さくなるが、アロンの町ならばもっと近い。


「売れそうな相手先にも心当たりがありますし、設計図渡すときに連れてきますから。

 そうですね。三日後に試作品を作っておいて貰えますか。」


「おうよ。村が潤う話しだ。あんちゃんらには、いろんな意味で村を救ってもらって感謝してるぜ。」


その後も夜遅くまで、キノコの養殖や干しキノコ、干し貝柱に塩田など考え付く限りの金儲けの話しで村長と盛り上がった。


結局村長の家に泊まることになったのだが、夕食に出された魚の塩焼きは絶品だった。


日本人のDNAはやはり魚を求めていたのだ。


交通の便の良くない近世までは、日本でも山間地では川魚くらいしか魚は食べられず、干物やナレ鮨とかにして運んでいたはずだ。


それが内陸のデスタで食えるとなれば、また支店が増えるだろう。


むしろ食材の仕入れ担当をこの村においてもいいくらいだ。


貰う予定の家の管理人も兼ねてもらえば俺達にも得だ。


帰ったらオーナーに話してみよう。


翌朝、漁でとれた魚を大量に貰い、ストレージにしまいこんで村を後にすることにした。


[転移]でデスタの町の居酒屋前に戻る。



「家も手に入ったし、今回の依頼は当たりだったな。」


「そうですね。魚もおいしかったですし。」


「海って心が広くなりますね。」


「熊の手ごたえが忘れられません。」


うん。一人だけ変な答えが返ってきたね。


「ギルドにいって手続きしたら今日はお休みにしよう。


 晩御飯の時にいつもの居酒屋に集合。それまで自由行動だ。」


「ご主人様は、どうされるのですか?」


「家の設計図を描かなきゃな。みんなはどうする?」


休みでも自由行動にするのは初めてだ。


みんな何をしたいのか興味がある。


「お風呂にいって今夜のために磨きをかけたいと思います。」


「討伐記録に挑戦しようかと。」


「斧をピカピカに研ぎたいと思います。」


うん。やっぱり怖い。


違う意味でみんな怖い回答だ。


「そ、そっか。自由行動だからね。

 サミーは無茶しないようにね。」


話しをしているうちに冒険者ギルドに着く。


「お早いお帰りで、すね。」


美人ギルド職員さんが声をかけてくる。


なんで詰まったんだ?


まずい、皆を連れてきてしまった。


「上級者という噂でしたが、本当だったんですね。」


悲しそうな声でそんなことを言わないでください。


「い、依頼を達成しましたんで、て、手続きをお願いします。」


いかん。後ろからの視線が痛い。


前からも不思議な威圧感を感じる。


嫌な汗を流しながら、サインの入った依頼票を出す。


「いつもどおり、魔物も持ってきたんで買い取りもお願いします。」


勤めて他人行儀に話す。


「はい、お預かりしますね。」


依頼票と一緒に手を握ってくる。


後ろの殺気は、既に臨界点を越えそうになっている。


気づいてますよね、後ろの殺気に。


それを知りつつ手を離さない美人職員さんって。


荒くれ者の対応には慣れているんだろうけど、止めていただけないでしょうか。


ワタクシなにか罪を犯したのでしょうか?


「買取カウンターへどうぞ。」


促されたカウンターでストレージから多腕熊を取り出す。


手早くチェックすると、別な職員を呼び美人職員さんは元のカウンターに戻る。


「大物ですから二頭で九万ゴルになります。

 討伐報酬とあわせて十万ゴルです。

 約束どおりお酒、ご馳走してくださいね。」


最後の台詞だけちょっと声量が上がったのはナゼですか?


私を抹殺したいのでしょうか?


約束なんてしてませんけど?


依頼を受けるときにあなたが言っていただけですけど?


金貨を渡すときに両手で握ってくるのもなぜですか?


うろたえていると後ろから殺気の塊が俺の両腕と襟首をつかんだ。


「「「さっ、お楽しみの時間が待ってますよ。」」」


俺が何をした~~~~~~~。ズルズルズルズル。







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