18話 廃嫡貴族のスキルマスター
皆様にご好評だったので、今回は3つ(17、18、19話)を12時、15時、18時連続でアップします!(本日2話目)
剣聖アビス・シローネとの決闘から数日。
剣聖アビスは衆人環視の中、オレに手も足も出ず大敗北を喫したのが相当堪えたらしい。
傷の治療を終え、目を覚ました後、火がついた赤ん坊のように泣き出し『ママの元に帰る』と騒ぎ、周囲の反対も押し切って逃げ出したとか。
プライドがバキバキにへし折られ、体の芯まで恐怖を刻まれたせいだろう。
そりゃスキル『ステータス擬装』で決闘の途中まで気付かなかったのだろうが、擬装解除によって突然体力3.5倍、魔力90倍、筋力42倍、耐久約5.6倍、敏捷12.5倍、知力21倍、器用13.5倍の怪物が居たら心が折られる。
誰だってそうなる。オレだって例外ではない。
逃げ出してしまった剣聖はともかく、今回の決闘騒ぎで魔剣『グランダウザー』が真っ二つになってしまった。
この一件に勇者教の一部がオレとアイスバーグ帝国を猛烈に非難してきた。
切断された魔剣『グランダウザー』は現存する鍛冶師では修復不可能。
オレなら修復可能だが、わざわざやってやる義理はない。
『国宝の魔剣グランダウザーを斬って壊すとはなにごとか』と大激怒。弁償として『スキル創造』所有者であるオレを勇者教に引き渡すか、彼らの望むスキルを創らせるか、新しい魔剣をオレに作らせろと騒いでいる。
さらに『今回の一件は魔剣を持ち出した自分達側にあるため、文句を言うべきではない派』と、『聖人の剣を斬るなど言語道断! 聖戦を発動しシュートを殺せ派』なども誕生し内部でも揉めに揉めているらしい。
なので勇者教の一部が『内部を落ち着かせるため妥協点が欲しい』と内密にアイスバーグ帝国へ接触してきたが……現皇帝曰く『はぁ? 事前に決闘では何があっても文句無いって約束したよね? そっち側の問題じゃん。賢者様に何の関係もないじゃん。むしろ、問題が起きてざまぁぁぁぁぁぁぁぁッ(意訳)』と全力で拒絶。
むしろ内密に接触してきた使者を暴露したあげく、煽りまくった。
わざと煽ることで勇者教の目、怒りをオレからアイスバーグ帝国へ移すのが狙いだろう。
恐らく……たぶん、きっと……。
この正論に勇者教側は反論できず『ぐぬぬぬ……ッ』と歯ぎしりしか出来なかったとか。
勇者教問題の他にも、あの決闘を見ていた観客達から――『シュート様に弟子入りしたい』や『魔剣グランダウザーを斬ったあの剣はなんだ』、『鑑定したい。できれば譲って欲しい。もし現存する鍛冶師が作ったのならその元に弟子入りしたい』など多種多様な要望が帝国、冒険者組合、他ツテなどあらゆる手を使って押し寄せてきている。
特定の誰かを黙らせれば良い訳ではないため、ある意味で勇者教問題より面倒だ。
とはいえ弟子などいらないし、準亜神剣『クリムゾン・ブルート』なんてヤバイ代物を他者に譲るつもりも、自分が製作者だと名乗り出るつもりもない。
ちなみに準亜神剣『クリムゾン・ブルート』は決闘日、スキル『ステータス擬装』で魔剣に擬装済みだ。
この擬装を見破るにはオレのステータスを越える『鑑定LV』でなければ無理だ。
実質、誰にも見破ることは出来ないだろう。
決闘が終わった後日、改めてアリス、キリリの身を守るためスキルオーブを使用し強化する。
まずアリスから――。
名前:アリス・コッペタリア・シドリー・フォン・アイスバーグ
年齢:14歳
種族:ヒューマン
状態:正常
LV:50
体力 :4000/4000(+2000UP)
魔力 :15/15
筋力:2000(+1000UP)
耐久:1500(+750UP)
敏捷:300(+200UP)
知力:0
器用:300(+250UP)
スキル:『アイテムボックスLV5』『超怪力LV7』『直感LV7』『マルチウェポンLV5』『頑強LV6』『身体強化LV5』『超回復LV6』『ウォッシュLV8』『大食いLV4』『騎士LV1(new!)』『剣術LV1(new!)』『格闘LV1(new!)』『怪力LV1(new!)』『気配遮断LV1(new!)』『隠密LV1(new!)』『気配察知LV1(new!)』『健脚LV1(new!)』『逃走LV1(new!)』『韋駄天LV1(new!)』『HP強化LV1(new!)』『回復LV1(new!)』『魔力耐性LV1(new!)』『物理耐性LV1(new!)』『精神耐性LV1(new!)』『スキル経験値増大(new!)』『LV経験値増大(new!)』
称号 :アイスバーグ帝国3女
続いてキリリ。
彼女は魔術師系統を兎に角強化した。
名前:キリリ・マルチネル
年齢:14歳
種族:ヒューマン
状態:正常
LV:45
体力 :1000/1000(+550UP)
魔力 :1000/1000(+500UP)
筋力:140(+105UP)
耐久:135(+105UP)
敏捷:95(+75UP)
知力:120(+60UP)
器用:30(+15UP)
スキル:『魔眼』『鑑定LV6』『火魔法LV6』『水魔法LV6』『MP強化LV5』
『光魔法LV1(new!)』『風魔法LV1(new!)』『土魔法LV1(new!)』『闇魔法LV1(new!)』『気配遮断LV1(new!)』『隠密LV1(new!)』『気配察知LV1(new!)』『健脚LV1(new!)』『逃走LV1(new!)』『韋駄天LV1(new!)』『HP強化LV1(new!)』『MP強化LV1(new!)』『身体強化LV1(new!)』『頑強LV1(new!)』『回復LV1(new!)』『超回復LV1(new!)』『MP回復速度LV1(new!)』『攻撃魔法強化LV1(new!)』『魔力耐性LV1(new!)』『物理耐性LV1(new!)』『精神耐性LV1(new!)』『スキル経験値増大(new!)』『LV経験値増大(new!)』『直感LV1(new!)』『アイテムボックスLV1(new!)』『魔力ボックスLV1(new!)』。
称号:帝国3女の従者(帝国1の苦労人)
魔術道具無しの剣聖アビスのステータスが、
名前:アビス・シローネ
年齢:24歳
種族:ヒューマン
状態:正常
LV:50
体力 :4000/4000
魔力 :100/100
筋力:1000
耐久:800
敏捷:120
知力:50
器用:100
スキル:『剣聖』『身体強化LV7』『頑強LV7』『アイテムボックスLV5』『回復LV7』『物理耐性LV7』『魔力耐性LV7』『怪力LV7』『気配察知LV7』『気配遮断LV7』
称号 :勇者教聖人
アリス単独でも剣聖を恐らく倒せる。キリリと2人がかりなら確殺可能なステータスとなる。
この異世界で最強の一角である剣聖を倒せるなら、余程の事が無い限り彼女達が命を落とすことはないだろう。
お陰で少し心が軽くなる。
成長したステータスを目にした2人はどんな反応を示したかというと――。
「……こんなに強くなれて嬉しい。ありがとうございます、賢者シュート様」
アリスは強くなったことを素直に喜んだ。
一方、キリリはというと――。
「す、スキルがこ、こんなに。一介の従者ごときが伝説の勇者様以上のスキルを持つなんて」
嬉しいが恐れ多く、困惑し『あわあわ』していた。
彼女の気持ちも分からなくない。
前世日本で例えるなら、一般市民が宝くじで100億円を当てたようなモノだ。
嬉しいが困惑するのは当然である。
またオレ自身、剣聖との戦いで称号が変化した。
準亜神剣『クリムゾン・ブルート』を装備しない素のステータスだが、称号が変化した。
名前:シュート
年齢:14歳
種族:ヒューマン
状態:正常
LV:51
体力 :10000/10000
魔力 :6000/6000
筋力:2800
耐久:3000
敏捷:1000
知力:700
器用:900
スキル:『スキル創造』『剣聖』『時間操作LV1』『騎士LV8』『光魔法LV8』『気配遮断LV8』『隠密LV8』『気配察知LV8』『健脚LV8』『逃走LV8』『韋駄天LV8』『直感LV8』『剣術LV8』『格闘LV8』『火魔法LV8』『水魔法LV8』『風魔法LV8』『土魔法LV8』『闇魔法LV8』『身体強化LV8』『HP強化LV8』『MP強化LV8』『頑強LV8』『魔力耐性LV8』『物理耐性LV8』『精神耐性LV6』『鑑定LV9』『ステータス擬装』『スキル経験値増大』『LV経験値増大』『裁縫LV8』『皮加工LV8』『鍛冶LV8』『生産技能LV8』『抽出LV8』『索敵LV8』『槍術LV8』『斧術LV6』『回復LV8』『超回復LV8』『MP回復速度LV8』『攻撃魔法強化LV8』『アイテムボックスLV8』『魔力ボックスLV7』etc――。
称号:廃嫡貴族のスキルマスター(準亜神)
どうやら剣聖との決闘で一般市民から『スキル創造』所有者、『スキルを好きに創れる』、『剣聖を倒すほどスキルを持っている』などと認知された結果『スキルマスター』という称号を得て、元の『廃嫡貴族』と繋がった結果、現在の称号になってしまったようだ。
「『廃嫡貴族のスキルマスター』か……オレらしいと言えば、らしい称号だな」
称号がどういう経緯で付けられているかは不明だが、自分らしい表示につい肩をすくめてしまう。
こうしてようやく剣聖との決闘問題は、本当の意味で解決したのだった。
スキルマスターを読んでくださってありがとうございます!
剣聖編決着!
これで剣聖アビスの出番が無くなるかと思いきや……明日アップする予定の閑話で再登場します。
その閑話で、今回逃げ出した様子をアビス側視点(第三者視点)で書かせて頂ければと。
アビスもシュートに大惨敗してプライドがへし折られたから逃げ出した訳ですが、ただ闇雲に逃げ出した訳ではなく、実は彼が向かっている先には新しい――という感じです。新たなざまぁの予感しかしない……。
なので明日も是非お楽しみに!




