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祝! 初ドロップアイテム

「武器を持たなくて、どうやって身を守るの?」ホルスがベスパに噛み付く。


「おいおい、ベスパはモンクや司祭じゃない、治癒術師なんだ。仕方ないだろ? それに俺が守ってやるから安心しろ」アロックが二人の仲裁に入る。


「ガハハハッ。まだ街の外に出てもいないのに、もう仲間割れか? そんなんじゃ、試しの洞窟から卒業プレートを取ってこれんぞ?」


街の出口の衛兵おじさんが四人を見て笑う。


「もう、恥ずかしいから喧嘩しないで! 折角の良い気分が台無しよ」アルネは頬を膨らませて怒る。


「まぁ、聞け。この先に草原が広がっている。そこには単体の弱い魔物がいるんだ。そこでパーティの連携を確かめながら、先へ進むと良い。駄目なら諦めることも冒険者には必要な判断だ」


門をでると、衛兵のおじさんがアドバイス通りに、4人は草原の魔物を探した。


「子供だけで、街の外に出るの初めて!」アルネは、青空と広がる草原を見ただけで、先程まで怒っていたのが嘘のように、一人はしゃいでいた。


そんな身勝手な様子に不安を覚えたホルスが注意しようとすると、アルネの表情は一変する。


「そこっ! 魔物よっ!」


アルネが指を指す方向を全員が凝視するが、草むらには何も見えなかった。


「もうっ! 何をしているのよっ!! 戦闘準備っ!!」 


アルネが怒り出す。アルネは使えない男共を放っておいて、背中から弓を取り外し構え、矢をつがえると、何も見えない草むらに向かって、矢を射る。


「ギュゥゥゥゥゥッ!!」っと草むらの中から魔物の断末魔が聞こえた。


「アロック、魔物を確認してきなさい。ほら、そこの二人も、まだ戦闘が終わったわけじゃない。もっと周りに注意して!! 全く、不安だからと言って、仲間にばかり当たってないで、自分ができることを、ちゃんとしなさいよっ!」


まさか守るべき女の子に、コテンパにしてやられるとは…。三人は項垂れながら、アルネの指示に従う。


「アルネっ! 魔物は、スモールウリボーだ。絶命している」


「う〜ん。スモールウリボーか。お肉も固いし味も悪い。毛も短くまばらだし。魔石ぐらいね」


アルネはスモールウリボーを解体するからと、アロックたちに見張りを頼んだ。アロックはアルネが解体用ナイフで、アモールウリボーの腹を引き裂き、内臓を手で鷲掴みしているを見てしまい、気分が悪くなって、草むらに嘔吐してしまう。


ベスパはアロックの背中をさすりながら、効果があるかわからないが、回復Lv1をかける。


「俺は鍛冶屋だ。血や肉は苦手なんだ」


「だらしないとは言わないわ。人には得手不得手があるものよ」アルネは血のりがべたりと付着した小さな魔石を男たちに見せた。「これが記念すべき最初のドロップアイテムよ!」


4人は次なる魔物を探しながら、北東にある試しの洞窟を目指す。


「ベスパ。これは嫌味とかじゃなからね。えっと魔法使いや回復役はMPの残量が命なんだ。だから魔法を使う時は、今後のことも考えて使ったほうが良いよ」


ホルスは先程ベスパがアロックに回復の魔法を使ってのを見ていたのだろう。


ベスパは素直に「わかった。ありがとう」とお礼を言ったのだが、273/276とまだまだ十分にMPが余っていたのだ。

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