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第三百十九章 アヤメ、苦戦する

空飛ぶ百足と敵との戦いに巻き込まれて怪我人が続出しました。

重症患者が芹沢外科医院に搬送されて来ましたが、渚はアヤメが苦戦中の為に大型特別艦で応援に行っていて、不在だった為に看護師が断りました。

救急隊員が、「今は緊急事態で、どの病院も医師の手が足りません。こんな時に、ここの院長先生は何処に行っているのですか?外科医が戻って来るのであれば、受け入れだけでもして下さい。」と依頼していました。

そこへアイドルスターが現れて、「こんなに苦しんでいるのに可哀想に。せめて病院のベッドで寝かせてあげれば?」と助言しました。

看護師は、「素人が余計な事を言わないで!今受け入れてもどうにもならないわよ。」とチヤホヤされているだけの馬鹿じゃないかと切れました。

菊子は、「今、救急隊員の方が言われていたでしょう?何処も同じだと。このままここで死ぬまで待っていろとでも言うの?外科医が不在でも看護師でしたら応急手当ぐらいは可能でしょう。白衣の天使だから、せめて愛情を持って看病してやろうとは思わないの?」と説得しました。

看護師は頭に来て、「理想と現実は違うわよ。それだったら、あなたが看病しなさいよ。」と切れました。

菊子は、「決まりね。直ぐに、この病院に入れて。」と救急隊員に指示しました。

看護師は菊子の応急手当を見て、あまりにも専門的だった為に驚いていると、菊子は、「今診たところ、緊急オペが必要です。直ぐに準備して!」と指示しました。

看護師達は菊子に押し切られて、オペに参加して菊子のメスさばきに驚いていました。

手術終了後、「あなたのような人気アイドルスターが何故なの?」と不思議そうでした。

菊子は、「医師免許を持ったタレントは珍しくないわよ。後は、あなた方でできるわよね。」と帰って行きました。

芹沢外科医院に戻った渚に看護師が菊子の事を確認しました。

渚は、「あの人気アイドルスターと私は同じ外科医から指導を受けた兄弟弟子です。世間は知らないようですが、彼女はエスベック病の手術も可能ですよ。皆さんに伝える時間がありませんでしたが、私が不在の間、この病院の事を頼んでいた為に、彼女が治療してくれたのですよ。」と返答しました。

一方、隠密行動が得意な成美は、空飛ぶ百足と戦っている敵を観察して、敵の司令官を特定し、キングコブラの姿で気配を消して近付き、一瞬のスキに噛み付いて、キングコブラの鋭い牙が敵の鎧のような肌を貫通して敵の司令官が倒れ、近くに待機させていた空飛ぶ百足で混乱している敵の指令本部を攻撃して壊滅させました。

指令本部が壊滅した為に、敵の指揮系統が乱れ、そこを一機に空飛ぶ百足と成美とで攻撃して敵を撃破しました。

マスコミは、「大蛇が怪物に乗って飛んで来て、謎の宇宙人を退治しました。」と報道しました。

この時、成美には透視力がない為に、テレビカメラで撮影されている事に気付かずに、キングコブラの姿から人間の成美の姿に戻る様子を撮影されていたとは夢にも思いませんでした。

成美から話を聞いた渚は、「成美ちゃんが地球に潜入した敵を撃破したわ。アヤメさん、もうこれ以上敵を地球に来させないで!成美ちゃん一人では対応不可能よ。」と現状報告しました。

フジコが、「女神ちゃん、もう少し頑張って!菊子ちゃんが発見したのは病原菌の卵に間違いなかったわ。こんなに小さいのに、よく見付けたわね。いま研究しています。」と潜入方法解明のメドがついたと安心させました。

アヤメは、「渚が地球に戻ったから、もう限界よ!博士!感心していないで早くして!アネゴ、もっと警備員の治療を早くして!」とアヤメもギリギリだと報告しました。

サクラは、「敵の戦艦はミサイルに弱いのではないの?」と確認しました。

アヤメは、「前回ミサイルで攻撃した為に、今回はその対策を取っていて、ミサイルも通用しない!余計な事は考えず早く治療して!」と急かしました。

アヤメが暫く交戦していると、ヴィツール号の倉庫に被弾して炎上しました。

アヤメは直ぐに消し止めましたが、この時、ヴィツール号から自動的に緊急信号が発信され、テレジア星で受信しました。

テレジア星も敵と交渉する余裕もなく、全力で交戦中でしたので、応援に行けませんでした。

地球では天体望遠鏡で、その戦い振りを見ながら、「地球に攻めてこようとしている宇宙人を別の宇宙人が阻止しているようですが、戦況は良くありません。人類は滅亡する運命にあるのでしょうか?」と報道していました。

テレジア星では、アヤメの父親がヴィーナスに、「アヤメが危険な状況にあるようだが、テレジア星も敵と交戦中で、アヤメの応援に行けません。こんな時こそ、親の私達がアヤメを助けよう。しかしアヤメが苦戦する程の敵なので、通常の方法では助けられないと思います。政府は、今後の事を考慮して極秘で強力な武器を作成していて、現在テスト中の為に、未発表で、どの艦にも配備されていない武器があります。この武器を政府に無理を言って私が借りてきました。お前は何度も宇宙に出ていて、地球にも数回行った事がある為に、俺よりお前の方が適役だと思います。お前の艦に今からこの武器を配備するから、アヤメの応援に行ってくれないか?」とアヤメを助けようとしていました。

地球ではアヤメ達の艦隊が次々と航行不能に追い込まれる中、無防備の敵艦隊の後方から突然、敵艦隊が攻撃されて、その凄い破壊力に敵艦隊の殆どが吹っ飛びました。

皆呆気に取られていると、フジコが我に戻り、「女神ちゃん!残った敵は数少ないので捕まえて!それと、そこの艦に告ぐ!何者なの?」と呼び掛けました。

アヤメが、「あれはアイアック号だ!」と確認しました。

ヴィーナスが、「フジコちゃん、私の艦を忘れたの?何者はないでしょう。折角助けてあげたんだから。またトイレ掃除させるわよ。」と不機嫌そうでした。

フジコは、「えっ?ヴィーナス小母様?トイレ掃除はアネゴの番よ。所で今の武器は何?見た事ないけど。」と強力な武器の事を確認しました。

ヴィーナスは、「現在テレジア星で開発中の新兵器で、テスト段階の武器です。」と返答しました。

フジコが、「そんな武器があっただなんて何故知っていたのですか?それに開発中の武器をどうやって持ち出したのですか?」と不思議そうでした。

ヴィーナスは、「主人は政治家よ。情報は主人が入手して、武器を持ち出すだけの権力はあるわよ。アヤメの為に少し無理したみたいですけれどもね。」と返答しました。

アヤメが、「さすが父ちゃん、頼りになるわね。所で博士、病原菌が地球に侵入したルートは解ったのか?それと病原菌対策もできたのか?」と確認しました。

フジコは、「陽子さんとも打ち合わせましたが、病原菌の卵を侵入させていた為に生命反応がなく、現段階では地球に飛来する全ての隕石を破壊するしか方法はないわ。病原菌の地球人用ワクチンの開発に成功したので、芹沢外科医院と菊子に伝えました。芹沢外科医院と谷口教授が共同開発した事にして、大日本医療大学と芹沢外科医院に対応させます。菊子も卵を発見した為に日本へ戻って来ている事だし。」と返答しました。

アヤメが、「テレジア星人用のワクチンはないのか?」と確認しました。

フジコは、「タイムマシンで対応可能です。」と何故こんな簡単な事も解らないのかと呆れていました。

フジコが、アヤメの捕まえた敵と交渉して、敵本拠地に防護服を着て病原菌対策に行く事になりましたが、単身敵本拠地に乗り込むのは危険だとして、アヤメとモミジもフジコの護衛として防護服を着て同行し、フジコの大型探査艦をヴィツール号とハリアット号で護衛しながら敵本拠地に向かいました。

数ヵ月後、フジコからテレジア星と地球に、「建物の空調を病原菌に対応させる事により対応できたので、全面戦争は回避できました。」と連絡がありました。

司令官が、「何故空調で対応したのですか?殺虫剤を開発して病原菌を死滅させなかった理由は何かあるのですか?」と不思議そうでした。

フジコは、「最初は、私もそのつもりでしたが、その方法が不可能だった為に、空調で対応しました。」と返答しました。

司令官は、「何故不可能なのですか?病原菌は死滅させられないのですか?」と不思議そうでした。

フジコは、「それは可能ですが、敵自体も死滅する為に、その方法を取ると全面戦争になります。敵は新種の知能を持った病原菌です。」と返答しました。

司令官は、「それでは、敵本拠地の星は病原菌に覆われた状態には変わりないのですか?」と確認しました。

フジコは、「そうです。私が開発したフィルターを空調に取り付けて、建物でのテストに問題がなかった為に、後は地下道などを作成し、このフィルターを取り付けると外出にも問題なくなります。フィルターは彼らの星にある天然資源で作成し、作成方法も指導した為に、後は彼らが対応する事になります。私は一旦ここを引き上げます。」と返答しました。

移動中アヤメが、「防護服で意思波も遮断され、先程は敵がいて言えなかったが、敵は新種の知能を持った病原菌だという事は、陽子が冗談で言っていたバイキンマンみたいな奴だろう?信用できるのか?又、攻めてくるのではないのか?」とフジコの対応に疑問でした。

フジコは、「私が病原菌対策をするだけの目的で敵本拠地に行ったとでも思っているの?心配しなくても大丈夫よ。攻めようとしても攻められないわよ。」と返答しました。

アヤメは、「それはどういう事だ?私にも解るように説明してくれ。」とフジコの対応が理解できない様子でした。


次回投稿予定日は、12月21日です。

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