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第三百二十二章 淑子、銀行強盗計画を聞く

フジコは、淑子の件も無事に終わり、アヤメの素早い対応で淑子に怪我もなく安心していまた。

ある日、淑子から電話があり、「フジコさん、今、電話が混線して銀行強盗の計画を聞いてしまいました。」と相談しました。

フジコはコスモス調査会社に事情を説明して、誰が何処の銀行を狙っているのか調査依頼しました。

コスモスは淑子から詳しい話を聞いて調査を開始しました。

調査結果が出るとフジコは安藤刑事に伝えました。

安藤刑事は、「電話が混線した段階で何故直ぐに通報してくれなかったのだ!」と怒っていました。

フジコは、「捜査するより、タイムマシンで調べた方が早いと思ったからです。犯人グループは、拳銃を数丁所持していますので注意して下さい。私達が対処しても良いですが、あなた方の立つ瀬がなくなると思い通報しました。」と返答しました。

安藤刑事は、「解りました。」と返答して、刑事数名で銀行強盗を計画している容疑者逮捕に向かいました。

刑事達が容疑者の住んでいるアパートに到着した時に、容疑者一味の一人が外出していて、数名の男性がドアと窓側を固めている様子を見て警察だと直感して、携帯でアパートにいる仲間に知らせました。

刑事がドアをノックして、「宅急便です。」と声かけして拳銃を構えていました。

ドアが開いたと同時に銃撃されて刑事一人が倒れ、まさか宅急便で銃撃されるとは思っていなかった他の刑事が驚いたスキに容疑者数名が飛び出して来ました。

外でエンジンをかけて待機していた仲間の車に飛び乗り、拳銃を発射しながら逃げて、住民一人が流れ弾で負傷して、警察の大失態としてテレビニュースで報道されました。

フジコが電話で安藤刑事に、「ニュースを見ましたが、拳銃を数丁所持しているから注意するように伝えたのに、刑事が銃撃されて住民も流れ弾で負傷するとは情けないわね。今タイムマシンで調べると、偶々仲間の一人が外出していて、外から携帯で警察が来た事を伝えていました。タイムマシンで逃亡先も解っていますので、私達が対処しましょうか?」と今度は大丈夫なのか心配そうに確認しました。

安藤刑事は、「いえ、私達で対処します。」とこれ以上失敗は許されないと焦っている様子でした。

フジコは、「今度は大丈夫ですか?犯人は車を乗り換えています。アパートから逃走した車を捜しても無駄ですよ。犯人一味は実弾をまだまだ持っています。次の犠牲者が出る前に逮捕できますか?」と確認しました。

安藤刑事は暫く考えて、「ニュースを見た一般市民からの通報があった事にしますので、逃亡先を教えて下さい。」と依頼しました。

フジコは、「解りました。念の為に、今回はアヤメ警備会社に依頼しておきます。場所は、夏以外は殆ど無人になる軽井沢の別荘地帯で、別荘の鍵を壊してそこに潜伏しています。」と返答しました。

安藤刑事は、地元警察に連絡の上、軽井沢に向かいました。

フジコから話を聞いたアヤメは、「だから、何故私への連絡が後になるのだ。何故博士は事故を起こしてからでないとブレーキを踏めないんだ!もっと早く連絡をくれれば、犯人一味を取り逃がす事も、刑事や一般市民が負傷する事もなかったのだぞ!ところで軽井沢って何処だ?」と場所が解らないようでした。

フジコは、「長野県よ。」と返答しました。

アヤメは、「だから、それは何処にあるのだ?」とイライラしていました。

フジコは、「もう良いわ。今、陽子さんが定期検診にテレジア星から来ていて、私の所の定期検診が終わり、アヤメ警備会社に向かいました。陽子さんに聞いて下さい。」と口で説明しても無駄だと感じました。

アヤメは陽子に事情を説明して、「博士に聞いたが、“陽子に聞け。”と教えてくれないんだ。」と確認しました。

陽子は、「今後の為に、軽井沢の場所は知っておいた方が良いかも知れませんね。私が案内してあげます。」とアヤメ警備会社の定期検診は、この件が終わってからにして、陽子とアヤメが小型UFOで地図を見て説明しながら軽井沢に、「陽子は博士と違い優しいな。」と向かいました。

現地に到着した安藤刑事達は別荘の周辺を固めて近付いていました。

アヤメが警察無線に割り込み、「アヤメ警備会社です。犯人一味は別荘の外に人の気配を感じ、拳銃を構えて待っているわよ。拳銃で良かったですね。ライフルだったら刑事さん、撃たれていますよ。」と警告しました。

アヤメの事を知らない現地警察が、「お前は何者だ!犯人一味でないと、そんな事が解らないだろうが。」と警告を無視して別荘に近付いていました。

安藤刑事が、「彼女の事は後で説明するから、そんなに近付くな!機動隊を呼ぶから待て!」と警告しましたが、地元警察官は銃撃されて負傷しました。

安藤刑事が撃たれた刑事を安全な場所へ移動させ携帯で救急車を呼ぼうとしていました。

そこへ陽子が来て、「私は外科医です。心臓を撃たれています。救急車を呼んでいれば助かりません。今ここで麻酔なしで処置するしか助ける方法がありません。動かないように押さえて下さい。」と刑事達に依頼しました。

刑事達は、陽子の助手と、犯人一味と銃撃戦をする二手に分かれて対応しました。

陽子は素早く切開して、心臓を縫合して心臓マッサージをすると心臓が動き出した為に切開した部位を縫合しました。

「時間の関係上、弾丸を捜していません。弾丸摘出手術が必要です。心臓の縫合も簡単に行った為に、いつ迄もつか解りません。肋骨も力づくで折りました。直ぐに設備の整った病院で再手術が必要です。」と助言しました。

安藤刑事から報告を受けた上司は、救急車の手配と機動隊の手配をして、負傷した刑事には安藤刑事と陽子が付き添い病院に搬送され、機動隊が盾で犯人一味の攻撃を防ぎながら近付いた為にアヤメは、今度は大丈夫だろうと様子を見ていると、警察が犯人一味を逮捕しました。

負傷した刑事が病院到着後、レントゲン撮影をすると、外科医は驚いて、「こんな処置を数分で行う外科医がいるとは信じられない。銃弾が肋骨に当たり、勢いが弱まった為に、心臓を貫通せずに心臓の中で止まっています。直ぐに摘出しないといつ心臓の中で詰まっても可笑しくない状態です。しかし、人工心肺装置がある病院まで搬送中に亡くなると思います。残念ですが・・・」と諦めた様子でした。

陽子が、「搬送する時間がなければ、ここで人工心肺装置なしで、オペすれば良いではないですか。」と助言しました。

外科医は、「素人が何を言っているのですか。弾丸は心臓の中にあるのですよ。動いている心臓を切開すれば凄い勢いで血が噴出します。」と心臓を止めないと無理だと説明しました。

陽子は、「心臓を止めれば良いじゃないですか。」と返答しました。

外科医は、「人工心肺装置なしで心臓を止めれば死ぬでしょう。」と反論しました。

陽子は、「死ぬ前に弾丸を摘出して、縫合すれば良いでしょう。」と返答しました。

外科医は、「漫画じゃあるまいし、そんな神業のような手術ができる訳ないでしょう。」と無理だと判断しました。

安藤刑事が、「先生、確か数分でこんな処置をする外科医がいるとは信じられないと驚いていましたが、彼女が現場で麻酔なしで処置したのですよ。」と指摘しました。

外科医は驚いて、陽子に任す事にしました。

手術終了後陽子は、「時間の関係上、心臓の縫合は簡単にしていますので、いつ迄もつか解りませんが、人工心肺装置のある病院に搬送する時間はあると思います。後はあなたに任せて大丈夫ですね。」と現場で犯人逮捕を確認して病院に様子を見に来たアヤメと帰って行きました。

外科医は搬送の手配をして安藤刑事に、「彼女は何者なのですか?彼女の助手として手術に参加しましたが、彼女のメスさばきは神業です。」と陽子の事を知ろうとしていました。

安藤刑事は、「彼女は芹沢外科医院の外科医で、エスベック病の手術も可能です。」と返答しました。

外科医は、「えっ?エスベック病の手術ができるのは、大日本医療大学の谷口教授だけではないのですか?」と驚いていました。

安藤刑事は、「聞いた所によると、彼女は谷口教授のお師匠さんらしいですよ。芹沢外科医院の手術設備は古い為に、今はエスベック病の手術は行っていませんが、芹沢外科医院の院長先生もエスベック病の手術ができるそうです。」と返答しました。

外科医は、「先程も芹沢外科医院と言っていましたが、その病院は浮浪者などしか相手にしない、質の悪い病院だと聞いていますが、違うのですか?」と不思議そうでした。

安藤刑事は、「芹沢外科医院の院長先生の資格は、エスベック病の手術ができる事と、貧しい患者には治療費の請求をしない事だそうです。ですから台所は火の車で、病院の設備を購入するお金がない為に、設備が古く、更に浮浪者などの間には治療費が無料だと噂が広まり、そのような患者が多い為に、そう思われているようですね。」と返答しました。

外科医は、「何故治療費の請求をしないのですか?」と不思議そうでした。

安藤刑事は、「お金のない人に請求しても無駄でしょう?聞いた所によると、初代院長の東城菊枝外科医が、治療費が払えなくて病院をたらい回しにされた患者を引き受けたそうですが、その時は既に手遅れだったそうです。その事が切欠になったらしいです。その外科医の旧姓が芹沢だった為に、芹沢外科医院というらしいですが、その外科医の娘さんが世界で初めてエスベック病の手術に成功した梅沢陽子外科医で二代目院長先生だそうです。」と返答しました。

安藤刑事は、「東城菊枝外科医といえば、神の手をもつと噂されていた外科医で、梅沢陽子外科医は医学会の魔女と噂されていた外科医で今は伝説になっていて、私達一般人でも知っています。」と陽子は伝説の外科医の血筋だと驚いていました。


次回投稿予定日は、1月5日です。

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