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前奏曲
魂のにおいがする。
刈り取るべき命のにおいがする。
それが胸の内を揺らしてこの手に抱けと衝動を重ねる。
降り注ぐ陽光を遮る木々の下。吹き抜ける風に揺れない体躯は、嘶きを発して行き場のない気持ちを振り翳す。
首の無い馬は一心同体、我が存在のはんぶん。
募った不満と期待が足元の草木を振るわせる。
死せる冬の大地に死の権化。
絵画の世界のように綺麗に嵌った景色が、不幸の兆しを内包して歴史を歪ませる。
この身は死の象徴。魂を刈り取る災厄の死神。世界に拒絶される歪曲の理。
ありえてはならない存在。
だからこそありえないはずの結果を手繰り寄せる。
人はそれを死と呼ぶ。人はそれを災禍と呼ぶ。
人はそれを、デュラハンと呼ぶ。




