第三十七話 地面は固い……。
なんて。
あたしが簡単に考えてるみたいに思ったら大間違いさ……。
今、全力疾走中だよ?
なのにお父様との距離が全然ひらかない!
てか、むしろ徐々に縮まってる?!
なんで!!
しかもお父様は叫ぶ余裕すら見せてるし!
え、あたし?
体中が痛くて死にそうですけど、何か……?
……ちなみに。
今、外。
うん。
実はね。
お父様に見つかって、慌てて階段駆け上がり、二階に到着。
それでも余裕でついて来るお父様。
なんか怖かったから廊下の開いてた窓から飛び降りたんだ……。
危ないって?
そんなの知ってるよ……。
でもね。
それが一番手っ取り早くお父様を諦めさせられると思ったの。
…………無理だったけどね……。
だって、あたしが飛び降りたの見て、一瞬ポカンとしてたけど、直ぐに飛び降りて追ってきたから……。
もちろん。
そのあとに呆れ顔の執事さんが飛び降りて追ってきてるけどさ……。
いやね。
養女になるのは嫌じゃない。
でも、納得いかない。
あ。
でも、養女になったら、お母様が不安にならないかも……。
そうだよね。
そしたら、お父様もこんな風に追っかけてこないし。
二人が盛大に誤解してしまうこともなくなるかもしれない…………。
と、言うことは。
いちいち変に誤解した二人を説得させる手間も省ける……?
つまり、二人が安心する……?
お母様が変な夢にうなされても、その紙があれば安心できるんじゃないのかな?
…………あたしはお父様とお母様。
お屋敷の皆が大好き。
それに、皆とっても強い。
もし、なにかあったも協力してことにあたることが出来る。
それに、あたしも比較的強くなったはず!
って、あれ?
あたしは、何のために強さを求めたんだっけ……?
う~ん……。
あ。
……そうそう。
お兄様を見つけるためだ。
でも、そのためだけに強くなりたかったんだっけ……?
………………違うような、気がする……。
だって、あたしは。
お兄様を連れ戻して、お父様とお母様に、前みたいに明るく笑ってほしかったんだ。
だから、そのために強さを求めた。
お兄様みたいに、お父様とお母様が居なくなってしまわないように……。
…………なんだ……。
なんとなくわかってたけど。
あたし、二人の笑顔を守りたかったんだ……。
お父様とお母様の傍に。
ただ一緒に居たかったんだ。
だったら、その形が他人じゃなくて。
血が繋がってないけど、親子って形でもいいんだ……。
……大丈夫。
お爺とお婆みたいに、殺させない。
死なせたりなんて、絶対しない。
お父様も、お母様も、執事さん、ギルデさん、マーティさんは。
絶対。
何があっても、守る。
お母様以外、その必要がないと分かってるけど、手助けくらいできると思うから。
だったらあたしは……他人じゃダメだ。
………………決めた。
あたしはずっと走っていた足を止めた。
体中が痛い。
特に肺。
でも、伝えなきゃ。
そう思って振り返った。
「お父さ――――まぁが!! …………痛い……。なんで、ぶつかって……くるの……?」
痛い。
なんで両手を広げて、抱き着く形で飛びついてくるかな……。
あたし、頭真っ先に打ったんだけど……?
てか、背中も痛いよ……。
…………地面固い……。
もう体中痛い……。
原因のお父様は、あたしの横で地面に顔面強打。
痛そうだけど、あたしも痛いから気にしない……。
「あ、あぁああぁぁ! ご、ごめんよニコ。泣かないでおくれ!!」
ガバッって体を起こしたお父様。
顔に擦り傷が出来てる……。
特におでこと鼻。
砂もついてる。
いや、砂は地面について所全部だけど、さ……。
…………てことは、あたしの背中も砂まみれ、か……。
とりあえず、体起こして砂。
掃わなきゃね……。




