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変人公爵一家の義娘  作者: 双葉小鳥
第二章 変人公爵の娘
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第二十八話 素直が一番さ!(多分……)

 まったく。

 いつの間に傍にきたんだろ……?

 ……てか。

 気づけなかった……。

 あぁ、それと。

 あたし、ペットじゃないんだけど?

 お兄様はあたしを犬か猫と感違いしてるのかな?

 ……してそうで怖い…………。

 だって、輝かんばかりの笑顔で笑いかけてくるのが目に見えてるもん。

 それに、そんなことされたら、すぐそばに居るお兄様の顔面殴っちゃいそうだし。

 …………あぁ。

 なんでだろ。

 『ひらりと交わされて、一発もあてられないだけ』

 って結果と、そのシーンが頭に浮かんだのは……。

 ……ふん。

 どうせ。

 あたしは弱虫でいじけ虫ですよ~っだ!

 ふーんだ!

「はぁ……。ニコ、どうした?」

 困った顔のお兄様。

「どうもないもん……」

「なら。どうしてそんな顔してるの?」

「元からだもん」

 ふーん。

 すねてなんかないもーん!

 ふーんだ!

 あたしは腕を組んで、お母様もお兄様もいない方に、顔をそらした。

 フン。

 お兄様は『卑屈』だって言われてるの知ってるんだから!

「……誰がそんなこと言ったんだい? ニコ」

 微笑んで聞いて来た鬼様。

 失礼。

 お兄様……。

 ただ。

 問題は目。

 ぜんっぜん笑ってないから!

 微笑みになってないよ!! 

 てかあたし口に出してないからね!!

「なに困惑した顔してるの。ニコ? ばっちり聞こえたよ『お兄様は『卑屈』だって言われてるの知ってるんだから』ってね?」

 …………嫌だな。

 聞かなかったことにしてよ。

 あたしが言ったことだけど、そんな。

 お兄様が卑屈だって思ってないんだから!

 でも、ここは何か言っておいた方が断然いい。

 となれば。

 素直にしゃべるに限る!!

 あたしは自分の身が可愛いんだ!!!!

「あ、あははは! えっとね、絵本に出てきたんだよ!」

「ふふふ。ニコは素直で良い子だね。ふふふふふ……。母さん。来てそんなに立たないけど、帰るよ。……大事な用事が出来たから」

 お兄様はそう言って、笑っていない目と雰囲気で、『ふふふ』と怪しく笑い声をあげて、消えた。

 これにお母様はきょとんとした後。

 無邪気に笑って、いなくなったお兄様に向けて『いってらっしゃい。体に気をつけるのよ』って言った。

 まぁ。

 その声は、もういなくなったお兄様に届いていないと思う。

 けど、そんなお母様につられて『いってらっしゃい』と声を上げてしまった。

 ……うん。

 あたしとお母様以外誰もいなくてよかった。

 だって、お兄様が居なくなってから、あたしたちを見た人が居たら、完全に頭がおかしい人みたいに見えるもんね……。

 まぁ、気にしないけどさ。

 でも、お父様と同列に見られるのはすっごく複雑なんだよね……。

 …………これで勘違いしないでくださいね?

 あたし、『お父様が嫌い』とは言っていないので。

 (変なとこ除いて)大好きですから!

 お父さんっ子です!

 ……って。

 あれ?

 でも、お母様も大好きだから、お母さんっ子?

 ん?

 お兄様っ子?

 執事さん、ギルデさん、マーティさん、リディさん大好きっ子?

 ……どうでもいっか!

 とにかく、みんなが大好き!

 それでよし!!

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