十三話 地下
問題はその後。
だって、ルファネスさんをさっき仕事してた部屋に連れて行くのかな。って思ってたら、その部屋のドア素通りだよ?
おかしいよね?
ルファネスさん、どこで仕事させるんだろう……。
しかも、何気にスティアナ様とレティさんがついて来てる。
ついでにウィルロットさんとセイドさん。
すっごく黒い笑みを浮かべてて、すっごく楽しそうなのはなんで?
……うん。
まぁ、わかってるよ。
だって、今あたしたち地下牢に居るからね?
…………ルファネスさんを拷問するためじゃないよ。
ルファネスさんにしてみれば拷問かもしれないけどさ。
だって檻の中に、書類の山と化してるの机の前に、椅子に縛られて座らされてるから。
ついでに椅子はご丁寧に床に固定されてる。
「さて、陛下。ここなら存分に仕事ができますよ」
ルファネスさんの隣に立って、清々しく笑うウィルロットさん。
「そうですよ陛下。ここなら男に囲まれ、ストレスになるということもございません」
そういって、ウィルロットさんの隣で微笑んだセイドさん。
ちなみに、王宮の地下牢には誰もいない。
当たり前だけどさ。
「あのね、君たち。俺はこの状態がストレスにもなるって言ってなかったかな?」
「「存じ上げません」」
不服そうにしていたルファネスさんに、ウィルロットさんとセイドさんが、満面の笑みで声をそろえて行った。
えっと……。
二人は一滴も血は繋がってないはずなんだけど……。
ていうか、『私はウィルロットを拾ってからは親戚づきあいをしておりません』ってノエルさんがいってたよ。
なのになんで二人はハモるの?
おかしいよね?
「存じ上げませんじゃないよ!! 俺は仕事が嫌なの。嫌いなの。わかる?」
なんかドヤ顔でいいだしたルファネスさん。
「わかりません」
「わかりたくもありません」
始めに、綺麗なお顔で真顔のセイドさん。
それに続く目が死んでるウィルロットさんの言葉。
二人とも声が平坦だった。
あれ?
二人とも、さっきまでの笑顔(?)はどこ行ったの?
ていうか、顔と雰囲気に『この馬鹿どうしてやろうか』って出てる気がするんだ。
……気のせいだよね?
「まぁ。お兄様ったら、本当にご冗談がお上手。ふふ」
「いや、アン。ルー兄は本気よ……」
「え? 本当、お兄様?」
あきれ顔のレティさんと、スティアナ様の視線を受けたルファネスさん。
どう出るのかと思ったら、へラッて笑って大きく頷いた。
その瞬間。
二人が納めていた怒りを再燃焼させて、一人は呆れて、一人は怒りを表し始めた二人を見て、兄の心配していた。
あたし?
あたしは……もうお家帰りたい。
それだけだよ……。




