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変人公爵一家の義娘  作者: 双葉小鳥
第一章 変人公爵一家の義娘
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第二十七話 八分の一か、丸ごとか。

 黙々と食事をするあたしと、静かに立ってるギルデさん。

 いや。

 多分、ギルデさんはあたしがトマトを残さないように、見張ってるんだけどさ……。

 その笑顔が怖いよ……。

 無言なのに、言葉が聞こえるもん。

 『残すなよ? 残したら……』って。

 怖いの……。

 って、あたしいつの間にかトマト以外、全部食べてた。

 最初の一口しか、味解んなかったんだけど!

 ギルデさん怖い!

 でも、あたしそんなことに屈したりしないもん!!

「ニコちゃん。わかってるよね?」

 フォークを置こうとするあたしに、ギルデさんの笑顔なのに、鋭い目で見てきた。

 ……そんな顔したって怖くないんだからね!

 あたしはフォークを置いた。

「えー、なんの――」

「明日から朝ごはん。トマトだけにしちゃおっかなぁ」

 あたしの言葉を遮って、恐ろしいことを言わないでよ!

 朝ごはんがトマトだけとか絶対ヤダ!!

 それに、ギルデさん本当にやるからタチ悪いよ!

 あたし顔が引きつる。

 でも今なら、トマトを八個に切ったうちの一個で、見逃してもらえるんだよね……。

 あたしはもう一度フォークを持った。

 これも明日のご飯のため!

 勇気を出して、トマトにフォークを刺した。

 後は口に入れるだけ。

 ……無理だよぉ…………。

 食べたくないぃ……!

 あたしはこのトマトのせいで涙目。

 本当に食べなきゃなの?

 ゆっくりギルデさんを見上げた。

 でも、ギルデさんは無言で、輝かんばかりの笑顔。

「どうしたの? 食べられない?」 

 優しい声で、心配してくれるギルデさん。

 あたしは小さく頷いた。

 ギルデさんはため息をついて、あたしの頭を一撫でしてくれた。

「わかった。しょうがないよね」

 あたしはその言葉で、フォークを刺したままのトマトを、お皿に戻した。

 ギルデさんはそれをみて、お皿を下げてくれた。

「ごめんなさい……」

「大丈夫だよ、ニコちゃん。少しずつ食べれるようになればいいんだからね?」

 いつもの笑顔に戻ったギルデさんが、優しく声をかけてくれる。

 ギルデさんはとっても優しい。

 だからたまに、あたしの好き嫌いを直すのを手伝ってくれる。

 本当にやさしい人。

 なのに、ギルデさんの頑張りに答えられないあたし。

 悪い子……。

「うん……」

「ニコちゃん、笑って?」

「え……?」

 なんでいきなり笑うの?

 あたしは不思議に思って、ギルデさんを見た。

「はい。トーマト!」

 一瞬なんのことか解らなかった。

 でも、口の中にイヤな匂いと、味が広がる。

 そう。

 あたしの開いていた口に、さっき残したトマトが押し込まれた。

「――?!」

 それに気づいて、口からトマトを吐き出そうとする。

「もちろん、一回口に入れたの出さないよねぇー?」

 あたしはその言葉で、固まる。

 そして、ギルデさんを見上げた。

 すっごく良い笑顔。

 ひどい!

 どうしろって言うのさ!!

「食べちゃえばいいんだよ?」

 ギルデさんは屈んで、あたしの目線に合わせて言った。

 無理だって!

 もうヤダ……。

「あぁ。泣かない、泣かない」

 そんなこと言ったって無理だよ……。

「ほらニコちゃん。噛んでごくんして」

 だから無理だって……!

 あたしの目から出た雫が、頬を伝う。

 もうやだぁ……。

 トマトなんて無くなっちゃえばいいのに……。

「大丈夫。トマトは何もしないよ?」

 してるよ! 

 あたしの心を攻撃してるよ!!

 お気に入り登録してくださった方々。

 読んで下さる皆様。

 誠にありがとうございます。

 内容が薄くならないよう、頑張ります。

 ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。

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