第二十四話 呪われてるの?
気にしないけど!
「あれ……こんなページ、あったっけ?」
おかしいな。
確か、三回目なんだけど……。
読み残してたのかな?
でも今まで、三回目で読み残しを見つけることなんて、なかったんだけど……。
大抵二回目で気づくから。
変なの!
ま、楽しめるからいいや!!
えぇっと、なになに――初めまして。
私はこの本を書いた、ウェルコット・オルバーナと申します。
突然ですが、この本に出てくる少年と同じ人物をご存じではありませんか?
「……なんでだろ。すっごく心当たりあるんだけど…………」
でも、それは確信じゃない。
だってお兄様は、お父様たちに拾われる前の記憶がないんだもの。
それにお兄様自身。
思い出したくないみたいなんだよね。
あたしの気のせいかもしれないけどさ……。
やっぱり怖いのかな?
記憶が戻るの……。
あたしは良い事だと思うんだけどなぁ……。
それに、ウィルロットさんと同じように、お兄様の本当の名前知りたいもん。
で、故郷はどこなのか聞いて、家族の話を聞くの!
どうして記憶を無くしちゃたのかもね!!
ぜぇ~んぶ、問いただしてやるの。
それで、『またよろしく、お兄様』って言ってやるんだ。
お兄様が誰であっても、あたしのお兄様だもん。
罪を犯してたとしても、お兄様を『家族だ』ってあたし、胸を張って言うよ。
だって、あたしに『ニコ』って名前をくれたのも。
あたしの『お兄様になる』って言ってくれたのも。
『僕たちは家族だよ』って繰り返し言ってくれたのも。
お兄様だったから……。
悪戯大好きで、とっても優しいお兄様。
悪戯にはとっても腹が立った。
でもね。
それよりも、ずっと大切なんだよ。
だって、あたしたちは『家族』だから。
お父様たちも受け入れると思う。
……って。
脱線しちゃった……。
んと、さっきの続き。
――貴女様はご存じなのですね!
……あれぇ…………。
さっき見たときのと違う?
だって、さっきまでたくさん文字が書かれてたのに、今はこの一文だけ。
どういうことだろ?
……まさか。
この本、呪いの絵本だったりして……。
「…………どこかにしまおう。うん、そうしよう」
あたしは壁と、それに張り付く様な学習机の隙間。
そこに、ちょうどこの本が入るくらい隙間があいてる。
前から見つけてた隙間。
それに押し込んだ。
本当はすっごく燃やしたかったんだ。
でも、『火を使っちゃダメ』って言われてるから、出来ないの……。
……どうしよう。
もう遅いような気がするけど、もっと別のとこに直せばよかった!!
あたしの馬鹿!
あんな本が、自分の部屋にあるだけで怖いよ!!
……よし、取り出して屋根裏部屋に持っていこう。
考えを改めたあたしは、本を押し込んだ隙間を覗く。
うん。
思ったより狭い。
取り出すの、無理そう……。
よし。
机を動かそう。
と、言うことで。
あたしは力を込めて押す。
……ちっとも動かないよ…………。
どうしたら……あ!
そうだ! 中を全部出しちゃえば良いんだ!!
あたしは机についている六個の引き出しと、いつもは閉じてる机の部分を開けて、中を取り出した。
で、少し離れたところにまとめて置く。
「うん。これでよし!」
それから、あたしはもう一度机を押した。
中身をだしたけど、すっごく重い……。
でも、最初と比べたら軽い。
――ズッ……。
低くて、小さい音がした。
あたしは隙間を覗く。
少しだけしか動かなかったけど、とどきそう!
「うん、これなら……んしょ……よし、とどいた!!」
あたしはさっき押し込んだ絵本を引きずり出した。
うん。
大きなホコリも一緒に出て来た。
あたしが掃除しないんじゃないよ!
狭くて手も、道具もとどかないから、ホコリが溜まってただけなんだから!!




