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月を仰げば。  作者: 水城
第一章
9/18

7


 情報屋”朧月”。

裏社会において、その名を知らぬ者は少ないと言える、凄腕の情報屋。

知らない物は何もないと言える程の情報の持ち主で、ハッキング、クラッキングなど、コンピュータの情報処理において、右に出る物は誰も居ないとされていた。

 事実、今までに朧月自身の情報や、持っている情報が漏洩したことは一度も無い。

喧嘩を売る、ある程度腕に自身があるやつでも、眼中にない程コテンパンにする。

しかも、おまけ付きで。


 しかし、そんな朧月が、ある時を境に忽然と姿を消したという。


 それが、3年前。

 何故、消えたのか誰にも分からない。

 ただ、何も残さずに、誰にも告げずに、依頼を遂行のち、消えたと言う。


 ”何も残さなかった”はずだった。


「残ってた…か。はぁ…まぁいいか」


「いいのかよ。仮にも朧月だろ。何か処理とかしねぇのか?」


「そんなことしたって、もう知ってるやつが最低3人いるし、他には突破されないだろうし…いいでしょ。面倒だし」


 朧月の正体。俺は、自分の趣味で始めたものがここまで大きくなるとは思わなかった。

 正直、自分自身、どこまで広まってくのか興味半分恐怖を抱いていた。いつか正体がばれ、警察でも裏社会の組織でも、俺のことを知り何かしてくるのではと。


 でもそのスリルが楽しかった事もあった。


「帰ったら、今度こそ消しときますよ。で、俺の正体を知って、もう消えた存在を今更…」


「息子が欲しいからだ。面白い子をな。そんで、興味もったんだ。いいだろう?どうする?」


「どうするも何も、拒否権無いって要が言ってたし。どうせ、マンションの方ももう解約してるでしょう?」


 やることは徹底的にやりそうだ。

 不敵な笑みを浮かべる理事長。こんな人なら、要も色々苦労してそうだ。


「分かってるねーパソコンとかは、全てこの理事長室の横の暁乃専用部屋に入れておいたから」


「は?」


「やりたいときは自由に来ると良いよ。因みに、部屋にはこの理事長室通らないといけないけどね」


「何をしてくれてんだ!マジかよ…」


 ふふんとしてやった感満載でニタニタと笑う。

 そんなこんなで、強制的に、親ができました。実際、親とも思いたくない人だけど…。


(学校には…多少…興味あったけど…)


 強制とはいえ、学校に通わせてもらえる事は少なからず嬉し事だった。





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