表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

メイド2

私はとある子爵家のメイドです。

この家には、嫡男であるご子息様と、お嬢様が2人います。

お嬢様方は対照的で、真っ直ぐな黒髪に紫の瞳で凛とした美しさの上のお嬢様と、ふわふわの金髪に青い瞳で天使のように愛らしい下のお嬢様です。

下のお嬢様の方は天真爛漫で、少し我が儘な所がありましたが、天使のような微笑みで回りを明るくしてくれるような大変お可愛らしい方でした。

私は上のお嬢様の方に仕えていましたが、大変心優しく、美しく、自慢のお嬢様でした。


ですが、ご主人様達は社交界の華と言われた大奥様によく似た下のお嬢様を猫可愛がりし、上のお嬢様に辛く当たるようになりました。

欲しがるままに上のお嬢様の持ち物を下のお嬢様に与え、代わりに上のお嬢様に何か与えるわけでもなく、どんどん持ち物は減っていってしまいました。

ついには最後のドレスも無くなり、さすがにご主人様達に訴えると、何処で買ってきたのか古着の平民が着るようなドレスを数着与えられました。

私もお嬢様付きのメイドを外されることになり、下のお嬢様の方のメイドになることとなりました。

その事をお嬢様にお伝えると「そう、あなたもなのね……」と言われました。

あの時の私は、あなたも妹に取られるのねと言われていると思ったのですが、あなたも妹の方が好きだからそっちに行くのねだったのかもしれません。


下のお嬢様の方では元々のメイド達にきつく当たられ辛い日々でしたが、上のお嬢様が心配で辞める事が出来ませんでした。

ですが、仕事をどんどん押し付けられるので、上のお嬢様に会いに行くことも出来ずに月日が流れてしまいました。

ある日、今日も押し付けられた下のお嬢様のベッドメイクやお部屋のお掃除をしてる時に、男女の情事が行われた形跡に気付きました。

初めは何かの間違いかと思いましたが、その日から毎日のようにあるので、気になってこっそり夜に下のお嬢様の部屋のドアを監視することにしました。

すると、ご子息様が慣れた様子で入っていかれました。ご子息様が下のお嬢様に対して異常なほどの愛情を持っておられるのは、誰が見ても明らかでしたのでもしや無理強いされているのでは?と思いこっそり聞き耳をたててみましたが、どうやらお互い同意の上のようでしたのでその場を離れました。

禁断の恋人同士なんだと思っていましたが、どうやら他にも相手がいるようで、困惑しました。


時々下のお嬢様の元に男性が訪ねてくることがあり、その日のパニエに男性の物がついていることがありましたので、こっそり誰にもばれないように洗うことにしました。

嫁入り前の貴族令嬢にはあるまじき事態だと思いましたので、誰にも相談出来ずにいました。

ある時、お出掛けも来客も無いのにパニエが汚れていたことがあり、困惑しました。ご子息様もお仕事に行かれていなかったのに、いったい相手は誰でしょうか?

その後も時々同じことがあり悩んでいたある日、偶然洗濯に行く途中で庭師と行為をしている姿を目撃しました。

何がどうなっているんでしょうか?貴族のご子息様達でしたら、婚約者も決まっていませんしわかる気がするんですが、庭師とする事に何の特があるのでしょうか?

悩んだ末、私は今まで通り見て見ぬふりをすることにしました。正直、変に関わりたくなかったのです。


そうこうしているうちに、上のお嬢様が危惧した通り事件は起こりました。

下のお嬢様に会いに来ていたご子息方の婚約者様達から、慰謝料を請求されたのです。まさか彼等に婚約者がいたことにも驚きましたが、下のお嬢様も婚約者がいることを承知の上で関係していたことにも驚きました。

そして、その何が悪いのか全く理解していないことにも驚きました……純粋に、楽しいことをしていただけなのに何がいけないの?と言うご様子でした。

この時はまだ、体の関係まであったことはバレていませんでした。その後も下のお嬢様は呑気なもので、昼は庭師、夜はご子息様と楽しまれていたようです。

下のお嬢様の他のメイド達はさっさと逃げ出す相談をみんなでしていて、今まで以上に働かなくなりました。

そして今度はご子息方の家からも苦情や慰謝料の請求が来てしました。この家は今後どうなっていくんでしょうか?上のお嬢様は大丈夫でしょうか?それだけが心配でなりません……


ある日の夜、上のお嬢様を綺麗に飾り立てて侯爵家へ愛人として連れて行くことになったと聞きました!慌ててお嬢様の所に走りましたが間に合わず、別れさえ言えずに会えない人へとなってしまいました。

お嬢様のいないこの家に、もはやいる意味はないので私も辞める決心がつきました。

荷物をまとめていると、旦那様が慌てて帰って来て下のお嬢様を引っ張って連れて行ってしまいました。どうやら初めから下のお嬢様をご所望だったようで、別人だったことに大変お怒りだったそうです。

上のお嬢様は大丈夫でしょうか?心配でなりません。とりあえず出ていくのは延期して、上のお嬢様の噂が入ってくるのを待つ事にしました。

それは予想外の形ですぐにやってきました。なんと侯爵家の方が上のお嬢様の荷物を取りに来られたのです。お嬢様の最後のメイドだったと言うことで、私が案内することになりました。

お嬢様の部屋に入ると、あまりの荷物の少なさにどういう生活だったのか聞かれましたので素直に答え、お嬢様の状況を聞かせてもらうことが出来ました。

侯爵家へ一緒に来ますか?とお誘いしていただきましたが、上のお嬢様に合わせる顔が無いのでお断りし、その足で実家へと戻りました。


実家の方へも子爵家の噂は届いていたらしく、心配してくれていたようです。幸いなことに、侯爵様の紹介で仕事はすぐ決まり、とある男爵家のメイドとして雇っていただくことになりました。

男爵家の皆様はとても優しく、使用人仲間も皆いい人ばかりで、すぐに慣れることが出来ました。

上のお嬢様の旦那様である子爵様と、男爵家の旦那様が同僚なので、時々お嬢様の話を聞くことができてとても嬉しいです。

お嬢様が幸せになってくれてよかったです。神様ってきっといるんですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ