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不満の種
私に力をくれた人は今どこで何をしているかな。あの人がそれまでどんな風に生きていたのかは知らないけど、
少しお金を貸してくれるみたいなノリで、権利を譲渡してくれた。あの時、なんか勝手に「根拠ないのに生きてればいいことあるよとでも言いたいんだろうな」って完全スルーするつもりでいてごめんなさい。あなたの言うことに適当に頷いて後日また自殺を図るつもりでした。
柏谷ゆうやはあの日から力ある者になった。今までの不幸、理不尽の見返りが欲しいとは常々思っていたけど、
お釣りが出るくらいの満足感、嬉しさで1週間は有頂天だった。そもそも今思い返せば私は人類最不幸というわけじゃなかったけど、この世のすべてを呪っている気持ちはやむことがなく、そこへ神からの贈り物ともいえる能力を授かれば仕方がない。
私は幸せだと思っていい。特別な力があれば、少しの不幸など気にならない。
血のつながった親の顔も知らないまま施設で育っても、6回も里子に出されても、お金持ちの養女として習い事を
叩きこまれても。
なのに、この力にはある制約があった。あの人はもしかして、私を試しているのかな?
なぜよりによって、例外がそいつなんだ。




