第十一話「リーダーの価値は数字じゃ測れない」
「……それじゃ、続けようか。次はブロック君だ」
クラウスが手をかざして、ブロックを見る。
「ブロック君のパーティ貢献度は――【0/100】。プラスもマイナスもない、いわば“基準”ってところだね。前衛としては普通だし、特に気にすることはないよ」
「お、俺……やっぱり役立たずなのかな……」
「いや、これはあくまで“パーティに対するスキル”の貢献度だから。数字に現れない貢献もたくさんあるし、気にしなくて大丈夫だよ。前衛なら普通だし」
「へぇ、普通なんだ、俺……」
ブロックは少し安心したような、でもどこか不思議そうな顔で頷いた。
「ちなみに、僕のスキルは“パーティへの貢献度”が数値で見えるだけ。本職ほど細かくは分からないんだ」
(なるほど、ブロックのスキル特性みたいなのは数値じゃわからないってことね)
シルビアが小声でつぶやく。
クラウスは穏やかに言葉を重ねるが、その目は相変わらず冷静だ。
「でも、数字には出ない大事な役割を持ってる人もいるからね」
「さ、次は……シルビアさん」
シルビアが緊張しつつ前に出る。
「えーと、シルビアさんの貢献度は――【20/100】」
「……二十……?」
シルビアの顔がひきつる。
クラウスが慌てて言葉を継ぐ。
「し、支援職としては、その……!スキル貢献度だけがメンバーの価値じゃないから!本当に!」
「う、うん……現実って厳しいのね……」
シルビアは小さく肩を落とした。
「そして最後は……ガイル君だね」
クラウスが俺を見る。一瞬だけ顔をしかめて、手をかざした。
「ガイル君のパーティ貢献度は――【-100/100】だ。正直、僕もこんな数字は初めて見た……。うん、僕のスキルにも、まだ分からないことがあるんだなぁ……」
「マイナス百って……どういうことだよ!?」
思わず声を上げてしまう。
しばし沈黙。
みんな、どことなく微妙な顔をしている。
つまり、俺はパーティのお荷物ってことか……?
本当のお荷物は俺だったのか……?
頭の中で、ぐるぐるとネガティブな考えが渦巻く。
――もういっそ、俺自身を追放した方がパーティがうまく回るんじゃ……。
そんなことを考えた瞬間、思わず自分の頭に問いかけていた。
「……おい、俺のスキル。警報鳴らせよ。そこは鳴らすところだろ」
静まり返る頭の奥。
(……おい、マジで何も鳴らないのかよ!?)
はい、俺様、お荷物確定!
むしろ廃棄物か、ゴミってやつか、ちくしょう!!
「ああ……なんか、急に働く気が失せてきたわー」
「奇遇ね、ガイル。私もちょっと人生について考えたくなってきたわ……」
どん底テンションの俺と、シルビアがしれっと同調してくる。
「ご、ごめん、そんなに落ち込まないでよ……」
沈みきった俺たちを見て、クラウスが冷や汗をかきながら手を振る。
「いや、クラウスは悪くない。俺たちがただの勘違い野郎だっただけだから……」
シルビアもどこか諦めたように頷く。
「いや、本当に僕の鑑定はそこまで万能じゃないから!特性は数値で見えても、使い方や仲間との相性、それにスキル抜きでの本人の力次第でいくらでも結果は変わるから。だから落ち込まないで!!」
クラウスが必死に頭を下げてくる。
「……スキルも万能じゃないか。でもなぁ……」
――評価は評価なんだよな。
第二章完結です。
途中で大幅修正をしてしまったので、修正前に読んでしまった方はもう一回読んでいただけれ幸いです。
結構頑張りました。




