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ねこ大佐の地図1

19世紀末のこと。

霧深いロンドンの街。

寒い冬がやってきて、灰色の空から雪が舞い降りる。

大通りや架かる橋の両側に並ぶガス灯とビックベンの灯りが温かさを添えている。

その大通りからひとつ道を入った奥まった路地の一角にある安宿『木馬亭』

の2階に、にゃん大佐は逗留していた。

彼は、本来はねこである。


しかし…何のために、誰の命であるかなんてきかないでくれ!

機密事項なのだ。



古い木馬亭の薄暗い角部屋でにゃん大佐はデスクライトを点け、

机の上にある白い紙にむかい、ただひたすらにペンを走らせている。

サラサラと軽快な音がしていたかと思うと、ピタリと静止して

辺りを見回した。

「なんだか、嫌な感じがするな…」

けれども、ドアも窓も本棚も先ほどとこれっぽっちも変わってはいない。

「気のせいか…」




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