一話 無慈悲なる勇者—①
頭が痛い。
俺は監督を務めるゲーム《アウト・ワールド》を製作した、
だが、今、俺はその《アウト・ワールド》の世界にいる。
だが、ここで、異世界転生と決めつけるのは、ラノベの読み過ぎだ。
これは、夢だ。いや、夢でしかありえない。
「なら、俺が作ったゲームを、とことん、楽しまなきゃ、駄目だよな」
俺はそう心に留め、自分のゲームを楽しむ事にしたのだった。
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「勇者よ、どうか。私の国を悪魔どもから救ってくれ」
おっと、国王の事を忘れていた。
確か、最初は…。
「どうしたか、アウテリア帝国の国王よ」
「おお、国の名前を既にご存じとは…、貴方様は神の使徒で間違いない」
「そうだ、如何にも、俺は《》その人だ」
俺は冷たい表情で国王に言った。
くーっ!何とも爽快な気分だ。
全てのセリフを知っているのだが、実際に体験するのが、これ程気持ちいとは…。
「《》よ!どうか、私の国から、醜い悪魔どもを追い払ってくれ!」
「ああ、言われるまでもない、それが、俺の使命なのだから」
これも、俺が作ったのだが、醜い悪魔とは、何か嫌だな、俺が一番好きな魔物なのに…
まあ、作ってしまったものはしょうがない。
「さあ、案内しろ。俺は剣を振る準備は出来ている」
「い、今すぐに。で、ですが、説明などを…」
「いらん、悪魔の居場所など、とっくに知っておる」
何せ、俺が作ったのだから。
それに、これからのシーンは、俺のこだわった一つだ。
何せ、イラスト担当と俺が三日寝ずに作り上げた、悪魔の住処。
その名も、
「天空城・タルタロス」
「ゆ、勇者よ。何か…」
おっと、ついつい、こいつらの前で笑ってしまった。
この勇者は、無慈悲をイメージしているのだ。笑顔など決してしてはいけない。
「いや、悪魔どもを蹂躙するは楽しみでな」
「そ、それは、それは」
国王とその従者達が、俺を恐怖の眼で見ている。
だが、それもこれも、俺が作ったので、哀しくはない。
それよりも、俺はワクワクしている。
何せ、俺が作った、悪魔との、戦闘シーン(殺し合い)なのだから。
そして、俺は無意識に満面な笑みをさらけ出してしまった。
勇者のキャラ、実に美少女に近い、美少年なのだ。
その理由は、
「恐怖感が増す」だった。




