肉鎧
『準備』も済み、モッさんに抱えられた状態で私は窓のブラインドの隙間から外の様子を覗き見る。
電車の外では最後のエロトラップ「淫紋レーザー」の機械を足で踏みつぶした魔王がずんずんとこちらへ向かってきている。
ただ、その頬は紅潮し、目は潤んでいる。
性的な快楽が身体をめぐり、オーガズム値は確実に上昇していることがうかがえた。
「まだ……まだよ……!」
そして魔王はよろめきながらも、電車にたどり着いた。
――ガギィィィン!!
両手でドアを掴み、力任せに開ける。
メキメキと金属が悲鳴を上げる。
その様子を見ながら、私とモッさんは車内で静かに待った。
なおリリムは車内後方でがたがたと震えている。
ドアが半分引き裂かれ、魔王の顔が覗き込む。
その瞬間――別のドアの開放ボタンを押し、私とモッさんは飛び出した。
(この電車は前世日本の首都圏の某痴漢が多い路線の車両がモデルになっているようで開けるボタンがある)
私たちの影を見て追いかけてくる魔王。
そうして車両から出た私たちと魔王はスタジアム跡の旧観客席があった残骸の上で相対する。
「さあ!どこからでもかかってこい魔王!!」
モッさんが魔王に啖呵を切る。
そうだかかってこい!
できるものならな!!
「お、おま、おまえ!!!それは流石に反則でしょう!?!?」
それに対しての魔王の反応は絶叫だった。
心なしか顔がギャグ調の涙目になっている気がするが気のせいだろう。
え?なんで魔王がそんな変な顔になってるかって?
……なんでだろうなぁ。
不思議だなあ。
「というか貴方も離れなさいよ!?いいのそれ!?さすがに良いのそれ!?」
「いやほら、今世の私ってば勇者の外付けバフ装置じゃん?じゃあ一体化した方がいいかなあって」
「だからってなんでその間男に四肢を縛り付けられてるのよ!!!しかも全裸で!!!」
「肉鎧っていうらしいよ」
「名前を聞いてるわけじゃないのよ!?」
なんだよー。
この状態が呑み込めなさそうだから名前を教えてやったのに。
そう、今の私は四肢をがっちりとベルトでモッさんの身体に固定された状態。
なんならモッさんのナニが私のナニに挿入されている状態だ。
なんかアフリカかどっかの部族でそんな服あったよね。なんだっけ?
あぁそうそうペニスケースだ。
ちなみにこのアイテム。
何気に強い効果があり、私のオーガズム値に合わせてモッさんの攻撃力にバフがかかる。
当然ながら戦闘ではモッさんは激しく動くことになるので、貫かれている私のオーガズム値は勝手に上がり、どんどん攻撃力にバフがかかるという構造なのだ。
「さあさあさあ!攻撃して見ろよ!私は防御力は見た目通り紙だぞ!」
「いざ尋常に、勝負!」
気分がいいので魔王を煽り散らす私、きりっとした顔で腰を落として戦闘態勢になるモッさん。
「あっ❤」
おい、いきなり腰を落とすな奥に刺さる。
「尋常にっていうならそれ外しなさいよぉぉぉぉ!!!!!!」
「問答無用!ステハゲビーム100%!!!!!」
クアッ!!!!
ピッ―――――――
「んぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいいい!!!!!」
モッさんの頭から放たれるビームが直撃し、魔王が真正面からビームを受け止める。
違うのは前回と異なり確かにダメージが通ってそうなところ。
魔王に直撃しなかったビームはそのまま魔王を通過し、魔王の後ろにある即席エロトラップダンジョンの素材(残骸)を吹き飛ばしていく。
「ちゃんとお片づけ出来てえらい!3歳児でもちゃんとおもちゃ箱に片づけるぞデカくなってんのはチンコだけか?」
冷たい目線を投げかけて唾を吐きかける私。
「ありがとうございます!美少女からかけられる唾甘味なりぃ……」
なんかうっとりした表情を見せるモッさん。同時に私の中で大きくなるアレ。
多分戦闘の興奮と性的興奮で私とモッさんのテンションはバグってると思う。超楽C♪
「ほら魔王片付けるのがまだだぞモッさん。子供じゃないんだからきちんとお片づけしなさい。種付けプレスで!」
「かしこまりっ!」
どすどすどすドス!!!!
ズン!ズン!ズン!ズン!ズン!
「あ゛❤あ゛❤あ゛❤あ゛❤あ゛❤!!?!?!?!」
大股を開いて魔王に突進するモッさん。
振動で獣のような声を上げる私。
突進してくるモッさんに、魔王はとっさに回避姿勢をとる。
「このまま地面にあっ❤プレスされるといっ❤死ぬぞ!あっ❤私がいひぃ❤」
しかし私の声に我に返りそのまま両手でモッさんの両手をつかむ魔王。
力勝負をする算段だ。
だが断る。
「肉鎧解除!!!」
私がそう叫ぶと肉鎧のベルトが霧散し、私はモッさんと魔王の間に落下する。
「んひぃ❤……もっさん!アクメスイッチ!!」
ガクガクと震える体を無理やり動かしモッさんの足元にアクメスイッチを置いて、すぐにぐるぐると寝ころびながらモッさんの魔王の間から離脱。
私が離脱した瞬間にモッさんはアクメスイッチを足で踏みぬく。
「ヒギィィィィィィ!❤❤❤❤❤」
その瞬間魔王が嬌声と共に膝をつく。
その隙をモッさんは見逃さなかった。
「種付けプレスフルプァワアアアアアアアアアアア!」
「ギャアアアアアアアアア❤❤❤❤❤」
モッさんが魔王の上に覆いかぶさる。
それと同時に魔王から悲鳴のような矯正!
このままでも順当に魔王を倒せそうだがそれでは足りない。
完全に魔王を屈服させる必要がある。
そのための用意を、私はしてきた。
私は腰にぶら下げていただめ押しの最終アイテムを使用する。
「発動――『セックスしないと出られない部屋』!!」
次の瞬間、光の渦が巻き起こり、モッさんと魔王の体が吸い込まれる。
視界が一瞬白くなり、気がつくと、私の目の前にはドールハウスサイズの部屋。
それはベットだけが真ん中にぽつんと置かれた無機質な部屋だった。
中には、モッさんと魔王が閉じ込められているのが見える。
部屋の扉には、でかでかとこう書かれている。
『セックスしないと出られない部屋』
その文字を見て、魔王は攻撃魔法を発動させようとする。
が、不発。
この部屋はオーガズム値が一定以上の状態だとすべての攻撃行為ができなくなる仕様なのだ。
そのためにすべてを使って魔王のオーガズム値をあげたわけだ。
攻撃魔法を使えない魔王は今度はモッさんを物理排除しようとする。
しかしそのパンチはポスンという可愛い音と共にモッさんの分厚い脂肪に吸収される。
モッさんを見上げる魔王。
にっこりと微笑むモッさん。
モッさんの股間はもちろんビンビン。
まあ美人だからな今の魔王。
「これはNTRになるのだろうか?むしろ穴姉妹?」
今世の恋人と前世の妻が致すってどういう概念になるのだろうと考えながら、一旦離脱する。
そして、この場で唯一無事な痴漢電車のグリーン車に入ってリリムと2Pカラーと合流し、乗員室にある車内販売用のスナックとビールと座席の一部をもって『セックスしないと出られない部屋』の前に戻ってくる。
戻ったときにはモッさんによって魔王の服がびりびりとひん剥かれていた。
「さーてビールビール」
2Pカラーに座席を転がさせ、私はそこに寝転がるとスナックを開けてビールを呷り、観戦の姿勢に移行した。




