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生徒会長がモテる理由  作者: プリン
第2章 ブラック校則をぶっ壊せ!
24/47

24 高峰の意外な一面

 高峰は生徒会室の備品であるパソコンを取り出した。

「んじゃ、さっそく取り掛かるとするか」

 高峰は慣れた手つきで資料を作り始めた。


「何をしているんですか?」

 ゆいは横からパソコンの画面を覗いた。

「まずは、臨時で生徒総会を開きたいっていうお手紙作りだ。やるってなったら、どこかの授業時間を使うことになるからな。それなりの計画性と真剣度ってもんを見せねぇと、教師は時間を割けないだろ?」


「でも、時間割はほとんど科目で埋まってますよ?」

「いや、学級活動の時間は空いている」

 藤堂は手持ちの時間割表を差し出した。

「そうだ。学級活動は全クラス全学年が金曜日の五時間目にある。だからそこに生徒総会をねじ込んでやる。そうだな、来週の金曜日にでもやるか」

 高峰は片手間にカレンダーをちらりと見て言った。


「ら、来週ですか?! 急すぎませんか?」

「いいや、こういうもんはゲリラ的にやっちまったほうがいい」

「そうですね。校則の変更に異を唱えるひとの準備時間を削ぐことができますし」

 藤堂は深くうなずいた。


「……なんだか、高峰サン、急に仕事が速くなりましたね……」

 ゆいは普段の奔放な様子とは打って変わって、てきぱきと話を進めていく高峰の姿に意外さを感じた。

「ははっ! こう見えて、俺はやるときはやる男だからな!」

 高峰がエンターキーを派手に叩くと、窓辺に置いてあるコピー機が動き出した。


「ほぅら、できたできた」

 高峰はコピー機から出てきた紙を指でつまんで、インクを乾かした。

「とりあえず、今からコイツを校長に渡して交渉してくるわっ!」

 高峰はそう言うと、勢いよくドアを開けて去っていった。



「今日の高峰サン、すごく俊敏だね……」

 ゆいは開け放たれたドアをそっと閉めた。


「いつになく。それにしても、高峰先輩の文書作成スキルは高い。ものの十分ほどで話しながら資料を作ってしまうとは」

 藤堂は感心したように言った。

「そうだね。ちらっと見たけど、文体も学校から配られるプリントみたいで、体裁も整っていたよ……いつもの高峰サンの雰囲気からは想像できないけど……」

 

ゆいはふと、先ほどの高峰の様子を思い浮かべた。

 長く骨ばった指をせわしなく動かし、パソコンの画面をじっと見めつつ、ゆいの疑問にも答えていた高峰。普段は少し目つきが悪く、瞳に輝きがないようにすら見えるが、先ほどの高峰はとても生き生きとしていた。

 粗暴な気質ではありながらも、丁寧な仕事をする高峰を、ゆいは頼もしく思った。


「高峰先輩の素性を知ってしまって以来、すっかりと忘れかけてしまっていたけれど、やはり、高峰先輩は生徒会長なんだ」

 藤堂は呟いた。

「そうだね。だって、考えてみたら、高峰サンは素の高峰サンで生徒会長に当選したんだもんね……実はすごいひと、なのかもしれない……」

 ゆいは、高峰のことをまだあまり知らないのだな、と気づいた。


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