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異世界ハーレムはただしイケメンに限る  作者: 日暮キルハ
二章 守るためなら何をしてもいいのか?

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神隠しの噂

「うわー……でかい屋敷……」


「こんなでかい家なら鬼ごっこできるな!!」


「絶対だめだからねカイ」


 現在俺を含めレブルの戦闘班は『フラッカ』という町に来ている。

 別に観光に来たわけじゃない。

 まぁ町の外観はきれいだし何やら屋台で珍しい食べ物を売ってるみたいだから時間があったら食べてみたいとは思うけど。


 ……話が逸れたな。

 俺達がここに来ている理由、それを説明しようと思うと昨日のパーティーでのあの後のことまでさかのぼる必要がある。


____________


「……護衛ですか?」


「実は昨日、脅迫状が届きましてな……」


 クロンツさんがため息をつきながらそう言う。


「脅迫状?」


「いや、脅迫状と言うよりは予告状と言うべきですかな……」


「……?」


「手紙には明日、悪政を働き民を苦しめる私を殺すと書かれていましてな。これでも領民との仲は良好だと思っていたのですが……」 


 悲しそうにそう言うクロンツさん。

 けど、ちょっと待て。


「明日!?……それにしてはやけに落ち着いてますね……」


 悲しいのは分かるけど命狙われてるんだからもうちょっと焦らないか普通?


「領主ともなるとこの程度のことでいちいち臆していられませんからな」


 苦笑を浮かべながらそんなことを言うクロンツさん。


「それでどうだろうか?引き受けて貰えないだろうか?」


「えっと……」


 別に引き受ける事自体は全然いい。

 けど、いくつか分からないことがある。

 

 まず、なんで今日あったばかりのえたいのしれない奴にそんな重要なことを頼むのか。

 そもそも今日ここに来ているような人達ならば俺達に頼らずとも優秀な兵力を揃えているのではないのか。

 あと、いくら貰えるのか。

 これが一番大事だな。


「ちなみに一日護衛についてくれるならば一人につき金貨三枚を支払おうと考え――」


「引き受けましょう」


 金貨三枚、だと!?

 さすが金持ち……報酬の相場がいかれてる……


「それは良かった……それでは明日の明朝にそちらのアジトへ馬車を向かわせますのでよろしくお願いしますな」


「助かります」


 金貨三枚……

 明日一日で金貨三枚……


「頭!俺も行きます!そしたら金貨六枚です!」


「ん?……まぁいいけど」


 正直ちょっと不安だけどまぁアジトにちょっかいかけてくる連中もいないしこの間みたいに一人で何とかしようとして殺されたら元も子もないからな……

 あと、やっぱり金貨六枚欲しいし……


「この守銭奴共が……」


「守銭奴って言うな!……というかお前はいいのか?人の命狙う奴なんてどう考えてもお前の言う『悪』って奴だろ?」


「……明日は忙しくなるからな」


「……そっか……ならいいけど」


 なんかルクアと話してたみたいだからな。

 たぶんそれに関係してるんだろう。


「『分身』のユニーク魔法があればどちらにも行けると言うのに……」


「よく分かんないけどお前みたいな頭のおかしい奴が何人もいたら危なくて夜道歩けないな。なんの悪夢?」


 頭がおかしいというよりは子供と言うべきか。

 まぁ、それは俺もなんだけど。


「なるほど……喧嘩を売ってるなら買ってやろう」


「は?ちょっ、うわっ、悪い!あとの事は頼む!」


 そのあと結局、国王が止めにはいるまで俺とサクトの鬼ごっこは続いた。

 短気ってよくないよね。


________________ 


 そして、そのあとアジトに戻ったら結局戦闘班の奴等が全員ついてくることになった。

 金貨三枚恐るべし。


「俺を含めて十一人で来てるわけだから……今日一日で金貨三十三枚だと……?」


 武器屋のつけを払ってもお釣りが返ってくる……


「そういや、グレンは新しい剣だけど大丈夫?」 


「昨日の夜に軽く慣らしましたしおそらく問題ないかと」


「……天才め」


 俺が黒檀をそれなりに扱えるようになるまでどれだけかかったことか……


「……それにしても国がお前の武器代出してくれたのはラッキーだったよな」


「あそこで起こったことを黙っておくのが条件でしたけどね」


「まぁ……ルクアにも何か考えがあるんだろうな……」


 あのあと結局ルクアと話す機会はなかったから確証は持てないけど。


「無理をされてないといいのですが……」


「そういや、昨日もそんなこと言ってたな。あれどういうことだ?」


「……俺はルクア様の護衛を担当するうちの一人だったんです。今はあのサクトという男が主に担当しているようですが」


「……それは、初耳だな」

 

「まぁそれは表向きはの話でしたしほとんどは騎士団としての活動でしたが」


「ん?表向き?」


「はい、俺はルクア様から得た情報を使って秘密裏に国に仇なすものを捕らえるという命令を陛下から受けていたので」


「へー、秘密裏にねぇ…………ってそれ言って良かったのか!?」


 いや、聞くまでもなくアウトだと思うけど……

 というかグレンってちょいちょい口軽いよな……


「まぁ、もう終わったことですし……」


 本当にどうでもいいことのようにそう俺に言葉を返すグレン。


「ほんとに大丈夫なんだろな?」


 知られたからには生かしておけんとか言われたら怒るぞ?


「終わったことですから。……まぁルクア様はその命令が俺が濡れ衣を着せられる原因になったと思っているようですが……」


「……だから、ちょっと気まずそうな顔してたのか……」


「……はい。どうにもそれ以来かなり無茶なこともやっておられるらしくて……ルクア様が負い目を感じる必要など一切ないんですけどね……」


「……ルクアも大変なんだな」


 まぁ王女なんだからそりゃ俺みたいに能天気には生きられないか……


「おやおや、おはようございます」

 

 物思いにふけっていると屋敷の扉が開き中からクロンツさんが出てきた。


「あ、クロンツさんおはようございます」


「今日はよろしく頼みますな」


「はい、任せてください!……そもそも本当に俺達が必要なのかは謎ですけど……」


 屋敷の周りどころかその更に外まで兵がいるのだ。

 本当に俺達が必要なのか謎だしこれは下手すれば何もしてないから報酬無しとかになりかねないと思う。


「ははっ、まぁそう仰いますな……なんなら私と少々手合わせでもしますかな?グラトニーベアーを一撃で倒したというアキ殿の実力、ぜひ拝見したいですからな」


「旦那様……お体に障ります。おやめください」


 返答に困ることを言うクロンツさんを隣についている女性が止めに入る。

 見た目からしてメイドさんとかその辺だろうか?


「旦那様にお仕えしているサテナと申します。本日はよろしくお願いいたします」


 俺の視線に気づいたのかメイドの人、サテナさんが俺に会釈をしながらを自己紹介をする。


「サテナはこう見えてほんの一年前までSランク昇格間近のAランク冒険者として活動しておりましてな……一度手合わせしてみてはどうかな?」


「旦那様、今がそれどころではないことは旦那様が一番よく分かっておられるはずです」


「ま、まぁそれはまたの機会にということで……」


 この人まさかとは思うが俺の実力が見たいがために俺の事雇ったんじゃ……

 ……さすがにないか。


「ふむ、残念ですな……」


 ……ない、よな?


「ないとは思いますが仮に『神隠し』が来たら一体どうするおつもりですか?あれはいくら何でもえたいがしれませんよ?」


「神隠し?」


 何やらサテナさんの口から興味深い言葉が飛び出す。


「この数日、噂になっている殺人事件、いやそもそもあれは殺人なんて言っていいのか……」


「……?どういうことですか?」


「……神隠しが起こした犯行には死体が残らないのです」


 ……死体が残らない?

 ……どういうことだ?


「死体どころかその辺り一帯の建物も丸ごと空間を削り取られたようにして消えてしまうのです」


「……そんなこと本当に人間ができるんですか?いや、そもそも死体が出ないんじゃ殺されたのかどうかも分からないですし……」


「神隠しが建物ごと人を消すところを目撃した人がいたらしいのです」


「……そんなめちゃくちゃな……その人酔ってたんじゃ……?」


 いくら何でも信じられない……

 人どころか建物まで消すって……どんな化け物だよ……


「まぁ神隠しの話はその辺にしておいてそろそろ中に入りませんかな?おいぼれには少々外は寒い」


「あ、すいません。ん?というか俺達は外で守らなくてもいいんですか?」


「外はもう十分守られておりますからな。もしもに備えて内側で守っていただきたい」


「そういうことなら……良いですけど……」


 昨日会ったばかりなのになんかわけ分からんくらい信用されてるな……

 ……いや、あのサテナさんがそんなことが気にならないくらい強いからこその余裕か?

 そんな何とも消化しきれない考えを持ったまま俺達は屋敷の中へと入って行った。 


最低二日に一回は更新するという方向でいかせてもらいます。

たびたび申し訳ないです。

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