7日目 わ、私じゃない! 犯人はあの人よ!
アイエエエエエエ!?
「本当に知らないんです勘弁してください命がいくつあっても足りませんいや洒落抜きにやばいって」
「あらあら、よく喋るわね。その調子でもっとゲロっちゃいなさい、楽になるわよ?」
「ゲロるも何も紫様はすべてをお話になりましたから何もいうk――」
「あ?」
「勘弁してくださいお願いします」
マヨイガで行われている超一方的裁判。弁護人なんていない。いたとしてもそんなものは物理的権力で握りつぶす。今の状態はさながら判決が解っていながらも弁護が続く状態であろう。もちろん判決は死刑、または無期懲役が濃厚の様子。激しさを物語っている二人――幻想郷の賢者と国を傾けた狐――の服の状態、そして正座。その前方には傘を肩に担ぎながら『良い』笑みを浮かべる裁判官、幽香。行き過ぎた愛とはかくも恐ろしい。なお橙は早々に脱出し、今は自室で布団に包まりながら震えているだろう。無理もない。
事の発端は簡単なものだ。夏香が居ないと知った幽香の殴り込み、もとい情報提供をしてもらいに訪ねたのだ。マイヨガに。朝ごはん真っ只中の時に。どこの番組だ。
訪問された時の八雲一家の反応はそれは悲惨なものだった。突然障子が吹っ飛んできたかと思ったら『良い』笑顔を浮かべた知り合いの娘がいたのだ。それを見て瞬時に危機的状況と判断した賢者事八雲紫と傾国の美女事八雲藍は瞬時にご飯と橙を退避させ、司法取引を開始。弁明? しても無駄だということは母親の夏香で十分に立証済みだ。ならば娘の幽香にしても意味はなし。当然……
「で、どこなのよ?」
「本当に知りません」
御覧の有様だ。アルティメットマザコンクリーチャーに司法取引なんざぁ赤子に泣くなよ! というようなものだ。愛は盲目、まさにそれ。
「大体、夏香の場合、あの人自身とんでもなく強いんだから心配なんていらないじゃない!」
「嫌よ、私が困るわ」
「……マザコン」
「死にたいなら早く言えばよかったのに。いいわ、せめて嬲り殺しで――」
「止めてください!!」
……一応説明するが、謝っている方はこれで戦闘能力幻想郷内トップランカーの実力者なのだ。本当に。隣で死んだ目になり掛けている狐さんもその一人である。
「だ、大体!! あの人は今日は博麗神社で霊夢と一緒におt――」
「情報提供ありがとうねぇ」
……幻想郷は今日も平和である。




